──具体的には、どのような画像だったのか教えて下さい。

篠原 日本画の顔料を扱ってる店だとか、アロマ、ハーブ、紅茶、珈琲の専門店、ガラス工芸の店等々。色にあふれた店の中に主人公がいるのだけれど、彼女には色が分からないというのは、ヴィジュアル的にすごく良い素材で、それだけで物語が成立しそうな感じがありました。
「色づく世界の明日から」篠原俊哉監督の密かな試み「『時間』と『人』の関係性にも触れられるのでは」
色とりどりの星砂が並ぶ「まほう屋」の店内。「この世界の魔法は大して役には立たない。でも、ちょっと非日常が味わえて、もしかしたら気分が良くなるかもしれない。そういうものにしたかったんです」(篠原)

──そこに至るまでは、かなりの紆余曲折が?

篠原 3時間話しあって何も進まなかったこともありましたね(笑)。

山本 結局、1年くらいかかりましたよね。

永谷 プリプロ(絵コンテ制作までの作業)をやってる時間は、2クールだった『凪のあすから』よりも長かったかもしれません。

篠原 そうかもしれない。でも、そういう時間はやっぱり必要なんです。いろいろと叩くことによってこそ、最終的に出てきたものに強度を持たせることができるのかなと思っています。

月白家が良い家に住んでいるのは、お父さんの稼ぎのおかげ


──2018年の現実と変わらない世界をベースに魔法だけが+αのファンタジー要素として加わっているという絶妙なバランスの世界観に魅力を感じました。先ほども話に出た魔法に関する設定は、初期の段階で固まっていたのですか?

篠原 結構細かいところまで決めていましたが、本編中ではあまり触れられなくて、若干説明足らずだったかな思うところでもあるんです。例えば、魔法使いはキリスト教ともに日本に渡来しその血を残したとか、月白家は女系魔法使いの家系で旦那は皆、婿養子だとか。魔法を行使できる人間(魔法使い)は特別な力を持っているので、その力を特定の人やグループの利益のために利用してはいけないという不文律があるとか。「まほう屋」も全然儲かってないんです。月白家はけっこう良い家に住んでいますが、あれは(一般人の)お父さんの稼ぎが良いから(笑)。ちなみにお父さんの職業は一級建築士という設定です。それもどこかで示そうと思っていたのですが、結局機会がありませんでした。

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