「うちの会社は黒字だから安心」
 その思考停止が、あなたの未来を奪う。

 突然「用済み」と宣告され、絶望の淵に突き落とされる姿は、決して他人事ではない。
30代・40代のあなたは、いつ「高コスト社員」というレッテルを貼られるか分からない時代です。

 会社はもはやあなたを守ってくれない。この冷酷な現実に、あなたはいつまで目を瞑る?

 後悔する前に、今すぐ「生き残る術」を身につけなければ、痛い目に遭うと日系大手企業から外資系IT企業の部長職まで登り詰めた経歴を持つキャリアアドバイザー・安斎響市氏は説く。

※本記事は、『定年までこのまま働き続けるのはちょっと…と思ったら読む 40代からの転職と副業』(育鵬社発行・扶桑社刊)より一部抜粋・再構成してお届けします。

「黒字リストラ」が無限増殖していく時代

「黒字だから安心」が命取りに。40代から始まる“高コスト社員...の画像はこちら >>
 怖いと思いませんか?

「年齢がネックで転職できない」

 と本当に焦るのは、40代の今ではありません。50歳を超えて、リストラ対象になって仕事を失ったときです。

 そのときには、もう「年齢が年齢だから……」なんて言っている余裕はありません。なんとしてでも仕事を探さなければ、無職まっしぐらです。

 近年は、東芝、パナソニック、資生堂、オムロン、リコーなど、大手メーカーを中心に多くの企業が早期退職プログラムを発表しています。

経営好調でも油断禁物!リストラはもはや「会社の日常業務」である現実

 2024年以降は特に、黒字企業による「将来を見据えた構造改革」が目立ちます。

 経営が苦しくて赤字脱却のために大規模リストラに踏み切る会社も多くある一方で、大幅な黒字を達成している企業や、一見業績好調に見えるような企業まで、「長期的な経営を見越して今のうちに……」と人員削減を図っています。

 もうすでに、リストラは企業にとって、「会社が倒産する前の最後の手段」ではなく、「日常的に検討する選択肢のうちの一つ」なのでしょう。

 一部の企業では、経営基盤が盤石で、多額の内部留保も抱え込んでいるにもかかわらず、そのお金を現役社員に投資することなく、「新規事業に投資するために社員のクビを切る」という決断をしています。

年間1万人超が戦力外! 黒字企業が“平気で”斬る超加速リストラ時代

「黒字だから安心」が命取りに。40代から始まる“高コスト社員”の選別、大手企業が平気でクビを切る「冷酷な経営戦略」
ローソク足とグラフのイメージ
 別に「苦渋の決断」というわけでもなく、ただ淡々と、経営戦略として高齢社員のリストラを冷静に進めているのです。


 2024年の早期退職募集規模は、年間で57社・1万人超(前年の約3倍)と急増、2025年にはさらに19社・合計8711人と前年同期の約2倍ペースで推移しています(2025年1~5月の公開情報)。

「うちの会社は利益が出ているから大丈夫」「業界内でシェアを持っているから経営は安定している」

 なんて考えていたら、きっと痛い目に遭います。

 会社側はむしろ、経営を安定させるために高齢の高コスト社員をリストラするのだから。黒字であっても、平気でリストラをするのが今の時代なのだから。

〈文/安斎響市〉

【安斎響市(あんざい・きょういち)】
1987年生まれ。日系大手メーカー海外営業部、外資系大手IT企業の事業企画部長などを経て、2023年に独立。「転職とキャリア」をテーマに、書籍、note、Xなどで発信している。著書に『転職する勇気』(育鵬社)、『私にも転職って、できますか?』『すごい面接の技術』『正しいキャリアの選び方』(以上ソーテック社)、『転職の最終兵器』(かんき出版)、『note 副業の教科書』(ぱる出版)、『転職は待ちが9割』(ソシム)、『1%の気くばり』(大和書房)など。
編集部おすすめ