第1週「結婚はまだまだ先!」第2回10月2日(火)放送より
脚本:福田 靖 
演出:渡邉良雄
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ 長谷川博己 ほか
語り:芦田愛菜
制作統括:真鍋 斎
「まんぷく」2話。芦田愛菜ちゃんのナレーションが軽くネタバレしてますけど
連続テレビ小説 まんぷく Part1 (NHKドラマ・ガイド) NHK出版

連続テレビ小説 まんぷく Part1

2話のあらすじ


今井家の長女・咲(内田有紀)の結婚を間近に、母・鈴(松坂慶子)が腹痛で寝込んでしまった。
鈴の体調を案じて、咲と婚約者・小野塚(大谷亮平)は結婚を延期しようと考える。
盲腸ではないかと思われた鈴だったが、咲を嫁に出したくないから仮病を使っているのではないか疑惑が持ち上がって・・・。


ネタバレは朝ドラのツネ


「たちばな工房の立花だす」
1話に続き、またも立花萬平(長谷川博己)は大阪東洋ホテルに電話をしてくる。
滑舌良く名乗る萬平。
冒頭のナレーションで、芦田愛菜がこれまた滑舌のよい快活なナレーションで彼を「(福子の)運命の相手になるとはまだ知る由もありません」と説明し、あらかじめ展開を明かしてくれるのでじつに気楽に見られる。この構成も、従来の朝ドラらしい。
さらに、芦田愛菜は、鈴がふたりの間に立ちはだかるとまで明かす。
事前の予告篇でもじゃんじゃんその場面を放送していたし、ネタバレ大盤振る舞いである。
最近、ネタバレしないで! と視聴者が激しくナーバス化している。前作「半分、青い。」はヒロインが扇風機を発明するとあらかじめアナウンスされていたが、それがネタバレじゃないかと疑問視する声もあって、じょじょにネタバレを自主規制、クランクアップ取材を行わなかった。
だが、インスタントラーメンを発明する夫に尽くす妻の話とゴールのわかった「まんぷく」のように、元来、朝ドラとは大筋をネタバレしたうえで安心して楽しむドラマの側面もあったのである。
例えば、「あさが来た」では第1話で女実業家として成功してスピーチしているところからはじまっている。
さらにいえば、「べっぴんさん」は1話で会社の創業パーティーをしていて、そこには後に戦争に行く夫の姿もあって、戦争に行く場面になっても亡くなることはないと安心して見ることができたのだ。。

余談だが、1話のレビューで萬平の指の造作を讃えたら、2話で、次女・克子(松下奈緒)の夫で画家の幸田忠彦(要潤)が克子の指を褒めていた。
指の美しさって重要ですね。
忠彦さんには萬平をモデルに絵を描いてほしいものだ。

お母さんのほのぼの展開


間違った人に取り継がれるはビジネスがうまくいかないわで散々な萬平。
萬平「僕の大阪弁は相変わらず気色悪いか」
従業員・竹ノ原大作(宮田佳典)「はい」
がっかり・・・。
そう、萬平は大阪で商売をするに当たって大阪弁を使うように努めているが、大阪出身でないためあまりうまくしゃべれない設定になっている。
モデルの安藤百福は台湾生まれで妻・安藤仁子(福子のモデル)と結婚し日本国籍を取得した。

一方、福子(安藤サクラ)は間違った部屋に取り継いでしまったことで、肩を落として家路につく。
のちの夫婦が、ここでそろって仕事に悩んでいる。

家に戻ると、鈴が台所でうずくまって・・・何してるかと思えば、福子がホテルの先輩従業員・野呂(藤山扇治郎)からもらったアメリカ製のツナ缶を頬張っていた。
この場面、「わろてんか」で遠藤憲一がお酒をこっそり飲んで幼いヒロインが「化け猫になった」とショックを受ける場面(5話)を思い出した。
なんともほのぼの展開だす。
前作「半分、青い。」がネタをたくさん詰め込んで素早く進む現代劇だったからか、昭和初期の物語はかなりゆったりして感じられ、その落差にまだ身体感覚がついていけない視聴者もいるのではないだろうか(私がそうです)。


朝ドラは描かれた時代の文化は風物詩が紹介されるのもお約束。芦田愛菜のナレーションがチャップリンの「モダン・タイムス」を紹介し、福子が親友の鹿野敏子(松井玲奈)と池上ハナ(呉城久美)と映画を見たあと、また女子トーク。福子が上の空で見逃したチャップリンが歯車に巻き込まれる名場面は、資本主義のもと人間が社会の歯車になっていることを皮肉っていると言われる。
(木俣冬)

連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~


「まんぷく」の演出家のひとり安達もじりさんも参加している朝ドラ「べっぴんさん」もBS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送開始!
第2話レビューはコチラ
編集部おすすめ