「あなたには、会社を辞める権利があります」と決め台詞を言って、スカッとする。
という基本一話完結のドラマ「Missデビル」。
職場いじめ、セクハラおやじ、モンスター社員、社内スパイなどの会社の問題をあぶりだしていく痛快ドラマだ。
その一方で、「裏側で、実は何かが動いている!」と、全話を通じてじわじわ進行している秘密がある。
第5話では、いよいよそのあたりの核心へ突入しそうな勢いである。
評判を聞いて、ここから観ようと思ってる人のために、押さえておきたいポイントを解説しよう。

【1】Missデビル
デビルと呼ばれる鬼の人事コンサルタント椿眞子。
ぬるぬる家族経営が行き詰まった損害保険会社「共亜火災」に首切り役として入ってきた。
何度か挿入されるのが、椿眞子が幼い少女だったころのホテル火災。
燃え盛る炎に向かって走っていく男。
フラッシュ・バックに苦しめられ、椿眞子は「あなたは、だれ?」とつぶやく。
さらに、このホテルは、共亜火災のもので、現社長、人事部長、が絡んでいる様子。
ミスデビルは、ただの首切り役ではなく、この過去の因縁に絡んだ何かで動いているのだろう。
それは、いったい何が?
【2】謎の男
ってところにガッツリ絡んできそうなのが、元調査会社員の縣雄二(あがたゆうじ)。
演じるのは、大高洋夫。
『校閲ガール』では貫禄のある大作家先生を演じていたが、今回はいわくありげな怪しい男。
何かを探っている縣雄二。
しかも、会長が言うには、縣は調査会社をやっていて、20年前に共亜火災は、調査を委託していたことがある、らしいのだ。
これも、おそらくホテル火災と関連があると考えていいだろう。
さらに、縣は「お前たちのやっていることは全て知っている」という怪文書を受け取るのだ。
【3】車椅子の父が
入社したばかりなのにミスデビルの元で働くことになった災難ボーイ斉藤博史(Sexy Zoneの佐藤勝利)。
彼のほっとするシーンは、実家の父と妹と電話で会話すること。
鶴見辰吾演じる車椅子のお父さんは、やさしい良き父だなーと安心していたら、
なんと、裏で、共亜火災の社長と会っているのだ。
「今日は、息子さんの話をしにきたんだ」
って、何かある!
何があるのかはまだまったく明かされていないので、ここから一波乱ありそうだ。
【4】醜いモンスター
椿眞子が「あなたにはこの会社に来た理由を教えましょうか?」と斎藤博史に迫り、こう言った。
「それは醜いモンスターを倒すこと」
醜いモンスターとは、誰のことか? どういう意味なのか?
まだまだ謎だが、これもおそらくホテル火災に結びつく話だろう。
いまのところホテル火災に関係していると考えられる人物は、
喜多村会長(西田敏行)
大沢社長(船越英一郎)
人事部長(木村佳乃)の三人。
ストレートに考えると、この三人もしくは三人のうちの誰か、だろう。
だが、なぜ新入社員の斎藤博史に、真の理由を打ち明けるのか?
どうして斎藤博史を巻き込もうとしているのか?
斎藤博史の父親がどう関連するのか?
謎の男、縣雄二は何をしたのか、そして何をしようとしているのか?
縣雄二に脅迫状を出したのは誰か?
このあたりは、まだまだ謎のままだ。
さらに前回のラスト。
斎藤博史の友人であり同期の南雲陽一(前田航基)が、大沢社長をナイフで刺そうとする事件が勃発。
椿眞子の回し蹴りで、大沢社長は助かるが、いったい何があったのか?
これで、第5話から観てもだいじょうぶ、ついていけるはず。盛り上がりそうだよ。(テキスト/米光一成)
●Huluにて配信中