第9週「違うわ、萬平さん」 第50回 11月27日（火）放送より
脚本：福田 靖
演出：保坂慶太
音楽：川井憲次
キャスト：安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り：芦田愛菜
主題歌：DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括：真鍋 斎
萬平（長谷川博己）が立ち上げた「たちばな栄養食品研究室」では栄養食品「ダネイホン」の開発に余念がないが、余念がなさ過ぎて、萬平はほかのことに気が回らない。
源のことをはじめとしてダネイホン組から外れた塩組の従業員たちのことをないがしろにしている気がして、福子（安藤サクラ）はついに意見するが……。
「おはよう日本 関東版」の高瀬アナ。福子たち三姉妹のことを「面食い三姉妹」と呼ぶ。
ちなみに「半分、青い。」では森山家三姉妹がしょちゅう麺を食っていた。
面食い三姉妹のイケメン夫のなかで高瀬アナは「最近は忠彦さん（要潤）にかなり注目しています」だそうだ。さすがニュース番組担当、時代の空気を読んでいる。
そう、最近の萬平さんの言動はちょっと行き過ぎで受け入れがたくなってきた。そのせいか、49話の視聴率は19．8％（ビデオリサーチ調べ 関東地区）。
ガマガエルのせいという気もしなではないが、50話の本放送の後、相変わらずツイッタートレンドに「萬平さん」が入るも、つぶやきをざっと見るとほぼほぼ萬平さんの言動を問題視したものだった。
ダネイホン作りに夢中の萬平。
源が熱っぽいと相談しても、赤ん坊はそんなものだと取り合わない。
ひとり心細く医者につれていく福子。
牛骨を煮たものにわかめや菜種油を加えようとして、岡（中尾明慶）が海でわかめをとっていると、塩作り組は遊んでいるように思って不満を募らせる。
神部（瀬戸康史）に至っては、一部（小松原、堀、増田）のアイドル・タカちゃん（岸井ゆきの）を独り占め状態。この人も萬平に続いて「おいで……」攻撃だ。「まんぷく」では「おいで」がキラーワードになっている。
悔しがる小松原の「神部」と呼び捨てにしたいが先輩だからどうしても「……さん」をつけてしまうところが微笑ましかった。
これまでずっと萬平さんを信じていると支え続けてきた福子だったが、赤津の塩組の不満の報告や、ハナ（呉城久美）の助言もあって、ついに毅然と意見する。
「周りの人たちのことを考えてください」
「萬平さんは社長ですよ。自分のことばかり考えていたらみんながやる気をなくしてしまいます」
「仕事に集中したいんだ！」とちゃぶ台を手のひらでダンダン叩いて怒鳴る萬平。
その剣幕に源が泣きだす。
「ごめんね……ごめんなさい」と源を抱きしめて泣く福子。
萬平に訴えるときの切実さ、こういう時の安藤サクラはさすが情感籠もっている。赤ちゃんの抱き方も慣れたもの。
長谷川博己もすごい。源が熱っぽいと聞いたときの冷静過ぎる言い方、世良（桐谷健太）が電話してきた時のけんもほろろな応対（電話をガチャンと切る）、福子に浴びせる容赦ない怒声。徹底的にやばい人物を演じている。
それによって視聴者はハラハラ。
くすぶっている若者たち（野村、高木、堺）が、たまたま見つけた手榴弾で憂さ晴らしを図る。
塩作りは重労働なうえ、魚がなかなか取れないことを指摘された若者たちは、海に手榴弾を投げ込み魚を採ることにした。
激しい爆破。浮いてくる魚。
50話のラスト・シーン、夜、福子がもやもやを抱えながら寝ていて、ふっとランプの灯りを消して暗くなって、つづく。この不吉な場面で、「わろてんか」に出てきた落語「死神」を思い出した。
第九週の演出は「わろてんか」で、主に北村有起哉がゲストで出たエピソードで扇子を効果的に使って生き生き躍動感のある演出をしていた保坂慶太。
49話の乾物屋の撮り方もセンスがいい。
寄り過ぎるくらいのアップを使ってアクセントをつけるところも現代的だ。
「真田丸」「わろてんか」と関わっている話数は少ないが気になる演出家。「まんぷく」は三番手で入っているようなので、期待している。
鈴（松坂慶子）の下、家事組になっている赤津（永沼伊久也）が、ダネイホン組でも塩組でもないので中立な目線をもって状況を観察する役割を担う。こういうキャラの配置はうまい。永沼は大阪府出身なので大阪弁も安心して聞ける。
（イラストと文／木俣冬）
連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月～土 朝8時～、再放送 午後0時45分～
◯BSプレミアム 月～土 あさ7時30分～ 再放送 午後11時30分～
◯１週間まとめ放送 土曜9時30分～
「べっぴんさん」 BS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。
大急、大急、大急、大急のロゴがまんぷくのロゴと似ている。
49話
「あさが来た」 月〜金 総合夕方4時20分〜2話ずつ再放送
福子を演じる安藤サクラの夫・柄本佑は「あさが来た」では「白蛇はん」として
能面のような表情をしていて、それは奥深い。
7話
8話
脚本：福田 靖
演出：保坂慶太
音楽：川井憲次
キャスト：安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り：芦田愛菜
主題歌：DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括：真鍋 斎
イラストと文／木俣冬
50話のあらすじ
萬平（長谷川博己）が立ち上げた「たちばな栄養食品研究室」では栄養食品「ダネイホン」の開発に余念がないが、余念がなさ過ぎて、萬平はほかのことに気が回らない。
源のことをはじめとしてダネイホン組から外れた塩組の従業員たちのことをないがしろにしている気がして、福子（安藤サクラ）はついに意見するが……。
視聴率、19％台続く
「おはよう日本 関東版」の高瀬アナ。福子たち三姉妹のことを「面食い三姉妹」と呼ぶ。
うまい！
ちなみに「半分、青い。」では森山家三姉妹がしょちゅう麺を食っていた。
面食い三姉妹のイケメン夫のなかで高瀬アナは「最近は忠彦さん（要潤）にかなり注目しています」だそうだ。さすがニュース番組担当、時代の空気を読んでいる。
そう、最近の萬平さんの言動はちょっと行き過ぎで受け入れがたくなってきた。そのせいか、49話の視聴率は19．8％（ビデオリサーチ調べ 関東地区）。
ガマガエルのせいという気もしなではないが、50話の本放送の後、相変わらずツイッタートレンドに「萬平さん」が入るも、つぶやきをざっと見るとほぼほぼ萬平さんの言動を問題視したものだった。
ダネイホン組と塩組と福子
ダネイホン作りに夢中の萬平。
源が熱っぽいと相談しても、赤ん坊はそんなものだと取り合わない。
ひとり心細く医者につれていく福子。
牛骨を煮たものにわかめや菜種油を加えようとして、岡（中尾明慶）が海でわかめをとっていると、塩作り組は遊んでいるように思って不満を募らせる。
神部（瀬戸康史）に至っては、一部（小松原、堀、増田）のアイドル・タカちゃん（岸井ゆきの）を独り占め状態。この人も萬平に続いて「おいで……」攻撃だ。「まんぷく」では「おいで」がキラーワードになっている。
悔しがる小松原の「神部」と呼び捨てにしたいが先輩だからどうしても「……さん」をつけてしまうところが微笑ましかった。
これまでずっと萬平さんを信じていると支え続けてきた福子だったが、赤津の塩組の不満の報告や、ハナ（呉城久美）の助言もあって、ついに毅然と意見する。
「周りの人たちのことを考えてください」
「萬平さんは社長ですよ。自分のことばかり考えていたらみんながやる気をなくしてしまいます」
「仕事に集中したいんだ！」とちゃぶ台を手のひらでダンダン叩いて怒鳴る萬平。
その剣幕に源が泣きだす。
「ごめんね……ごめんなさい」と源を抱きしめて泣く福子。
萬平に訴えるときの切実さ、こういう時の安藤サクラはさすが情感籠もっている。赤ちゃんの抱き方も慣れたもの。
長谷川博己もすごい。源が熱っぽいと聞いたときの冷静過ぎる言い方、世良（桐谷健太）が電話してきた時のけんもほろろな応対（電話をガチャンと切る）、福子に浴びせる容赦ない怒声。徹底的にやばい人物を演じている。
それによって視聴者はハラハラ。
今は、萬平さんひどすぎると萬平離れを起こしても、あとになってたぶん反省していい人になった場合、その落差が大きく効果的だと思う。きっと反省し、人間的成長を遂げてくれると信じているのだが、どうだろうか。
くすぶっている若者たち（野村、高木、堺）が、たまたま見つけた手榴弾で憂さ晴らしを図る。
塩作りは重労働なうえ、魚がなかなか取れないことを指摘された若者たちは、海に手榴弾を投げ込み魚を採ることにした。
激しい爆破。浮いてくる魚。
芦田愛菜ちゃんの不穏なナレーション。問題が起こりそう。
50話のラスト・シーン、夜、福子がもやもやを抱えながら寝ていて、ふっとランプの灯りを消して暗くなって、つづく。この不吉な場面で、「わろてんか」に出てきた落語「死神」を思い出した。
第九週の演出は「わろてんか」で、主に北村有起哉がゲストで出たエピソードで扇子を効果的に使って生き生き躍動感のある演出をしていた保坂慶太。
49話の乾物屋の撮り方もセンスがいい。
「たちばな栄養食品研究室」でのコミカルなカット割りもうまい。
寄り過ぎるくらいのアップを使ってアクセントをつけるところも現代的だ。
「真田丸」「わろてんか」と関わっている話数は少ないが気になる演出家。「まんぷく」は三番手で入っているようなので、期待している。
赤津くん
鈴（松坂慶子）の下、家事組になっている赤津（永沼伊久也）が、ダネイホン組でも塩組でもないので中立な目線をもって状況を観察する役割を担う。こういうキャラの配置はうまい。永沼は大阪府出身なので大阪弁も安心して聞ける。
（イラストと文／木俣冬）
連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月～土 朝8時～、再放送 午後0時45分～
◯BSプレミアム 月～土 あさ7時30分～ 再放送 午後11時30分～
◯１週間まとめ放送 土曜9時30分～
朝夕、本放送も再放送も オールBK制作朝ドラ
「べっぴんさん」 BS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。
大急、大急、大急、大急のロゴがまんぷくのロゴと似ている。
49話
「あさが来た」 月〜金 総合夕方4時20分〜2話ずつ再放送
福子を演じる安藤サクラの夫・柄本佑は「あさが来た」では「白蛇はん」として
能面のような表情をしていて、それは奥深い。
7話
8話
