相次ぐ飲食店「ドタキャン騒動」から考える、お店に迷惑をかけないデキる幹事の作法

送別会や納会が終わったと思ったら、今度は新歓コンパや歓迎会……。何かにつけて多い飲み会ですが、最近では無断キャンセル(ノーショー)も話題になっています。

2017年3月には、千葉県千葉市の居酒屋で、70人の予約バックレが話題になりましたし、9月下旬には世田谷区の居酒屋で、なんと学生団体130人の当日ドタキャンが確認されています。もちろん、これらは氷山の一角。人知れず泣き寝入りしているかわいそうな店主は、話題にならないところで増え続けているのかもしれません。

言うまでもなく、予約したお店を何の連絡もなしにバックレるなど、人として論外です。しかし、こうした「バックラー」たちが、最初から店に迷惑を掛けてやろうと悪巧みしていたかといえば、そんなことはないはずです。きっと、ほとんどの幹事が予約した段階では、ふつうに飲み会をワイワイ楽しもうと考えていたに違いありません。が、幹事側の目線に立てば、どうしてもドタキャンしたくなる事情というのもあるものです。


幹事に重くのしかかる“参加者のドタキャン問題”


筆者自身、これまで飲み会・合コン・BBQを200件くらい主催し、40~50人規模の会も20~30回ほどやったことがあります。その経験から言わせてもらえば、幹事が大人数の飲み会を「ドタキャンしたいな……」と思う事情は、「人数が集まらない」「参加者の当日キャンセルが相次ぐ」。この2つ以外考えられません。

特に、参加者のドタキャンは由々しき問題です。昔、筆者主催で10対10の合コンをやろうとしたときのこと。当日になって女子9人から同時多発的に「体調不良で……」という連絡を食らいました。
謎のはやり病が原因で、10対10が、10対1に……。これでは会が成立しない。そう思い、お店に「すいません、キャンセルしたいのですが……」と連絡したところ、「あ、じゃあ、キャンセル料6万円いただきます」との通達が。銀行でおろした万札6枚を握りしめ、一人、半泣きになりながらお店に向かったことを覚えています。


数十人規模の飲み会をする際にやるべき事前準備


数十人規模の飲み会の幹事は、大きなリスクを背負っています。そのリスクを軽減するため、事前準備を徹底する必要があるのです。
まず、参加者確保・把握のために、開催日から日数的に十分な余裕をもってお誘い・声掛けをすること。その際、「行けるかも」といった曖昧な回答をしてきた人は除外して構いません。「いく!」「参加したい」など、明確な意思表示をした人のみで参加者数を算出し、お店へはそれよりも、ちょっと少なめの人数で予約します。なぜなら、参加者の急なキャンセルで幹事が割を食うことはあっても、当日多少の人数が増えることによるデメリットはないからです。

あとは、人数の増減をこまめに把握するべく、1週間前・3日前・1日前といった具合に、一人ひとりへリマインドを送信。リマインドへの反応がない人、鈍い人も急にキャンセルしてくる可能性が高いので、人数から除外します。

このように、店舗側の人数変更期限日ギリギリいっぱいまで、参加人数の把握にこだわることが、幹事にとって大事な仕事なのです。

ここまでで分かる通り、幹事とは面倒くさいものなのです。だからこそ、飲み会・イベントの参加者は、そのことを十分に理解し、キャンセルするときはなるべく早く連絡する、どうしても当日キャンセルする場合は「キャンセル料大丈夫?」などと最低限心配するといった、相手の立場に立った行動をとる必要があります。幹事と参加者が意思疎通し、それぞれがやるべきことをしっかりと押えていれば、きっと、ドタキャンによるお店の悲劇は少なくなることでしょう。
(こじへい)
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