吉岡里帆主演の火曜ドラマ『きみが心に棲みついた』。自己肯定感ゼロメートル地帯女子、“キョドコ”こと小川今日子(吉岡)と彼女に執着するサディスティック毒男・星名(向井理)、必然的に影が薄くなりがちな誠実な男・吉崎(桐谷健太)が織りなす地獄の三角関係ラブストーリーだ。


連ドラ初主演の吉岡が、第1話では強制ストリップ、第2話では大雨でズブ濡れになりながら裸足で走る(しかも劇的にみじめなシチュエーションで)という文字通り体当たりの演技を見せているのだが、先週放送の第3話ではなんと下着姿を披露……! なんというか、今日子ともども吉岡さんが今後どんな目に遭ってしまうのか心配になる。
「きみが心に棲みついた」3話。生々しい下着姿で登場の吉岡里帆がいろいろ心配…
原作3巻

今日子VS彩香、女の戦い


下着メーカーに勤務する今日子は、星名に翻弄されながらも新プロジェクトに向けて奮闘中。しかし、企画書は上司の八木(鈴木紗理奈)にことごくダメ出しされる。ちなみに今日子の企画書にはデカデカと「ターゲット オシャレを楽しむ若い女性」と書かれていた。そんなボンヤリした企画、ダメに決まってるよ!

一方、星名に好意を抱く彩香(石橋杏奈)は、今でも星名とこそこそ会っている今日子に露骨に対抗心を燃やす。上司の堀田(瀬戸朝香)らの前で、「あの人、本当はすごいしたたかで卑怯な女だと思います!」とシャウトしてたしなめられる。そんなこと、人前で言うものじゃない。
大人しそうな見た目の彩香だが、かなり独占心と嫉妬心が強い女性のようだ。また、星名に抱かれたことを今日子に匂わせていたが、実際にはこの時点で手を出されていなかった(原作ではドラマの第3話ラストにあたる部分でガッツリ抱かれている)。

そして社内の新作発表会が近づき、星名は今日子に「手伝ってほしい」と迫る。星名の頼みを断りきれない今日子。社内で上司(しかも、かなり偉い)に言われたら、たしかに断れないかもしれない。しかし、星名が今日子に渡したのは……下着だった。


今日子、羞恥の下着新作発表会


下着の新作発表会は、社内とはいえ、ステージは大きく、プロの外国人モデルも大量に出演、プレスやゲストも招いた本格的なものだ。取材にやってきた吉崎、マンガ家のスズキ次郎(ムロツヨシ)、吉崎のことが大好きな後輩の為末(BiSH「プロミスザスター」のMVに出演していた田中真琴)、星名、堀田、彩香らが見守る中、発表会がスタートする。

颯爽とモデルたちが闊歩した後で、おずおずと出てきたのは……下着姿の今日子! それまでの(吉崎曰く)非現実的なほど均整のとれたモデルたちの後に出てくる半裸の今日子は、むっちりした日本人体型で落差がすさまじい。

ざわめく場内、ドン引きする彩香と為末(2人とも男をめぐって今日子と対立している)、無表情の星名……。視線を浴び続けた今日子は、羞恥に耐えかねてランウェイで倒れて動けなくなってしまう。

見かねた吉崎はスズキを連れてランウェイに上がり、さりげなく今日子への視線を遮りながら「演出」だとマイクでアピールして観客の気をそらす。そして今日子をかばって逃がすのではなく、「最後までちゃんとやれ」と伝えて、ランウェイを歩いて帰らせるのだった。
原作では自分の上着を着せて帰していたが、こちらの行動のほうが「演出」だと観客に納得してもらえるだろう。そして吉崎の行動を見て、星名は静かにブチ切れる。

何度も言うが、星名の行為はれっきとしたパワハラであり、セクハラだ。今日子はしかるべき機関に相談の上、ツイッターで #MeToo をつけて星名の所業を告発すべきである。

ちなみに厚生労働省の「職場でのハラスメントでお悩みの方へ」というサイトを見ると、「会社の相談窓口にご相談ください」と記されている。今日子の会社の場合、今日子の直属の上司である白崎(長谷川朝晴)は星名に弱味を握られているので、相談しても相手にされないだろう。
厚労省のサイトのページの一番下に「会社で対応してもらえない場合」として、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へのリンクが貼られているが、リンク先は所在地の一覧でしかない。けっして親切な対応とは言えないし、これではセクハラがなくなるとは到底思えないのである。

今日子を縛る呪いの言葉


「だったら、俺だけのために生きてくれよ」
「い、生きます! 私、星名さんのために生きます!」

8年前の会話が今日子を縛りつける呪いだ。呪いにかかった今日子は、下卑た男たちの前でストリップを披露し、あろうことかその様子をビデオで撮影されてしまう(牧村役の山岸門人の風貌が原作とそっくりで驚く)。しかも、今日子はそこまで酷い目に遭っているにもかかわらず、「私は彼の前から、逃げたのです」というモノローグからもわかるように、彼から逃げたことに負い目を感じているのだ。今日子を下着姿の強制羞恥プレイに追い込んだのは、星名の「償えよ」という言葉だった。


「きっと、こんな私を受け入れてくれるのは、星名さんしかいない」

自分を卑下し続ける今日子は、自分を受け入れてくれる(と思っている)星名の命令につい従ってしまい、命令に従うことで惨めな目に遭って、こんな自分を受け入れてくれるのは星名しかいないと思い込む。精神のデフレスパイラルだ。

自分を救ってくれ、心配してくれる吉崎を「もう私なんかにかかわらないでください!」と突き放す今日子。完全に虜になっている様子である。今日子は星名へのドロッとした執着を新プロジェクトの企画書にぶつける。その名も「思わず抱きたくなるランジェリー」。
そして八木と感情をぶつけ合う。やっぱり今日子を救うのは仕事なんだろうか?

ラストでは星名の母親の過去がほのめかされ、そして吉崎の元カノ、成川映美(中村アン)が登場していきなりキス! そしてそれを目撃してしまう今日子! このドラマ、なぜそこに!? って展開が多すぎない? 第4話は今夜10時から。また吉岡さんがひどい目に遭ってしまわないか心配……。
(大山くまお)

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