
90年台初頭のツッパリという軸は変わらないが、毎話のように話のテイストが変わる。ストレートなヤンキー物、恋愛者、そして第5話はまるでパニックムービーのツッパリ版みたいだった。
遊び半分の中村倫也
原宿で買い物をしていた佐川(柾木玲弥)は、東京の不良・ユタカ(平埜生成)から田舎者刈りにあってしまう。そこで言い残した「お前なんか三橋さんと伊藤(伊藤健太郎)さんに殺されるぞ」という言葉から、東京のヤンキー紅野(中村倫也)、ゴロー(池田純矢)、岩田(そいつどいつ・市川刺身)は、千葉遠征を行うことに。
この東京ヤンキーは、スタンスがちょっと目新しい。三橋・伊藤が高校デビューヤンキー、千葉最凶開久高校の智司(鈴木伸之)・相良(磯村勇斗)らがガチヤンキーなら、紅野らは遊び半分ヤンキー。意地も矜持もなく、ただただ楽しいからケンカを行う。適度なスリルを求めるだけで、紅野は「ケンカはレジャー」と言い切っている。
戦い方も今までのキャラと違うから面白い。三橋は軽やかな動きと卑怯と言われる奇襲、伊藤が身体能力と根性、今井が馬鹿力と耐久力、理子(清野菜名)が合気道、それぞれ自分の戦い方を持っているのだが、紅野らの武器はコンビネーションだ。
決まった形のフォーメーションで相手を追い詰めるのだが、それは洗練された動きというには少し雑で、どちらかというと“慣れ”という言葉のほうがしっくりくる。「練習はしてないけど、いつもやっていることなんです」と言わんばかりに、ヘラヘラしながら人を蹴っていた。