畑のどまんなかに掘られた「泥プール」に飛び込んで、大地の恵みをカラダ全体で感じちゃおう! というイベント「マッドランドフェス」が、7月8日に、千葉県佐倉市の農場「たがやす倶楽部」で開催されました。
ゲートをくぐれば泥ビーチ
一見なんの変哲もない畑の入り口につくられた「フェス」のゲート。
そこをくぐってすぐ目の前に飛び込んできたのが、DJにあわせて泥まみれで踊りまくる水着姿の若者たち。

なんだかいきなりスゴイ光景だ……。
畑のどまんなかで水着ですよ。
彼らが入っていたのは、畑のどまんなかに掘られた「泥プール」。

抜ける青空、眼前に広がるまぶしい緑。そしてプール。泥の。
フォトショップで露天風呂の写真に泥を合成したのかな? といわんばかりのシュールな光景が広がります。
人をダメにする泥プール

泥プールなんていうとバラエティ番組の罰ゲームを連想させますが、浸かる人々の顔はみんな「至福のひととき」といった感じのうっとりスマイル。

「全身の体重をやさしく受け止めてくれて、いちど腰をおろしたらもう出たくなくなっちゃいました……」と語るのは、東京からやってきたAさんカップル。
使われている泥は、実際に有機野菜づくりに使われている上質な天然泥。
キメがこまかく、フワッフワの感触なんです。

ためしに足で踏んでみると、ベチャ!とはいかず、スプスプスプ……と、体重をゆっくり受け止めて沈んでいきます。
たとえていうなら、低反発ふとんの感触。
身体がやわらかい綿で包まれているような気分になります。
また、日差しで暖まった泥の温度がキモチいいんですよ……。
畑の野菜は抜き放題

会場のなかにある畑の野菜は、ニンジン、ナスなどすべて引っこ抜き放題!
みんなが踊っているのを尻目に全身泥まみれでズボズボとニンジンを引っこ抜くのはなかなかシュールな光景です。
青空のした、大地から野菜を掘り出す解放感と「ひとさまの畑でホントにいいの?」というささやかな罪悪感がまじりあって、不思議な興奮状態になります。

こちらが掘り出したニンジン。全身まぶしいイエロー姿にびっくり。
生でかじると、一瞬ほろ苦い味とともに、フワっと甘い香りが口いっぱいに広がりました。
うーん、力強い! これが大地の味かー。
子ども時代の「夏休み感」を思い出す

会場には、縁側をおもわせる休憩ブースも。
通り抜けるそよ風を楽しみながら全力で遊ぶ人々を眺めていると、「あぁ、夏休み時代、帰省先ではしゃぐ僕らを両親はこんな目で見ていたのかなぁ…」なんて、妙な親心を感じてしまうのでした。
今回この「マッドランドフェス」を企画したのは、「サイレントフェス」などを手掛ける合同会社Ozone(オゾン)。
代表の雨宮 優(あめみや・ゆう)さんは「私たちの食べものが生まれる土と一体化してもらうことで、生産者の人々と、普段直接触れ合う機会のないわたしたち消費者との距離が物理的にゼロになれば」と、今回のイベントにこめた思いを語ってくれました。
たしかに、全身で感じたこの土の記憶は、食卓で野菜を手に取るたびに思い出してしまうかも。
ことしが初開催となった「マッドランドフェス」ですが、毎年夏の風物詩になったら楽しそうですね。
(天谷窓大)
マッドランドフェス 公式PV
マッドランドフェス 公式サイト