第11週「まんぺい印のダネイホン!」 第66回 12月15日(土)放送より
脚本:福田 靖 
演出:渡邉良雄
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
     桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎
「まんぷく」66話。萬平さん、第二子誕生の前に脱税で逮捕、三度目
イラストと文/木俣冬

66話のあらすじ


社長が……また……また……進駐軍に逮捕されました。

悪夢のはじまり 脱税で逮捕


いやいや、びっくりぽんですな(「あさが来た」が再放送中なので)。
「禍福は糾える縄の如し」の言葉どおり、萬平さん(長谷川博己)の人生は波乱万丈。
ダネイホン製造販売が順調のうえ、福子(安藤サクラ)が第二子を妊娠したことがわかって、ほくほく状態。

ニセモノが出てきても、大学病院のお墨付きをもらうことで本家本元とアピールして対抗する構え。
大学病院に推薦をもらいに東京へやって来て、いかにもフラグな、福子への電話(富士山が見えた。親子四人で富士山に登ろうなどと明るくおしゃべりする)の後、脱税容疑で進駐軍に逮捕されてしまうという大暗転に見舞われる。
従業員を夜学に通わせるために払っていたお金が所得税法違反に問われたのだった。

3度目の逮捕ってけっこうすごいことである。
支社のある東京で逮捕されるのは、大阪だとなんとなく情を育んでしまった陸軍曹長ハリーがいて都合が悪いからだろうか。
今回は、軍事裁判にあれよあれよという間にかけられて、罰金7万円。重労働4年の刑に。
それがまた新聞にも載る。

12週は、菅田将暉演じる弁護士が登場。萬平さんを救うことができるのか!
「萬平印」は「ウマスケ印の焼氷」を思わせ、菅田将暉も出ていた「ごちそうさん」っぽさが色濃く漂います。

「まんぷく」は男子のドリーム


「社長が……また……また……進駐軍に逮捕されました」と神部(瀬戸康史)に電話で報告されて、
「えーー! また!」とはさすがに返さず、「え……逮捕 萬平さんが? 何があったの?」とまるで初めての出来事のように深刻に動揺する福子(もちろん深刻な話なんですが)。
ここは笑うところではありません、ということなのだろうけれど(ラストシーンのトラックインズームアウトもミステリーやサスペンスものでよく使われる映像技法)、3ヶ月の間に三度も牢屋シーンが出てくると、これは囚人コントではないかと思えてくる。

囚人コントって昭和のバラエティー番組でよく見たような記憶がありませんか。ドリフとか。
なんらかの限られたシチュエーションで起こる人間模様を描くとき、監獄は定番のひとつである。学校、病院、警察……このへんが定番。
監獄で繰り広げられる男の友情、裏切り……などなどは映画や舞台にもよくある。
進駐軍のコスチューム、小道具などは主に男性が興味をもちそう。
さらに「まんぷく」では男が集まって、女性についての話題で盛り上がる場面がよく出てくる。
66話では、大衆食堂で、店員の谷村美代子(藤本泉)が美人だという話から、タカちゃん(岸井ゆきの)が美人だと神部が一途にタカちゃんを好きである話に。
「べっぴんさん」でも男会を結成して男たちの言い分がよく語られていたが、「まんぷく」では男会のほうが目立っているような気もしないでもない。福子と鈴の母娘喧嘩、福子と克子の電話でおしゃべり、なんかもあるにはあるが。

それにしても、逮捕、ラーメン、武士の娘、大阪帝大、美人かそうでないか論争……これくらいのカードを何度も何度も繰り返し用いて保たせる力技がすごい。「まんぷく」で人生ゲームが作れそう。
というか、カードを作って脚本を書いているんじゃないかな(実際、カード化するのは脚本や物語づくりのひとつの方法として存在します)。
世良はこれまでジョーカーだったが、最近、萬平側につきすぎているのでジョーカーの役割が効かなそうだ。
(イラストと文/木俣冬)

連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~

朝夕、本放送も再放送も オールBK制作朝ドラ


「べっぴんさん」 BS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。
高良健吾演じる潔にも子供が。高良健吾の「ありがとう」という喜び方が感動的。
65話

「あさが来た」 月〜金 総合夕方4時20分〜2話ずつ再放送
土曜はお休み
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