第8週「新しい冒険!?」 第48回 11月24日(土)放送より
脚本:福田 靖 
演出:安達もじり
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
     桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎
「まんぷく」48話。カエル煮込んで大爆発。伝説の「ガリレオ」最終回を思い出した
イラストと文/木俣冬

48話のあらすじ


福子(安藤サクラ)の産後の肥立ちが悪かったのは栄養不足(脂溶性ビタミン欠乏症)のためだった。萬平(長谷川博己)は世の中の栄養不足の人たちのために栄養食品を作ろうと思いつき、「たちばな栄養食品研究室」を立ち上げる。

たちばな栄養食品研究室ができる


卵だけでなく、せっせと野菜や魚などを食べさせたことで、福子の体調は梅雨明けになってようやく回復した。
「お産婆さんはお金のないうちだったら死んでたかもしれないと言ってた」とタカちゃん(岸井ゆきの)は言い、お金のあるありがたさを噛みしめる。

貧しいと死んじゃうからお金を稼げということかと一瞬ぎくりとしたが、萬平のようにお金のある人が貧しい人のためにお金を使うべきという意味だと解釈した。

萬平は新規事業として栄養食品を作ることを思いつき、神部(瀬戸康史)が大阪帝大の知り合いで栄養学を研究している近江谷左吉(小松利昌)を迎え「たちばな栄養食品研究室」を発足、神部、岡(中尾明慶)、倉永浩(榎田貴斗)、大和田英二(梅林亮太)がメンバーとして参加した。
ガイドブックによると、倉永は戦争で妻子を亡くしているそうで、大和田は真面目な人物らしい。萬平以上に風変わりな博士ぽい近江谷役の小松は「シン・ゴジラ」に国交省危機管理監・運輸安全政策審議官・竹尾保役で出演していた。

うわあ〜〜〜


みんが手軽にとれる栄養食品をつくりたいと思う萬平に、福子はパンに塗るものはどうかと提案する。
GHQの要請で学校給食がパンになったと福子は新聞で読んだのだ。
ペースト状のものをつくるとなれば、動物性蛋白質が必要。それを安く手に入れるため、ガマガエル(福子と萬平が夜、栄養食品のアイデアについて考えている時、外でカエルが鳴いていた)を大量にとって煮込んだところ鍋の蓋が飛び中身が散って大騒ぎ。
だが「何度も失敗してその先にこそ成功があるんだ」と萬平はへこたれない、むしろ意気揚々。すっかり発明家の顔になっていた。

リアルに考えると、ガマガエルを大量に調理(?)していることも、それを煮込んだものが部屋中に飛び散ったことも、げぼーってなるが、ここはマンガ世界としてスルーしたい。「漫画deまんぷく」という企画を公式でやっているから漫画で描くにはうってつけのおもしろエピソードであろう。

このマンガぽい爆発騒ぎで思い出したのが、福田靖伝説の「ガリレオ」最終回(古家和尚との共同脚本になっている)である。

福山雅治演じる主人公・湯山の助手・内海(柴咲コウが演じる)が小型核爆弾(レッドマーキュリー)に縛り付けられてしまい、彼女を救うために湯山が爆弾の解体に知恵を絞る。
それまでこのドラマは、東野圭吾の原作でもありシリアスな謎解きを楽しんできたのだが、突然、コント番組のようなシチュエーションになって視聴者の目は点。当時(2007年)はまだ今ほどSNSが盛んではなかったとはいえ、ネットで話題沸騰していた。
「まんぷく」の爆破騒動にもそれに似たドタバタ感を覚えたことと、論理的な湯山と萬平、直感が意外と役に立つ内海と福子の役割が似ているなあと改めて思った。
前にもレビューに書いたが「ガリレオ」の湯山と内海のコンビは人気でドラマも高視聴率だったので、その成功体験を「まんぷく」の萬平、福子にも生かそうと思うのもむべなるかな。

いまのところ視聴率は20.3%から下に落ちたことがない。まだまだ強い。
第9週は、栄養食品事業をめぐるいろいろ。萬平さんの冒険はまだはじまったばかりだ!
(イラストと文/木俣冬)

連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~

朝夕、本放送も再放送も オールBK制作朝ドラ


「べっぴんさん」 BS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。
時計が動き出し、すみれと紀夫が歩き出す一方で、栄輔が去っていく。切ないけどいい話。
48話

「あさが来た」 月〜金 総合夕方4時20分〜2話ずつ再放送
相撲でおやすみ
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