会場のビルにはミツバチが住んでいる!?
『はちみつフェスタ』は2013年から始まって、今年で5回目のイベントです。この日は土曜日。午前中のうちから来訪者がどんどん集まり、会場の密度も熱気も上がる一方です。

ちなみに会場は、東京のど真ん中の「紙パルプ会館」というビル、はちみつにはまったく関係無さそうに見えますが、実はありました。屋上でミツバチを飼っているのです。
「銀座ミツバチプロジェクト」というプロジェクトの一環で、ここを含めて銀座のいくつかのビルの屋上で養蜂が行われています。都会には公園や街路樹が多いため、意外とはちみつが採れるのだとか。


この日は、屋上の見学会も行われました。そこかしこにミツバチが飛んでいましたが、軽装備でも刺されることはありませんでした。よっぽどのことが無い限り、ミツバチには刺されないそうです。
まるでワインのような多彩な色彩と味わいのはちみつ
会場ではおよそ50の団体がブースを出展しており、日本各地はもちろん、世界中から集めたはちみつを展示、販売しています。


おもしろいのは、ビンから見えるはちみつの色。同じブースのものでも、種類によって色が違っています。クラフトビールにたとえるとピルスナーのような琥珀色からスタウトっぽい濃厚な黒まで、美しい色のグラデーションが見られます。
秘密はハチが蜜を集める草花の種類。ハチの巣箱の周囲の植生によって、はちみつの色や味が異なってきます。場所だけでなく季節によっても変わるのだとか。そのため、地域によってご当地のはちみつになりますし、外国のものは日本の気候ではありえない珍しいはちみつができるそうです。



もちろん、各ブースで味見もできます。というか、向こうからどんどん進めてくれます! すっきりとした甘さ、コクのある深い味わい、ほのかにビターなものまで、はちみつと一口にくくれないほど多彩です。ワインのように「シャトー」と年度で、テイスティングしてもいいんじゃないかと思うくらいです。
はちみつは食べるだけじゃない
はちみつは食べるもの、というのは先入観だそうで、食べる以外のさまざまな使い方をはちみつマイスターが教えてくれるワークショップも開催されていました。

MIEL(ミエル)さんの「Honey and Rose 美肌美白ローション」。参加者は全員女性です。はちみつには保湿、殺菌などの効果があるそうで、砂漠の国の女王・クレオパトラも肌の美しさを保つためにはちみつの入ったローションを用いたのだとか。


使用するはちみつは、パキスタン産のシドルハニー。
それから、入口ゆかりさんの「はちみつでカラフルこねこね石けん作り」。はちみつ入りの石けんを粘土細工のように作っていきます。こちらの参加者は親子連れがほとんどです。
赤、緑、黄色の石けんの粉。ターメリックやクレイという天然成分で色づけをしてあります。これに水とはちみつを混ぜて、よくこねると粘土のような粘りが出てきます。


これを使っての思い思いの形の石けんを作っていきます。クッキー型を使ってもOK。


どこまでも広く深いはちみつの世界に触れた一日でした。まったく時間が足りないくらいです。できれば、全ブース回って試食がしたかった……。夏の暑い時期なので、栄養たっぷりのはちみつは夏バテ防止にもいいかもしれません。ともかく、はちみつを見る目が大きく変わります。もう、スーパーのはちみつでは満足できないかもしれません!