シンデレラ体重にダイエットする危なさ 大切な人がいる男性に伝えたいこと

最近、ネットを賑わせていた「シンデレラ体重」。シンデレラ体重には諸説あるようだが、一般的に言われているのは「BMI指数が18の状態」を指すという。
ツッコミどころ満載すぎてどこから触れていいか戸惑うのだが、まず一番に言えることは、「知識なしにやることは危険」ということだ。今回はそんなシンデレラ体重をテーマにしてみたい。
そして、本来は女性向けに作られた言葉らしいが、今回の内容は男性陣にもぜひ頭に入れておいてほしいものになっている。それでは始めよう。


BMIで「美しさ」は測れない


シンデレラ体重にダイエットする危なさ 大切な人がいる男性に伝えたいこと
BMIの計算式

「BMI指数が18の状態」であるシンデレラ体重。このBMIとは、体重と身長の関係から算出した肥満度のことを表している。計算式が煩わしいので説明は省くが、18.5~25の間であれば標準、25以上であれば肥満、そして18.5未満の場合は痩せすぎとされている。
ちなみに、日本肥満学会では「統計的にもっとも病気にかかりにくいBMI」を22としている。
このBMIが18以下であればシンデレラ体重であり、イコール「美しい・理想的」など思われているようだが、そもそもその指標となるBMIは、肥満や健康状態を測る一つの基準。決して美しさの基準ではないのだ。

というか、身長と体重のみで算出するBMIで「わかること」などたかが知れている。
例えばBMIが22の人が2人いたとして、一人は筋肉質でバランスのとれた体型、もう一人は体脂肪率がかなり高くだらしない体型としよう。BMIでは、この二人の違いは見分けられないのである。
体重は同じでも、筋肉量や体脂肪率によって見た目は全く変わってくる。そして、BMIでは筋肉量も体脂肪率も考慮しない。つまり、BMIは肥満度を測る一つの指標として参考程度に使うのはいいとしても、決して自分の美しさを測る指標としては使ってはいけないのだ。

自分の体重やBMIとにらめっこするのはやめて、ぜひ鏡を見てほしい。そもそも、BMI基準でもBMI18は“痩せすぎ”で病気になりやすいという判定だ。健康を害してまでシンデレラ体重なんて目指すな。
大事なのは見た目だ。ほどよく筋肉がつき、メリハリのある体のほうがよっぽど美しく、よっぽどセクシー。BMIの数値が肥満であろうと、見た目さえ良ければ関係ない。


間違ったダイエットがもたらすもの


それでも自己満足として目指したい人もいるだろう。あまりお勧めはしたくないが、止める権利もないので、やるからにはせめて健康的に正しい方法でやってほしい。
特に、残念ながらこの日本には正しいダイエット法はあまり広まっていないから注意が必要だ。ここで、日本人女性の平均値を見てほしい。
厚生労働省の校正統計要覧によると、26~29歳女性の平均身長は約158cm、平均体重は約54kgとなっている。この時点でのBMIは21.6。標準値だ。だが、158cmの女子がBMIを18にするには体重を46kgまで落とさないといけない。つまり、平均的な身長と体重の女子がシンデレラ体重を目指すとき、約8kgのダイエットが必要になる。

体重54kgの人が8kg落とすことはかなり気合を入れる必要があるが、一般的な女子がこれほどの減量を行う場合、間違ったダイエットをしてしまう可能性が非常に高い。
断食や極端な食事制限から始めるパターンが多いと思う。悲しいかなメディアが取り上げるダイエットがそういったものばかりなのだから仕方がない。食べるものといえば、春雨スープやサラダ。一見ヘルシーなこれらの食品は、カロリーは低いかもしれないが、栄養素も少ない。

たしかにダイエットの原則は「摂取カロリー<消費カロリー」であるが、これでは栄養失調で痩せているようなもの。その後待っているのは、ホルモンバランスの乱れや体の不調だ。
そして、普段の生活ですら不足しがちなタンパク質の摂取も減るので、筋肉も落ちてしまう。すると、痩せてはいてもハリがない状態になり、美しさからどんどん遠のいてしまう。「こんなはずじゃなかった!」と気づいたときには、カロリーを効率的に消費してくれる筋肉が落ちているので、「痩せづらく、太りやすい体」に仕上がっている。このとき、今までの食生活に戻すと、ダイエット前よりも代謝が落ちているのでリバウンドまっしぐらだ。
間違ったダイエットは過食症や拒食症の引き金にもなりかねない。本当に注意してほしい。


是が非でも「シンデレラ体重」を目指したいなら


シンデレラ体重にダイエットする危なさ 大切な人がいる男性に伝えたいこと
画像はイメージ

それでも、是が非でもシンデレラ体重を目指したいなら、最低限の知識を持って健康的に行ってほしい。第一にタンパク質の摂取量は絶対にキープしてほしいし、マルチビタミンやマルチミネラルなども意識して摂ってほしい。きっと「何を食べたらいいか」「どんなペースでダイエットすればいいか」わからなくなると思うので、そんなときは“マクロ管理法”が役立つはずだ。詳しい方法については、以前お送りした記事「マッチョ社長が教える一生モノのダイエット法」で解説しているので、ぜひチェックしてみてくれ。

最後に。ここまで読んでくれた男性諸君に2つのことを伝えて終わりたい。
まずは、彼女や奥さんが過激なダイエットを始めようとしていたら、君が正しい知識を教えてあげてくれ。大切な人の健康を守ることも男の大事な使命だ。
そして、シンデレラ体重は「細めの王子でもお姫様抱っこできる体重」という説もあるらしい。真偽の程はわからないが、男ならどんな体重の女性でも涼しい顔でお姫様抱っこできるようにしておこう。そのために何が必要かわかるよな? さあ、筋トレだ! 男も女も黙ってスクワット!
(Testosterone)