連続テレビ小説「わろてんか」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第7週「笑売の道」第48回 11月25日(土)放送より。 
脚本:吉田智子 演出:東山充裕
「わろてんか」48話。鈴木京香のごりょんさん退場、余計なお世話だがこれからが心配
イラスト/まつもとりえこ

48話はこんな話


開業一年めで寄席が軌道にのり、てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)は晴れて祝言をあげた。
それから3年。
ふたりに赤ちゃんが生まれ、前途は洋々。

おなごの夢に年は関係ありまへん


びっくりぽんや!(「あさが来た」より) 
と、久しぶりに言いたくなった。
啄子(鈴木京香)がいきなりアメリカに行くと言い出したからだ。
知り合いがいるそうで、だから外国の絵葉書を見ていたのか・・・。
でもその絵葉書の秘密は明かされない。いつか、明かされるときは来るのだろうか。

旅立ちにあたって、啄子は、てんにごりょんさんの免許皆伝を言い渡す。

がんばるてんを見て、藤吉郎を任せられると安心したのだろう。
子供の幸せがなによりの幸せと思っている彼女だから、てんなら藤吉郎を幸せにしてくれそう(食いっぱぐれない)と信用したのだろう。
いや、てんには、しっかり者のトキ(徳永えり)がついているから、安心したというのがホンネではないか(妄想)。

いずれにしても「おなごの夢に年は関係ありまへん」という啄子の台詞は、全女性視聴者へのエールである。

風鳥亭一周年記念興行


「笑いにはとんでもない力があると思います
つらいことがあってもそれを希望に変える力です」
藤吉が、一周年記念興行で挨拶。
後ろに控えた、葵わかな(てん役)が、すっかり奥さん然としていて、頼もしく見えた。
黒い紋付きはおったふたりは、なんだかお似合い。


一周年記念の新作もとりたててなさそうな演芸の数々を、儀平衛(遠藤憲一)の写真をもったしず(鈴木保奈美)のほか、妹のりんと風太(濱田岳)も見に来て笑う。
栞(高橋一生)は見に来るだけでなく、ご祝儀も奮発、この日は、啄子も見て笑っていた。

キース(大野拓朗)の漫談に、客席から風太が返した言葉のほうが面白い気がしたのだが、この先、大丈夫なのだろうか。

「一生そばにいて笑わしたるさかい」


会社を起こすにあたり、藤吉郎は、「北村笑店」と名付けた。
また、彼は、結婚にあたり、てんに「一生そばにいて笑わしたるさかい」と誓う。
藤吉郎の力で笑わせているわけではないのに、なんでずっとこんなふうに言うだけ番長なんだろう。

その一人相撲な感じが、てんには微笑ましいのかもしれないが。
てんはたぶん、藤吉の顔がこよなく好きで、それゆえに困ったところもすべて許せてしまうのだと思う(妄想)。

啄子が渡米し、夫婦ふたりっきりになったので、子供(隼也)も生まれて、ときに大正3年。
ペーソスが出せた遠藤憲一、鈴木京香がいない穴は、濱田岳ひとりに託されたってことだろうか。重責っすね!
(木俣冬)