
最近「時短ハラスメント(ジタハラ)」に悩まされている人が増えているそうだ。働き方改革によって「働ける時間が短くなったのに、業務量が以前のままだから仕事が終わらない」状況が続出。そして、「どう考えても納期に間に合わない仕事量なのに『残業ナシ』はプレッシャーが半端ない」「会社の大半の人が定時に終わらないスケジュールを組んでいるのに、時間内で終わらないと『生産性が悪いから』って言われる」などの不満が噴出しているらしい。

仕事に「遊びの時間」を導入すべし
ジタハラに悩まされている原因は一概には言えないが、その多くが「普段から全力で仕事をこなしまくっているから」ではないだろうか。普段からフルパワーで働いているというのは、翻せば毎日ギリギリのところで働いている。つまり、余裕がない。車でいう「ハンドルの遊び」がなく、時短やトラブルが起きると、途端に対応できなくなり、パンクしてしまうということだ。つまり、働き方改革の流れは単なる一つのトリガーであり、従来の働き方を続けていたら、遅かれ早かれパンクしていたことだろう。
そこで提案したいのが、仕事の量を制限する働き方である。今現在、君は80%のクオリティの仕事を10件こなしているとする。80%のクオリティとは、上司や取引先に提出しても十分に通用するレベルだが、細部にこだわろうと思えばもっとこだわれる程度のクオリティを指す。これを意図的に80%のクオリティの仕事を8件だけこなすようにする。すると、仕事2件分の空き時間が生まれる。
俺は手を抜いて仕事をしろと言っている訳ではない。トラブルがあっても無理なく対応でき、80%ではなく90%の仕事をアウトプットできるような仕事環境を己で作り出すことはプロフェッショナルとして当然の流儀だ。80%のクオリティで10件仕事を引き受けていては、上司は君により多くの仕事を振り続けてくるし、そのせいで仕事のクオリティは下がるし、トラブルにも対応できない。
断れないなら忙しいフリで回避せよ!
「そうは言ってもなかなか断れないよ!」という声が聞こえてきそうだ。たしかにそうだろう。下手に断れば角が立つ。そこで試してほしいのが、「忙しいフリ」をすることだ。特にすることがなくても、とにかく大忙しなフリを常日頃からしておく。そうすることで頼みづらい空気が生まれる。空気が読めない同僚に面倒な仕事を振られそうになったら「ごめん、片付けないといけない案件があって」とキッパリ断る。上司が相手なら「すみません、今○○の案件が成功するか否かの瀬戸際で、どうしても詰めないといけないことがありまして」などと適当にかわす。
正常な判断は体が健康なうちに
優しい人は「私ががんばれば……」と思ってしまうかもしれない。しかし、誰かの犠牲のもとで成り立つ組織に存在価値なんてない。業務が回らないなら人員を増やすこと、これは会社の責務だ。会社に改善する動きがないのなら、転職も視野に入れておこう。

すぐに会社を辞めることは考えものだが、自分のなかで「ここまでヒドくなったら転職する」という線引きをしておかないと大変なことになる。過労によって体を壊したり、自ら命を断つ人がいる。そういったニュースを見たとき「死ぬくらいなら辞めればいいのに」と思う人が多いだろう。だが、極限まで追い込まれた状態では正常な判断ができなくなってしまう。自分が壊れていく感覚すらつかめず、潰れるまで働くことになる。健康もメンタルも害した状況では転職どころか普通の暮らしすらできなくなる。「仕事なんて簡単にやめられねーよ」ってのは分かるが、きちんと線引きしてアウトなら体力も精神力も正常なうちに転職することをお勧めしたい。
筋トレは最強の転職ツール
と、ここまで筋トレ要素一切なしできてしまった。
それに、筋トレによって屈強な体を作りあげれば、転職活動でも有利になる。採用する立場になって考えてみてほしい。能力が同じ2人がいたとして、一人は中肉中背でナヨナヨしている、かたや体がゴツくて見るからに頼り甲斐のある見た目。どっちを採用したいだろうか? どちらに説得力があるだろうか? 答えは明確だよな。
ということで、まとめると、まずは自分の働き方を見直し、それでもダメなら勇気を出して転職を考えてみるなり、余裕があれば筋トレもしてみてほしい。自分の身は自分で守るんだぞ。方向転換するなら早ければ早いほうが楽だ。
(Testosterone)