
昨年11月、米宝飾高級店ティファニーは、ニューヨーク五番街本店に初となるカフェ「ザ・ブルー・ボックス・カフェ」をオープンさせた。圧倒的な知名度を誇るティファニーがカフェを開店、そしてオードリー・ヘップバーン主演の映画『ティファニーで朝食を』を彷彿とさせることもあり、開店当初から人気が沸騰。
一面ティファニーカラーの店内はSNS映えは間違いなし
ザ・ブルー・ボックス・カフェはティファニー本店の改装に伴い、同店4階にオープンした。店内は一面ティファニーブルーの色でコーディネートされており、カトラリーも全てティファニー製だ。ティファニーは昨年末より「Everyday Object(日常的なもの)」というカテゴリで日用品やカジュアルなカトラリーの販売を強化しており、こちらのカフェとうまくタイアップさせている格好だ。

カフェの店内ではメニューを3種類展開。朝食セット(クロワッサン、季節の果物、メインディッシュ、コーヒーまたは紅茶)、ランチセット(前菜とメインディッシュのセット)およびアフタヌーンティセット(アフタヌーンティー一式と好きな紅茶のセット)を提供している。

店内の客層は、ティファニーの国際的な人気を反映して海外からの観光客も見かけられたが、一方で想像以上にアメリカ人の客層も多かった。というのも予約を入れるのが困難で、短期滞在の観光客が予約を入れることがなおさら難しいからだ。
現在予約はオンラインのみ! 瞬間に蒸発する予約
ティファニーのカフェがオープンした当初は、ウォークインに期待を寄せ、極寒のニューヨークの早朝からティファニー本店に行列をなす観光客の姿も見受けられた。しかし、基本的には予約無しで入ることはほぼ不可能に近かった。現在ではテーブルの確保の方法はオンライン一択となっており、開店当初の混乱はない。ただし、このオンラインでの予約も決して簡単ではない。

予約は入店日の一カ月前から「Resy」というアプリでオンライン予約できる。
立地条件と比べて実はお値打ちな価格設定
実際のカフェの様子であるが、ドレスコードもなくカジュアルな雰囲気だ。価格設定はアフタヌーンティーで49米ドル(約5300円)。決して安い金額ではないものの、ニューヨークで最も地価が高いと言われる五番街に位置している店舗のアフタヌーンティーの価格設定としては、努力が見られる。例えばティファニー本店の向かいに位置するプラザ・ホテルのアフタヌーンティーの価格は、1.5倍の75米ドル(約8200円)だ。

こうした背景には、最近のティファニーのマーケティング戦略が影響しているとも言われている。ティファニーは2016年度第4四半期に売上高が低下しCEOが辞任するなど、近年苦戦を強いられた。
高価な宝石を買わなくてもニューヨークの本店でティファニーを体験できる空間を創り出したのも、そのマーケティング戦略の一貫と言えるだろう。
(迷探偵ハナン)