過去3回の特番を経て、本日10月20日から『超逆境クイズバトル!! 99人の壁』(フジテレビ)レギュラー放送がスタートする。

番組内でクイズに挑戦するのは、一般公募で選ばれた100名の参加者。
その中から1名のチャレンジャーが早押しクイズに挑戦し、5問正解すれば賞金100万円だ。しかし、対戦相手は残りの99人。まともに戦っては勝ち目などない。

そこで、各参加者はあらかじめ自分の「得意ジャンル」を指定できる。将棋に詳しい人なら、将棋に関する問題を5問出題してもらえるというわけだ。たった1人のマニアが勝つか、残り99人の圧倒的多数が勝つか。100者100様のバトルが幕を開ける。
「99人の壁」レギュラー化「路線図」でグランドスラム達成者が「100ジャンル」見どころチェック
JR新宿駅に掲示されている『99人の壁』ポスター。無数の佐藤二朗が着ているTシャツには、これまでの参加者たちのジャンルが書かれている。10月21日まで公開中

ジャンルが異なるマニアの「交差点」が熱い


『99人の壁』では、チャレンジャー以外の99人を「ブロッカー」、ブロッカーが先に正解することを「ブロック」と呼ぶ。

ブロックが成功した場合、チャレンジャーはその場で敗退。ブロックしたブロッカーが次のチャレンジャーとなる。100万円に近づくためには、100人全員が本気でクイズに挑まねばならない仕組みだ。

これまで、マニア同士が知識を競い合う番組はいくつかあった。『99人の壁』と同じフジテレビ系列なら、『カルトQ』を思い出す人もいるだろう。
『テレビチャンピオン』(テレ東)もジャンルによってはクイズで雌雄を決する回があった。

『99人の壁』が新しいのは「ジャンルが異なるマニア同士が戦う」こと。一見、全く関係ないジャンルの参加者でも、特定の知識がゆるく重なり合うことがある。その部分にブロックがハマったときに、奇跡が起きるのだ。

昨年の大晦日に放送された第1回では、「刀」「水樹奈々」「カーリング」「切手」といったジャンルが登場。ほとんどの参加者が1問目や2問目で散り、結果から言えば100万円獲得者は現れなかった。

そんななか、盛り上がりを見せたのが「アガサ・クリスティ」の挑戦者。3問目で出題されたのは「クリスティの没後40年を記念して、イギリスで6種類が作られ発行されたものは何」という問題。ボタンを押し負けたチャレンジャーは、ブロックした相手を見て一瞬で観念する。ランプが点灯しているのは、先ほど「切手」で敗退し、MCの佐藤二朗に「ミスター切手」と名付けられた男性。正解は「記念切手」だったのだ。

4月に放送された『99人の壁 春の乱』にもブロックの場面があった。
「桜」の4問目「1598年に豊臣秀吉が盛大な花見の宴を開いた寺はどこ?」。ブロックしたのはズバリ「豊臣秀吉」の男性。また、『今夜はナゾトレ』で活躍中のAnotherVision・松丸亮吾が指定した「謎解き」は、「子育て」の女性にブロックされてしまう。女性はパズル雑誌の編集者だった。

この回では番組初の100万円獲得者が誕生している。第1回で見事なブロックを見せたミスター切手と、ゲスト参加したX JAPANのToshIの2人だ。ちなみに、スイーツ好きのToshIが指定したジャンルは「ガトーショコラ」であった。

ジャンル設定に見える、奇跡を生む仕掛け


8月に放送された『99人の壁 夏の大花火』ではセットをリニューアル。参加者席にジャンル名が掲げられるようになった。「ワンピースキャラの笑い方」「芸能人の血縁関係」など、一風変わったジャンルが目を引く。
「99人の壁」レギュラー化「路線図」でグランドスラム達成者が「100ジャンル」見どころチェック
『99人の壁 夏の大花火』より、「無差別級」の参加者100人が指定したジャンル。それぞれのジャンルについて5問プラス予備の問題が必要になるため、1回の収録で800問近い問題を用意するという

100人のジャンルを並べてみると、参加者たちの「対抗馬」が巧みに配置されていることに気がつく。

「妖怪」と「妖怪ウォッチ」、「サンリオ」と「ポムポムプリン」、「猫」と「ネコ科」、「子育て」と「児童文学」、「アフリカ音楽」と「アフリカ沿岸国シルエット」など、近いジャンルの組み合わせがあるのだ。X JAPANのToshIが「モンブラン」で参加している一方で、「X JAPAN」の人もいるほど。


実は筆者は収録に参加しており、「路線図」で5問正解のグランドスラムを達成している。その5問目に出題されたのは、路線図を見て都市を当てる問題。正解はパリだったが、壁の中には「パリ」のジャンルの人もいた。危ないところだった。

近いジャンル同士でブロックを誘い、問題の中にも他ジャンルが答えられるものをそっと忍ばせる。ブロックが成功すれば盛り上がるし、チャレンジャーが高い壁を乗り越えればなお盛り上がるだろう。ガチンコの勝負だからこそ、スタッフは奇跡が起こる仕掛けを幾重にも施しているのだ。恐らく「『ジャイアントパンダ』を『ジャイアント白田』がブロックしたら面白いだろうな」とも考えていたに違いない。

今夜放送のジャンルを抜き出してみた


今夜放送のレギュラー初回は2時間スペシャル。予告CMや公式Twitterの動画から、映像に見切れている参加者のジャンルを抜き出してみた
「99人の壁」レギュラー化「路線図」でグランドスラム達成者が「100ジャンル」見どころチェック
レギュラー初回(10月20日放送)予告CMなどから抜き出した、一部参加者のジャンル(43人)

「ワンピースキャラの笑い方」「山本」「絶対音感」など、『夏の大花火』で注目されながらセンターステージに立てなかった参加者たちが再び登場しているようだ。「電車」と「京浜急行」(共に子ども!)の対決も熱そうだし、「信号機」でどんな問題が出るのかも気になる。今回もまた、ミラクルの種がいくつも仕込まれていることだろう。


なお、レギュラー化にあたり、番組公式HPでは随時参加者を募集している。5問正解すると本当に100万円もらえるので、あなたの知識も試してみては……?

(井上マサキ)
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