
5月にピークだった運動会。筆者が小さいころに体験した運動会の記憶をたどると、小学生がおへそを出して踊ったり、先生がニュースで世間を賑わせている人の仮装をしたり、今の時代なら保護者から苦情がきそうな演目がちらほら……。
早飲みにうさぎ跳び!我々の時代

●障害物競争でラムネ(瓶)の早飲み(40代男性/東京都出身)
ひと昔前のバラエティ番組にありそうな演目。

●町内を回ってくるかけっこ(60代女性/長野県)
オールスター感謝祭みたい。学校から出ちゃうんですね! 物騒な現代では難しい。
●白い粉の中に顔を突っ込んでアメを探す障害物競走(30代男性/兵庫県)

この演目、筆者も経験があります。引いた紙に当てはまって連れ出した見ず知らずの先輩が、粉の中のアメを食べてくれました。

●麻袋に入ってうさぎ跳びみたいにピョンピョンするリレー(30代女性/徳之島)
今もやっていそう?
●パン食い競争
「今だと食べ物を粗末にするなと苦情がきそう」(30代男性/青森県)
●背中渡り
「みんなで四つん這いになってその上を渡っていく」(30代男性/福岡県)
●棒倒し

「棒倒し」(60代女性/長野県、50代男性/東京都、50代女性/埼玉県、50代女性/福島県、40代女性/東京都、40代女性/千葉県)。
「一本のバーを守る集団の中に入ったり、背中や頭の上に乗り、バーを早く倒した方が勝利」というルールのもの。
「バーではなく、本当の丸太ん棒でやった。裸足の競技だった」(60代女性/長野県)
想像するだけで手が傷だらけになりそうです。同じ棒倒しでも、ワイルドさに差がある模様。
これらの演目は今もやっているところもあるようです。
親参加型競技

●保育園の父親と子供のリレー
「子供が袋を被って並んでいて、親が自分の子を探して見つけておんぶor肩車しながら走ってゴールする」(30代女性/徳之島)
シュール極まりない。子供に袋を被せることに苦情がくるかも…
●デカパンリレー
「小6のときに、親子でデカパン(大きなパンツ)に入って一緒に走った。親に引っ張られたり子供に引っ張られたり…」(30代女性/徳之島)
小6で親子競技があるとは珍しい気がします。
ところでこの「親参加型競技」について、次のような声が。

●借り物競争の中の、「お父さん」や「お母さん」
「昔から事情のある家庭はあったはずなのに、借り物競争で父親母親のカードは必ず入っていた。今はひとり親家庭がたくさんあるので、さすがにそのカードはないのでは」(50代女性/福島県)
●「借り物競争はお題によっては訴えられる」(30代男性)
この方、弁護士です。「親」のカードがそれに当てはまるかはわかりませんが、家庭環境は様々。子供の心は繊細です。
演目以外でも
「運動会当日、途中からどしゃ降りになり中止、翌日晴れて残りの項目をやった。グダグタだった(笑)」(30代女性/徳之島)

「練習がめちゃくちゃハード。何故か入場の練習に力を入れていて、炎天下の中、水分もとらせてもらえずに行進が揃うまで運動場を何周もさせられたりした。しっかり手を振れていない子は1人でもう一周とかもざらだった。当然倒れる子もいた。
本番は入場してサラッと終わるが、あの練習風景を今の親御さんが見たらクレームの嵐で学校の回線パンクしちゃうのでは。小中ともそんな感じだった」(30代男性/兵庫県)
「リレーで転倒して怪我した子が全治何か月にもなり、その後の体育の授業が受けられなくなり、通院で出られない授業があったりで成績が悪くなり、推薦での進学ができなくなった。

「どれも何かしら怪我やハンディやら心配があり、今後は運動会自体がなくなっていくんじゃないか」(40代男性)
ありえるかもと思った筆者。でも運動会の本当の目的って、運動をすることでしょうか。
心を育てる運動会

「『種目の内容に苦情がでる』のではない。『生徒一人一人のための運動会』ということを忘れちゃうと、どんな種目を工夫しても虚しい」(60代男性)
筆者は高校の体育祭で、普段は話さない女子クラスメイトとハイタッチができて嬉しかったことを、今でも覚えています。安全に配慮した「心を育てる運動会」が行われますように!
(武井怜)