連続テレビ小説「わろてんか」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第9週「女のかんにん袋」第51回 11月29日(水)放送より。 
脚本:吉田智子 演出:川野秀昭
「わろてんか」51話。釣った魚に餌をやらない藤吉に、てんは怒ってよいのだ
イラスト/まつもとりえこ

51話はこんな話


藤吉(松坂桃李)が父親として何もしてくれないため、さすがのてん(葵わかな)も堪忍袋の尾が切れかかる。

ついに、怒ったてん


51話の終わりの葵わかな(てん役)の顔は、苦かった。
いままで、何をされても言われてもニコニコしていたてんだったが、ついに苦虫を噛み潰したような顔になる。

眉間の皺の深いこと、深いこと。
リリコ(広瀬アリス)に教えてもらった、怒りを袋の中に閉じ込める(堪忍袋)のやり方で、「藤吉のアホー!」と。
いいぞ、もっと怒れ!

それもそのはず。藤吉は、おしめも替えたことがなく、夜泣きをしても知らん顔、兜も買ってこないとうい体たらく。
てんが忙しいときに、ちょっと隼也を見ていてと頼んでも、寄席のことで頭がいっぱいで、ほったらかしにしてしまう。アサリ(前野朋哉)とキース(大野拓朗)の剣戟に夢中になって席を外して戻ってきたら、目の前のかごが空っぽであることにも気づかないぼんやりさん。

挙句に、てんに相談もなく、リリコに隼也の世話を頼んでしまう。
これって典型的な、釣った魚に餌をやらないタイプではないか。ひどいぞ。

女子トーク


トキ(徳永えり)とリリコに、何もしてくれない藤吉のことを愚痴るてん。
すると、リリコが東京で聞いた落語「堪忍袋」を教えてくれて、てんはストレス解消する。
この時点では、女3人集まって、わちゃわちゃして、楽しそうだったのに。
リリコに隼也を託すのは、てん的に違うみたいだ。

そりゃあ複雑な気持ちであろう。
リリコと藤吉は、てんの知らない時間を過ごした仲。そんな女性に子供を預けるのは、いささか心配になるのも無理はない。てんは彼女に意地悪されたこともあるし。
最初に、リリコが隼也を抱っこして、子供がほしいなどと言っている姿を見ているてんから笑顔が消えたところに、彼女の複雑な感情が読み取れるようで可笑しかった(他人事で申し訳ない)。

リリコと風太がかき回す?


東京から大阪に戻って来たリリコは、いろいろあって女義太夫をやめて、しばらくぶらぶらすると言う。
風太も、寺ギンと出会って、彼に世話になることになったらしい。

ふたりとも、いったいなぜ大阪に? と謎を振りまきながら、52話へ・・・。

兜を買ってこない藤吉に対して、五月人形をちゃんと買ってくる風太は気が効いている。

芸人たちのエピソードもそろそろ見たい


一度は風鳥亭では食えないと他所に行ってしまったが、風鳥亭の一周年記念のときに、こっそり戻ってきたあさり。現在、何もなかったかのように、ふつうに過ごしている。それも、藤吉やてんの人柄なのだろうと思うが、あさりをもう少しフィーチャーしても良かったのでは。あさりに限らず、キースにしても、岩さん(岡大介)にしても、3、4年ずっと家族のように過ごしている芸人たちのことが全然描かれていず、なんだかもったいない。
あと100回以上もあるのだから、彼らのこともそろそろ描いてほしい。


今日の、わろ点


藤吉が兜をちっとも買ってこないところ。そして、それをてんが怒っているところ。
(木俣冬)