
読者のなかに“残業しがち”な人はどれくらいいるだろうか。きっと少なくないだろう。会社がブラック体質であり“帰れない雰囲気”があるなら気の毒に思うが、 “作業効率の悪さ”が原因であれば改善しないともったいない。ということで、今回は残業をしないための時間管理術がテーマだ。
できるビジネスマンは“時間を刻む”
時間効率アップというと「朝活」などをイメージするかもしれない。それも大事だが、朝の使い方以前に、日中の時間の使い方を今一度見直してみてほしい。
例えば、就業時間が9時~18時だった場合を考えてみよう。きっと多くの人が、9~12時までだらだらと仕事をし、12~13時がランチタイム、1回くらいの軽い休憩を挟みながら13~18時までまただらだら働く、という流れが一般的ではないだろうか。
しかし、この通りに働く必要なんて全くない。与えられた時間の枠組みの中で、自分なりの時間割を組み立てれば良いのだ。筋トレだってぶっ続けでできないように、人間の集中力には限界がある。長距離が得意な人もいれば短距離が得意な人もいるように、集中力の持続時間も個人によって長く持つ人もいれば短い時間で区切ったほうが良い人もいる。一般的に、高い集中力をキープするには、時間を区切ってメリハリをつけることが有効だ。

たとえばだが、時間配分を「集中が必要な作業20分間→単純な作業10分間」というサイクルにする。仕事には「重要なもの」と「そこまで重要でないもの」がある。頭を使うため集中が必要な前者を20分間行い、あまり頭を使わないので集中が必要ない作業を後者の10分で行うのだ。この優先順位付けは、“仕事ができるかどうか”を大きく左右する要素でもある。単純な作業から始めて集中力がなくなってしまったり、重要な仕事が時間に間に合わなくなってしったりしては本末転倒だ。これでは「できるビジネスマン」とは言いづらい。
この振り分け作業、ペース配分を決める下準備は入念に行おう。下準備がバチッと決まれば、あとは作業を淡々とやっていくだけでいい。逆に、とりあえずやっていると集中が必要な作業のときに「あ、あれもしないといけない」などと頭によぎってしまう。すると集中力が散漫してしまうのだ。
「まだ時間がある」という余裕が非効率を招いてしまう
メリハリに加えて、“制限時間”を設けるメリットも大きい。人間、デッドラインが迫っていると驚くほどの集中力を発揮する。一方で、締め切りがないとダラダラしてしまうもの。

このような感じで時間の使い方を今一度考え直してほしい。「20分→10分」というサイクルと言ったが、集中できる時間には個人差がある。自分にピッタリな時間は、実際にやっていくなかでチューニングしてみてほしい。
ランチタイムに並んでいないか? 今すぐ見直せ!
加えて、ランチ休憩の使い方もその日の時間効率を大きく左右する。ランチタイムはだいたい1時間あると思うが、1時間丸々休む必要なんてないと思っている。かなりの集中力を要する筋トレだって、トレーニングとトレーニングの間のインターバルは最長でも3~5分だ。
さすがにランチ休憩を5分で終わらせろとは言わないが、ランチ時はムダな時間のオンパレードだったりする。飲食店やコンビニの行列に並んでしまっていないだろうか? ランチ後、コーヒーを飲みながらスマホで時間を潰していないだろうか? ここに改善点は山ほどある。例えば、事前に作っておいた弁当を会社に持っていくこと。驚くほど時間効率が上がるのでぜひ試してみてほしい。
ランチ休憩で60分休むよりも、ランチの時間を短縮して一日に6回10分休憩をとったほうが集中力は持続するだろう。まあ、僕みたいに弁当を作らなくても会社に行く途中や前日の夜に弁当を買っておくだけで時間の節約が可能だ。
空いた時間で作業を片付けておくなり、頭をリセットするために昼寝してもいい。いずれにせよ、ダラダラと過ごしていても作業効率は上がらないことを覚えておいてほしい。
お昼過ぎに襲われる眠気の真犯人
お昼の過ごし方でいえば、ランチのメニュー選びにも注意が必要だ。午後の仕事に向けて精を出すべく、ガッツリと食べる人は多いと思う。だが、食べ過ぎてしまうと、食べ物を消化すべく胃に血液が多く集まり、脳に十分な血液が回らない可能性がある。また、炭水化物をたっぷり食べると、血糖値が急上昇してしまう。すると身体は、インスリンを分泌し、血糖値を正常な値に戻す。この血糖値の乱高下が起きたとき、身体はダルさや眠さを感じてしまう。お昼過ぎに襲われる眠気は、実は寝不足というより、血糖値の乱高下の可能性も高いのだ。血糖値が上がらないように、低GIの食材を選んだり、サラダから先に食べるなどの工夫が必要となる。
残業ばかりで辟易している人、作業効率が悪くて困っている人は、ここまで注意点として挙げてきたことを無意識にやっていないだろうか。今日から見直してみてほしい。きっとその効率の良さの虜になるだろう。
(Testosterone)