連続テレビ小説「ひよっこ」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第24週「真っ赤なハートを君に」第141回 9月13日(水)放送より。 
脚本:岡田惠和 演出: 田中正 板垣麻衣子
「ひよっこ」141話 女性大集合それぞれの生き方
イラスト/小西りえこ

「ひよっこ」140話はこんな話


ツイッギーコンテスト前日、女性限定リハーサルが行われた。

女性大集合


時子(佐久間由衣)のリハーサルに、乙女たちも集合。
昼間の邦子(白石美帆)は珍しい。

さおり(伊藤沙莉)まで来た。

時子登場を待っている間に、それぞれの話題を語り合う。
養子を迎えることにするという安江(生田智子)。
女の子がいいんだと言う。

突如、悩み相談をはじめる豊子(藤野涼子)を、早苗(シシド・カフカ)が抱きしめる。
OL同士だから、分かり合えるのか。

幸子(小島藤子)は愛子(和久井映見)に、夫の雄大(井之脇海)がウイーンに勉強に行ってしまって嬉しいけど寂しい話をする。
国が若い芸術家に勉強させてくれる制度とは、文化庁の「新進芸術家海外研修制度」だろう。ちょうど昭和42年からはじまっている。

澄子(松本穂香)はみね子(有村架純)に、田舎で虐げられているおばあちゃんを東京に呼ぶ決意を語る。
そういえば、澄子と豊子はハワイには行ってきたのだろうか。ふたりの珍道中のスピンオフ希望!(ハワイの風景は書割りとかでいい)

富(白石加代子)は風邪らしく部屋で養生。
140話では島谷製薬の薬のパッケージがしっかり映ってた。

ピンクのワンピの時子


ヤスハル(古舘佑太郎)が用意した、荒木一郎の「いとしのマックス」がかかり、時子がステージに。
歌詞が「真っ赤なドレスを君に♪」なのに、ピンクのワンピだった。

細くて長い手足を振って颯爽と歩く時子。
奥茨城村時代の回想が入ると、やっぱり、時子も東京に来て、垢抜けたことがわかる。

「日本中のいや世界中の女の子たち女性たち
いろいろ大変だよね 女として生きていくのは
でもでも 女の子未来は私に任せて
みんな私についてきて」

会議の結果、女性の観客に向かってこう言うメッセージを用意した時子。
資生堂のシャンプーTSUBAKIの、日本の女性へのメッセージみたいだ。

まるで、主役のような時子。
これこそ、朝ドラヒロイン という感じだ。

一方、男性は


さおりがリハ見学にでかけたため、店番する三男(泉澤祐希)。
あかね坂の男性陣は、みね子の仕切りで、すずふり亭の中に閉じ込められている。
その間、漫画家(岡山天音、浅香航大)の漫画を見て、盛り上がる。
「でかすぎるよ、みね子の倍あるよ」と言う省吾(佐々木蔵之介)の台詞が可笑しい。


外で「いとしのマックス」がかかると、男たちは踊りだす。
外ではしゃぐ女たちと、部屋の中で踊っている男たち。これは、一般的な、外に出て活躍する男性と、家を守る女性のあり方の認識の逆転だ。
この時代の、女性解放運動の気運を出すかのように、佐々木蔵之介や三宅裕司や光石研など、主役を張れる俳優たちにもかかわらず、女性を立てて引いた感じに存在しているところが、さすが優秀な俳優だなと感じる。

「いとしのマックス」というタイトルから、「ひよっこ」主題歌の桑田佳祐には「いとしのエリー」があったことを思い出した。

コンテストの本番、早くして!
(木俣冬)
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