ファービー、プリモプエル…「aibo」復活前に進化を遂げていたペットロボットたち

1月11日、ソニーから約12年ぶりに家庭向けの犬型ロボット「aibo(アイボ)」の新型が発売されました。本体価格は19万8,000円(税別)。
けっこうなお値段にもかかわらず、初回の予約販売は30分足らずで完売。その後、2回目は14分、3回目も38分で売り切れたというから、相変わらずの人気を博しているようです。

さて、初代「AIBO」が発売された1999年前後は、空前のペットロボットブームが起こっていた時期。セガの「プーチ(POO-CHI)」、バンダイの「プリモプエル」、アメリカ生まれの「ファービー」など、来るべき21世紀を前に、さまざまな機械仕掛けの愛玩動物が発売され、人間たちの良きパートナーになっていたものです。
あれから10数年。すっかりブームが沈静化したため、以前のように世間から熱視線を浴びることはなくなったものの、これらのペットロボットはひそかに改良を重ねられ、aibo同様に、バージョンアップした個体が売られていたのをご存じでしょうか? そこで今回、世紀末に流行したペットロボットが今どのように進化を遂げているのか調べてみました。
ファービー、プリモプエル…「aibo」復活前に進化を遂げていたペットロボットたち
画像は先代AIBOウェブサイトのスクリーンショット


プーチ(セガトイズ)


初代AIBOのメーカー希望小売価格は25万円。ハイテクロボットとしてはお買い得ですが、おもちゃにしては高すぎます。ということで、金銭的な理由から欲しくても購入できない人が多数いたものです。そんなAIBO難民のハートをガッチリキャッチしたのが、2000年4月に発売された「プーチ(POO-CHI)」。機嫌の良し悪しをつかさどる「ココロ回線」なるプログラムと、2980円という抜群のコスパがウケて、全世界1200万台を売り上げるセガトイズ最大のヒット商品になりました。
それから14年後の2014年7月。プーチは「ハートエナジー プーチ」として再デビュー。
見た目は、従来のカクカクした機体から丸みを帯びたフォルムへと一新。機能的には、1カ所だったタッチセンサが3カ所に増え、歌を16曲歌えるようになり、さらには、ニンテンドー3DSにダウンロードしたソフトと連動させて遊べるようになるなど、たしかな進化を遂げています。





プリモプエル(バンダイ)


1999年はカリスマブームの時代。カリスマ美容師、カリスマ店員、カリスマホストなど、片っ端からその道の一流人を「カリスマ」と形容する奇妙な風潮がはびこっていたものです。そんな折、「バンダイのカリスマ女性社員によって考案された!」と当時のテレビでうたわれていたのが、1999年11月発売のこの「プリモプエル」です。特徴は、こちらの接し方によって性格が変化し、時間帯・季節によって発する言葉が違ってくるところ。また、着せ替え用の服が多数別売りされ、自分好みにコーディネートできるのも人気の理由でした。
その後、ロングセラー商品となり、何度もアップデートが繰り返されたプリモプエル。その最新版が、2013年11月から発売されている「ハートそだつよ!プリモプエル」です。初代では250種類だったおしゃべりが、なんと2000種類以上に増量。さらに、ハートの種(SDカード)によって新しいおしゃべりが追加できたり、赤外線通信によりプリモプエル同士でトークを繰り広げられたりするなど、さまざまな遊び方が可能になっているようです。




ファービー(トミー)


AIBOの発売とほぼ同時期にアメリカから上陸した「ファービー」。キモカワイイ系のルックスもさることながら、発育過程が4段階に分かれ、成熟期へ近づくほどに少しずつファービー語から日本語で会話可能になるというブリーダー心をくすぐる設定もウリの一つでした。
メーカー小売希望価格は3980円。子供でも購入しやすいリーズナブルさも手伝って、国内累計で約330万個を販売するほどの大ヒット商品に。
そんなファービーの最新版が、2016年にアメリカで販売開始された「Furby Connect」。これまで少々物憂げだったまぶたはかっちりと開き、つぶらな瞳がチャーミングな愛すべきデザインへと変化。専用アプリをインストールし、Bluetoothに接続することで、餌やり・ウンチといった飼育コンテンツやゲーム、音楽を、スマホ・タブレット端末からの操作により楽しめる仕様になっています。が、残念ながら日本では未発売のようです。



以上のように、テクノロジーの進歩と共に進化を遂げている、世紀末生まれのペットロボットたち。初代発売当時とは比べ物にならないほどハイスペックに生まれ変わったこれら製品のクオリティを、あなたもぜひ、堪能してみてはいかがでしょうか?
(こじへい)
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