第7週「私がなんとかします!」 第39回 11月14日(水)放送より
脚本:福田 靖 
演出:安達もじり
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
     桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎
「まんぷく」39話。疫病神につきまとわれて貧乏に。貧乏コントみたいな音楽で借金を重ねていく
イラストと文/木俣冬

39話のあらすじ


世良(桐谷健太)が専売局を通さず闇市で売ってやると連絡してくるが、萬平(長谷川博己)は専売局が最上級と認める塩を作るとこだわる。

昭和のコントのよう


「おはよう日本 関東版」の高瀬アナの朝ドラ前のコメントが、鈴(松坂慶子)の芸についてを期待したら、萬平のチャウチャウネタだった。受けると言われてやったら滑った思い出があるそうだ。

さて、鈴さんだが、39話も順調にコメディエンヌっぷりを発揮した。

従業員の食事は質素に、鈴や福子は1日2食となり、昭和の時代劇コント(お父さんおかゆができたわよ的な)にかかるような劇伴で、貧乏の悲哀を語る場面には目が点になった。

鈴は最上級の白い塩にこだわる萬平に、それでは効率が悪いから多少茶色でもいいじゃないかと言い出す。孫には白い塩を食べさせたいが、知らない人なら……と。
鈴は世の中に必ずいるちょっと困った人をカリカチュアしている。
ただ鈴は「あの人(萬平)はお父さんと同じ匂いがする 山師の匂いよ」と言うだけあって、一度は山師に苦労させられた経験のある身。生きるために少しぐらいずるくなっても仕方ないのかもしれない。
では、戦争から帰ってきて急速にずるさが増している(ナレーションいわく疫病神)世良には何か理由があるのだろうか。
光(萬平さん)あるところに影あり。加地谷のいない分、世良の影が黒く濃くなってきた。
「まんぷく」39話。疫病神につきまとわれて貧乏に。貧乏コントみたいな音楽で借金を重ねていく
イラストと文/木俣冬

影といえば、神部(瀬戸康史)。彼も戦争帰りで困窮して、香田家に盗みに入った。
でも、許してもらったので、どんなに辛くても、塩作りを手伝うのだと言う。

彼はあっという間に光に浄化されてしまった人物。
世良はどうなるだろうか。萬平の光に浄化されるのか、はたまたずっと影として彼の人生を邪魔していくのだろうか。たぶん、もっと巨悪が出てくるまでは、その役割を担わされるであろう。

愛が深すぎて細かいチェックをしてしまうひとり朝ドラ国防婦人会


魚を釣りながら、15人の若者たちは、辛い過去を語り、気持ちを鎮めていく。
そしたら鯛が釣れた。
ちょいちょい若者のエピソードが挟まれていく泉大津編。
予想としては、塩作り編は、日曜劇場、池井戸潤ドラマふうな中小企業が奮闘する群像劇で引っ張っていくつもりなのだろう。

39話は赤津裕次郎(永沼伊久也)25歳のターン。
釣った鯛をみごとにさばく。寿司屋で修業をしていたのだ。
こうして彼は、鈴の部下として、炊事を手伝うことになる。
若い俳優にとっては、高視聴率番組で見せ場がもらえて、箔がつくのでOKなのだろうけれど、とくに心情が描かれるわけでもないので、ストーリーとしての物足りなさは残る。


萬平にひたすら尽くすキャラとして描かれる福子はまた借金をしに、ハナ(呉城久美)の家を訪ねる。
これで最後と言うが、短期間にこんなに借金しに行けるものだろうか。
案の定、これで最後にはならないだろうと見透かされ、ちゃんとやらないと会社の経営は厳しいと言われてしまう。
まあ、これくらいの単純さが本来の朝ドラクオリティーなのであろう。大衆芸能、寓話と思ってみればいい。
(イラストと文/木俣冬)

連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~

朝夕、本放送も再放送も オールBK制作朝ドラ


「べっぴんさん」 BS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。 
「まんぷく」と同じく安達もじり演出週。栄輔が女だけの家に泊まる回!
39話

「あさが来た」 月〜金 総合夕方4時20分〜2話ずつ再放送
相撲でおやすみ
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