多彩な批評性を盛り込みつつ、トータルで見ると真っ当なヒーロー誕生の物語になっている。バランスの取れた傑作が『ワンダーウーマン』である。
「ワンダーウーマン」決して天然ボケヒロインではない。女性「ヒーロー」である必然にうなる映画

世間知らずで純真なヒーロー誕生の物語


これまで『マン・オブ・スティール』、『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』、『スーサイド・スクワッド』と3作を発表して来たDCエクステンデッド・ユニバース(以下DCEU)。スーパーマンやバットマンといったヒーローを擁するDCコミックスが仕掛ける連作映画シリーズで、今年はもう一本、11月にヒーローたちが集結する『ジャスティス・リーグ』が控えている。この『ワンダーウーマン』はDCEUの第4作目にあたる。

物語は温暖な気候に守られた絶海の孤島、セミッシラ島から始まる。神話の時代、主神ゼウスの息子である軍神アレスの暴走で、ゼウスが生み出した人類は戦争へと導かれる。アレスに対抗するため、ゼウスが生んだのが女王ヒッポリタを中心とする女戦士アマゾネスだった。セミッシラ島はこのアマゾネスが住む島であり、そこにはヒッポリタの娘でありセミッシラのプリンセスであるダイアナも住んでいた。

厳しい訓練を受けつつも平和に暮らしていたダイアナだったが、ある日空から見たこともない飛行機が墜落するのを目撃する。パイロットを助け出すダイアナ。だが飛行機を追って次々に謎の軍隊がセミッシラに上陸してくる。犠牲を払いつつ敵を撃退したアマゾネスたちに、救出されたアメリカ人パイロットであるトレバー大尉は「外の世界では大戦争が起こっており、自分はそれを止めなくてはならない」と告げる。