政治家やハリウッドスターが公の場に姿をあらわす際、必ず傍にいる存在。それは「SP」です。
ドラマの題材としても扱われるSPですが、われわれ庶民が彼らに警護されながら歩く、なんてことはまずありえません。でも、一生に一度くらいはSPに守られたい! そんな夢がかなうサービスが登場しました。それが「SP風タクシー」です。
運行するのは、「心霊スポット巡礼ツアー」や「鏑流馬タクシー」「裏ヨコハマ探索ツアー」など、一風変わった企画を連発するタクシー会社・三和交通。いったいなぜ、こんな企画を考えたのか、またどんな人が利用するのか。気になる点をいろいろ聞いてみました。
さっそく登場したSP風タクシーのドライバー。日中はサングラスをかけています。(※夜間の利用の場合、運転中は外すこともあるそうです)
危険を察知し、懐から拳銃を取り出す? と思ったら中身は水鉄砲でした。ちなみに、耳に掛けているイヤホンはどこにも繋がっていないとのこと。
SPは守秘義務があり、基本しゃべらない(という設定)とのことでしたが、取材のため特別に許可をいただき、話を聞くことができました。
――この「SP風タクシー」、どんな方が利用されているのでしょうか?
「最初のお客様は宴会の余興として予約をしていただきました。
あとはカップルですね。彼氏から『大切な彼女を護衛してください』という依頼があり、彼女の自宅までお送りしました。当日、彼氏から『もし彼女が暴漢に襲われたら、守ってくれますか?』と聞かれたので、『僕は逃げます』と答えました。あくまで“SP風”で、水鉄砲しか持っていないので。そこはすみません……」
筆者もSPに警護されながらタクシーを降りましたが、まさに初めての体験。SPに守られているときにどんな顔をしていいのか分からず、微妙な表情になってしまいました。
広報担当の眞壁広貴さんにもお話を伺いました。
――そもそも、なぜこのような企画を?
「クルマの自動運転が注目を浴びる中、既存のタクシーで何かできないかと考えたときに『黒子のタクシー』というアイデアが生まれました。『黒子』は普段は見えないものとして扱われるので、黒子が運転するタクシー=自動運転と言ってもいいだろう、と。そうしたら、海外のメディアで取り上げていただいたんです」
――SPの前に「黒子のタクシー」があったんですね
「はい。そこから派生して、『SP風タクシー』と『忍者でタクシー』が生まれました。
先ほどのインタビューでも話が出てきた「忍者でタクシー」というサービスもあるとのこと。こちらも気になったので、お願いして呼んでみました。
忍者の格好で現れたドライバー。(中身は先ほどのSPと同じ人です)
忍者にも軽くインタビューしてみました。
――忍者は、しゃべってもOK(という設定)なんですか?
「話せるでござる。大事な巻物も懐に入れているでござる」
――運転中、刀はどうするんですか?
「さすがに危ないので、助手席に置いておくでござる」
――その格好、暑くないですか?
「暑いでござる」
「忍者でタクシー」は、ドイツや中国のメディアから問い合わせが来ているそう。たしかに、海外の方にウケそうなサービスですね。実際、すでに羽田空港・国際線ターミナルへ送迎する予約が入っているとのこと。予約したのは夫が外国人という奥様。ぶっちゃけて言えば忍者の格好をした「コスプレタクシー」ですが、旦那さんの喜ぶ姿が目に浮かびますね。
SPに警護されるスター気分を味わえる「SP風タクシー」と、忍者の格好をしたドライバーが案内してくれる「忍者でタクシー」。いずれも通常の乗車運賃+1,000円で利用できます。
SP風タクシー
https://www.sanwakoutsu.co.jp/special/vol_012.html
忍者でタクシー
https://www.sanwakoutsu.co.jp/special/vol_011.html
取材協力 : 三和交通株式会社
https://www.sanwakoutsu.co.jp/
(村中貴士/イベニア)
SPとはセキュリティポリスの略で、正確には「警視庁警備部警護課に所属する警察官」を指しますが、一般的には民間のボディーガードをイメージする人も多いでしょう。
ドラマの題材としても扱われるSPですが、われわれ庶民が彼らに警護されながら歩く、なんてことはまずありえません。でも、一生に一度くらいはSPに守られたい! そんな夢がかなうサービスが登場しました。それが「SP風タクシー」です。

運行するのは、「心霊スポット巡礼ツアー」や「鏑流馬タクシー」「裏ヨコハマ探索ツアー」など、一風変わった企画を連発するタクシー会社・三和交通。いったいなぜ、こんな企画を考えたのか、またどんな人が利用するのか。気になる点をいろいろ聞いてみました。
耳にはイヤホン、懐には拳銃も?

さっそく登場したSP風タクシーのドライバー。日中はサングラスをかけています。(※夜間の利用の場合、運転中は外すこともあるそうです)

危険を察知し、懐から拳銃を取り出す? と思ったら中身は水鉄砲でした。ちなみに、耳に掛けているイヤホンはどこにも繋がっていないとのこと。


SPは守秘義務があり、基本しゃべらない(という設定)とのことでしたが、取材のため特別に許可をいただき、話を聞くことができました。

――この「SP風タクシー」、どんな方が利用されているのでしょうか?
「最初のお客様は宴会の余興として予約をしていただきました。
居酒屋から帰る際、幹事さんが会社の同僚たちに『ちょっと面白いタクシーが来るから』と。無事、みなさまをご自宅までお送りしました。
あとはカップルですね。彼氏から『大切な彼女を護衛してください』という依頼があり、彼女の自宅までお送りしました。当日、彼氏から『もし彼女が暴漢に襲われたら、守ってくれますか?』と聞かれたので、『僕は逃げます』と答えました。あくまで“SP風”で、水鉄砲しか持っていないので。そこはすみません……」


筆者もSPに警護されながらタクシーを降りましたが、まさに初めての体験。SPに守られているときにどんな顔をしていいのか分からず、微妙な表情になってしまいました。

「守られ方」が分からないまま立ち尽くす筆者と、カメラ目線のSP
「黒子のタクシー」が海外で話題に
広報担当の眞壁広貴さんにもお話を伺いました。
――そもそも、なぜこのような企画を?
「クルマの自動運転が注目を浴びる中、既存のタクシーで何かできないかと考えたときに『黒子のタクシー』というアイデアが生まれました。『黒子』は普段は見えないものとして扱われるので、黒子が運転するタクシー=自動運転と言ってもいいだろう、と。そうしたら、海外のメディアで取り上げていただいたんです」

――SPの前に「黒子のタクシー」があったんですね
「はい。そこから派生して、『SP風タクシー』と『忍者でタクシー』が生まれました。
おもな目的としては、2020年の東京オリンピックに向けたインバウンド需要を見込んでいます。たとえば『海外からのお客様を空港まで迎えに行く』というシチュエーションを想定していただければ分かるかと思います。あくまでオプションサービス企画なので、いずれも通常の乗車料金+1,000円でご利用いただけます」

先ほどのインタビューでも話が出てきた「忍者でタクシー」というサービスもあるとのこと。こちらも気になったので、お願いして呼んでみました。
外国人観光客にウケそうな「忍者タクシー」
忍者の格好で現れたドライバー。(中身は先ほどのSPと同じ人です)

忍者にも軽くインタビューしてみました。
――忍者は、しゃべってもOK(という設定)なんですか?
「話せるでござる。大事な巻物も懐に入れているでござる」


――運転中、刀はどうするんですか?
「さすがに危ないので、助手席に置いておくでござる」


――その格好、暑くないですか?
「暑いでござる」

「忍者でタクシー」は、ドイツや中国のメディアから問い合わせが来ているそう。たしかに、海外の方にウケそうなサービスですね。実際、すでに羽田空港・国際線ターミナルへ送迎する予約が入っているとのこと。予約したのは夫が外国人という奥様。ぶっちゃけて言えば忍者の格好をした「コスプレタクシー」ですが、旦那さんの喜ぶ姿が目に浮かびますね。

SPに警護されるスター気分を味わえる「SP風タクシー」と、忍者の格好をしたドライバーが案内してくれる「忍者でタクシー」。いずれも通常の乗車運賃+1,000円で利用できます。
SP風タクシー
https://www.sanwakoutsu.co.jp/special/vol_012.html
忍者でタクシー
https://www.sanwakoutsu.co.jp/special/vol_011.html


乗車前の点検・整備も欠かさないSP

拳銃ホルダー(ただし中身は水鉄砲)
取材協力 : 三和交通株式会社
https://www.sanwakoutsu.co.jp/
(村中貴士/イベニア)
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