脚本:福田 靖
演出:安達もじり
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎

26話のあらすじ
福子(安藤サクラ)は闇市で、世良(桐谷健太)と再会する。
やっぱり、男がかっこいい
4週のおわりで戦争に行けなかった萬平の役割を「私がみつけます!」と励ましていた福子であったが、その役割は世良が担っていた。
闇市で福子と出会って、克子(松下奈緒)の家までやって来た世良は、いろいろ話をした末、「はよ出てこい 発明家の立花くん」と挑発し、萬平の心に火をつける。
萬平は「自分が何者かを証明する大事なものだ」と人々のためにはんこを作ることを思いつく。
どうも、福田靖の脚本は男同士のほうが魅力的に見える。
萬平が忠彦(要潤)の仕事場に足を踏み入れ、彼の仕事(忠彦はお金にならない好きな絵を追求していた)を感じる場面など、地味だが心がこもっているように感じる。
それに比べて福子の書き方はどうだ。
すいとんを「ちょっと小さめの大福餅。信じるんです(後略)」と言ってニコニコ食べるも、そんなことないと家族はほぼ否定。
無邪気、健気、甲斐甲斐しい、ムードメーカー・・・とかそんな言葉が似合いそうなキャラ化された福子。
想像力を駆使して不幸を回避することも大事ではあるが、今のところ、男は社会を相手に大きな仕事をする、女はそれを支え、場を和ませるみたいなことばかり。
25話では、今、焼け出された人たちは自分を証明するものがないと萬平にヒントを与えたが、福子はあくまで無自覚にそれをしているという書かれ方だ。
こんなふうにめいっぱい内助の功ドラマの「まんぷく」がお気に召さない視聴者もいるであろうことは想像に難くない。
たけのこと不公平
タカ(岸井ゆきの)をはじめとして克子の子どもたち4人が靴磨きまでしてお金を作っている。
福子は自分たちの着物を売っている。
にもかかわらず、鈴(松坂慶子)は「たけのこみたいな生活」はいやだと嘆き、萬平がお金になることをしていないことを責める。
「べっぴんさん」15話で潔(高良健吾)も同じことを言っていた。
「着るもんを一枚一枚脱いで売っていく。タケノコみたいやろ。しまいには丸裸や」
福子がすいとんを大福と想像するとか言い出したため(このシーンで猫が鳴いている。猫も無事に生きているのだなあ)、鈴もついに着物を売ることにした。
闇市でいい着物を150円(ラーメン10杯分!)で買い叩かれているところ、世良が現れ、二倍で買い取る。
世良が安く買って高く(三倍)売っている(闇屋)ことを知った鈴たちは世良を咎めるが、
「いまは不公平の時代ですわ」と交わす。
「ええも悪いもない あるのは不公平だけや」
刺さる台詞である。
世良、現実を直視した、いいキャラだ。
(イラストと文/木俣冬)
連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~
朝ドラ「べっぴんさん」もBS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。
肌着は100円。「べっぴんさん」でも闇市でのモノの価格を描いている。