◆旧用水路から聞こえた鳴き声、米袋に入れ捨てられたボロボロの子犬をなんとか保護
――自宅前の旧用水路に捨てられていた子犬のたろを保護した当時の状況を教えてください。
「犬たちの散歩のために家を出発した直後、犬たちが執拗に何かを探す素振りを見せました。何かと思い立ち止まると、自宅そばの旧用水路から鳴き声が聞こえたので覗き込んで見たら、ボロボロの子犬が見えました。旧用水路は長い梯子が必要なほど深く、保護の準備をしている間に一度見失ってしまいましたが、探し回ると原っぱにぽつんと佇んでいるのを発見しました」
――そのまますぐに保護できたのでしょうか?
「最初に見かけた場所の近くに空の米袋が落ちていて、子犬はこの袋に入れられて旧用水路に投げ込まれたものと思われます。そのような経緯から、人間への恐怖心と警戒心が異常なまでに強く、捕獲しようとするとものすごく大声で鳴き叫んでいましたが、なんとか無事に保護することができました」
――なんとか無事に保護することができた後、ご自宅に迎え入れる決断に至った背景を教えて下さい。
「生後2ヵ月程と見られ、皮膚の状態もひどくて治療が必要だったため、保護以外の選択肢はありませんでした。当初は里親も募集しましたが、外を歩けば必ず保護を必要とする犬に出くわしてしまうほど犬が多いバリ島で、犬の譲渡をすることは非常に難しく、必然的に我が家の一員となりました」
――Instagramでは、“人間が怖かった”たろが心を許してくれた瞬間が話題になりました。迎え入れてから、たろはどのように変化していったのでしょうか?
「最初の数時間はツンツンした態度で、話しかけてもプイッとしたり、触ろうとすると唸ったり、我が家のほかの犬たちに対しても強がって吠えたりしていました。でも、お風呂に入れて、ごはんをたくさん食べた後は、ほぼ起きることなく夜までヘソ天で爆睡していました(笑)」
◆狂犬病の発生も…病気や怪我でもそのまま放置、悪環境すぎるバリのペット事情
――ヘソ天で爆睡とは、安心したのでしょうね。
「それからはあっという間に家族に溶け込み、私たちに対しての警戒心も完全に溶け、すっかり甘えん坊の末っ子キャラになりました。
――たろが家族に溶け込んでいく中、心がけていることなどはありますか?
「私たち以外の人間と触れ合う機会がほとんどないまま成長してしまったため(私たちが忙しく、頻繁にたろを外出に同行させたり、人を自宅に招く時間を取れなかったりしたため)、来客があると今でも警戒して吠えています。保護以降、病気も怪我もなく、無事に育ってくれて申し分ないですが、この点だけは『しまったなー』と思っています。遅ればせながら、友人を自宅に呼ぶなどして、人に慣れてもらう訓練中です」
――ぱんはな家さんはインドネシア・バリ島で暮らしています。バリ島のペット(動物)を取り巻く状況や日本との違いについて教えてください。
「伴侶動物に対する飼い主の意識の差は大きく違います。バリ島の飼い犬は9割が放し飼いと言われていて、たくさんの犬がノーリードで路上をフラフラしています。観光客には『バリ島は野良犬が多い』という印象を持たれがちですが、実は野良犬っぽい犬にも飼い主がいたりします。飼い犬の皮膚がボロボロだったり、ガリガリに痩せていたり、病気や怪我で苦しそうにしていたりしても、そのまま放置されることも多く、夜間や雨天時でも門を開けてもらえず、ずぶ濡れで家の前に座っている犬もよく見かけます」
――それはひどい状況ですね…。
「犬に興味も愛情もないのなら家族に迎えなければいいのに、そこら中に犬がいるので、その犬が亡くなればまた新しい犬を迎える家庭が多いです。亡くなった子を庭に埋める飼い主もいれば、首輪がついたままの子を路上に投げ捨てる飼い主もいます。そして飼い犬なのに、名前がない犬もいます」
――バリ島では、捨てられてしまう犬は多いのでしょうか?
「避妊去勢手術がまだまだ浸透していないため、子犬が産まれるとすぐに道路脇の原っぱ、ゴミ捨て場、墓地、市場など、あらゆる場所に捨てられます。生きたまま米袋などに入れて袋の口を縛って投げ捨てられることも大変多く、毎日島中のあちこちでたくさんの命が失われています。
――そうしたなかでも、動物を守ろうとしている方々もいるのでしょうか? また、どのような問題を抱えているのでしょうか?
「もちろん、バリ島の飼い主が全てそうではなく、愛情と思いやりを持って動物たちに接している方や、できる範囲の活動をしながら、動物たちをサポートしている現地の方もたくさんいます。ただ、バリ島は狂犬病も発生していて、私たちの生活圏内でも犬や人が亡くなっていますし、犬肉が狙われることも多く、毒殺や盗難も日常茶飯事で、本当に問題は山積みです」
◆「保護」をゴールにしないでほしい…“できることをできる範囲で”仲間を増やしていきたい
――現在、元保護犬34匹と一緒に暮らされています。最初に保護犬を迎え入れた当時の状況を教えて下さい。
「バリ島に移住して半年ほど経った2016年3月、夫が駐車場で洗車をしているところに、ガリガリに痩せ細り、皮膚病でボロボロな子犬がふらっと入ってきました。気づいたら私は『かわいい子だね~、明日病院に行こうね~』と言いながら家の中に招き入れていました。私はそれまで犬と縁がなかったので、夫は私の行動にとても驚いたそうです(バリ島では最近でも狂犬病の発生が報告されているので、捨て犬や野良犬に安易に触れたり近づいたりすることはお勧めしません)」
――その後はどうなったのですか?
「それから2ヵ月後に2匹目を保護し、しばらく2人と2匹の生活を楽しんでいたのですが、保護から8ヵ月ほどで最初の子が突然亡くなりました。それから数ヵ月は深い悲しみの中にいましたが、ある日、散歩中に最初の子と同じような毛色で同じようにボロボロで痩せ細った子に出会い、その子を保護しました。その翌日にも自宅駐車場にノミだらけの子犬を投げ込まれ、バタバタと対応している間に日常生活を取り戻していきました。それからは自分たちにできることを少しずつ始めるようになりました」
――1匹の子犬の縁から、いまでは34匹のワンちゃんたちと生活するようになりました。彼らとの生活で大切にしていることはありますか?
「何をするにも『この子たちにとってどうか』を常に考えているので、彼らが生活の中心になっています。一番意識しているのは、犬たちに『幸せだな』『楽しいな』『居心地がいいな』と思ってもらえるような環境作りです。伸び伸びと、愛や絆をたっぷり感じながら日々を過ごしてもらえたら、それだけで私たちは幸せです」
――ワンちゃんたちと幸せに暮らす中、ご夫婦の願いや目標、夢はありますか?
「地域の犬猫たちの保護活動やTNR活動(外暮らしの犬猫の不妊手術)を継続してきました。
――SNSにも、応援のメッセージがたくさん寄せられていますが、改めて伝えたいことはありますか?
「動物保護に関心のある方には、『保護』をゴールにしないでほしいと常々思っています。保護するということは、助けを求めている命があるということ。保護をくり返すのではなく、助けを求める子がどこにもいない、『保護』を必要としない世界にすることができたら一番だと私たちは考えます。保護し続けるのではなく、不幸な命を生み出さない未来を作っていけるように、私たち1人ひとりに何ができるのか、これからもみなさまとともに考えて行動していきたいです」
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