(C)池野恋/集英社・りぼん(C)岡田あ〜みん/集英社・りぼん (C)萩岩睦美/集英社・りぼん (C)陸奥A子/集英社・りぼん
(C)池野恋/集英社・りぼん
第1弾の3か月後には第2弾
載ってるイラストのバリエーションについては、
・30年以上前のふろくに小さく一度だけ登場したようなイラストの数々
・当時の雑誌やふろくをそのまま所持してない限り、もうお目にかかれないカラーイラスト
・『お父さんは心配症』のストーリー内にさり気なく登場したひとコマ
こんなラインナップだ。第1弾発売時には売り切れ続出となり、その後たった3カ月で、第2弾が発売。この短期間でまたこんなに出てくるとは、よほど反響があったのだろう。
(C)池野恋/集英社・りぼん ?岡田あ〜みん/集英社・りぼん (C)萩岩睦美/集英社・りぼん(C)陸奥A子/集英社・りぼん
今まで少なかったアラフォー以上世代向けの『りぼん』グッズ
2015年に『りぼん』が60周年を迎えて以降、過去の読者向けの企画やグッズ発売が何度かあった。90年代の作品がピックアップされることは多かったが70〜80年代は少なめだったため、これまではアラフォー以上のファンはグッズに飢えてたようなところがある。そこへこのコラボグッズだ。
更にファンのツボを押さえた商品ばかりだったことが、この企画の成功のカギとなった。
企画者の熱意を感じてはいたが、ベルメゾンのサイト内に「企画や商品について熱く語るウラ話+漫画家からの特別メッセージ」というページまで出来てるところを見ると、よっぽどだ。商品ひとつひとつへの思い入れや各イラストを選んだ理由などがたっぷり書かれている。
今回はその商品企画を担当したベルメゾンの上本さんに、この一連の経緯や更なるウラ話をお聞きすることができた。
きっかけは「りぼんのふろく展」
──どういうきっかけで、ベルメゾンから『りぼん』コラボの商品を出すことになったんですか?
上本:きっかけは、2016年12月より開催された「りぼんのふろく展」です。何気なく会場内に足を踏み入れた途端、すっかり忘れていた当時の記憶が懐かしふろくとともに怒濤の如くよみがえり、激しく涙腺と心を揺さぶられました。
この企画は、今までの『りぼん』のふろくの歴史や原画がたっぷり展示された見ごたえのあるものだった。
筆者も京都まで足を運び、激しく心を揺さぶられ、これがきっかけで『りぼん』に関する同人誌を出し、初めてコミケに出るに至ったので共感できる。
この件を取材された記事はこちら
──上本さんはやっぱりこのグッズの作品が連載されたころに読んでおられたんですか?
上本:私は小学生のとき、86〜88年のりぼんを愛読していた世代です。「ふろく展」以降、寝ても覚めても「大人になった今見ても充分かわいい当時の手描きのイラストを、何とか今の時代に蘇らせたい!」と思うようになり、現在に至ります。
選んだ4作品と、使用したイラストについて
──この4名の先生の作品を選んだ理由をお教えください。
上本:私が実際『りぼん』を読んでいたとき、特に好きで印象に残っている漫画家さん(池野恋先生、萩岩睦美先生、岡田あ〜みん先生)と、私の先輩で70年代後半に『りぼん』を読んでいた方が陸奥A子先生のふろくの大ファンだったそうで、実際にふろくを見るとすごくかわいかったので、選ばせていただきました。
──70年代後半は、子供だけじゃなく女子大生なんかも陸奥A子先生のふろく目当てで『りぼん』を買ってた人が多かったようですもんね。どうやってグッズに載せるイラストをピックアップしたんですか?
上本:私の頭の中に残っていた思い入れの強いふろくの記憶と、「ふろく展」で見たふろく。あとできるだけたくさんのふろくを知りたかったので、特別に許可をいただいて、集英社さま所有の資料や、明治大学米沢嘉博記念図書館さま、京都国際マンガミュージアムさまで所有されているふろく実物を拝見し、ピックアップしました。もちろんコミックスも読み返しました。
グッズそのものについて
──特に力を入れたグッズってありますか?
上本:全部全力で取り組み、とことんこだわったので絞れません。ファーストサンプルがあがってきたとき、震えました。
──どのグッズが人気とかってあるんですか?
上本:全部人気なのですが、強いてあげれば、4名の漫画家のイラストが載っているポストカードやカレンダーです。実用的なスマホ関連アイテムや、いろんなところに押せるスタンプも人気です。
スタンプもそうだが、「グッズを使った創作」という楽しみも生まれている。例えばこのアイロンで貼り付けられる布テープは、手芸趣味があれば創作意欲を駆り立てられる。
インパクト強めの社内でのエピソード
──たった3カ月で第2弾が出るって、よほどすごいことなのでは? かなりの反響によるものですよね。
上本:そうですね。第1弾を発売した際の「こんなの待ってた!」「素晴らしい!」など、予想をはるかに上回る反響の大きさに後押しされました。また、私自身も実際自分で購入してみて「全然買い足りない、もっと作りたい!」という気持ちが強くなりました。
イラスト選びから始めて、商品開発や写真撮影を経て、販売可能な状態まで持ってくるのに日数的にかなりタイトでしたが、もちろんこだわりは貫きましたよ!
──第1弾の前と比べて、反響が大きいと分かった今では、社内の「りぼん企画」に対する見方も変わりましたか?
上本:第1弾を発売するまでは、社内でもほとんど公にしておらず、『りぼん』自体、女性スタッフはみんな知っているけど、男性スタッフは名前すら聞いたこともないという方が大半でした。
発売後は、社内の男性スタッフも「あ、あの『りぼん』ね!」と知ってくださるようになり、第2弾進行中は、同じ志しで商品化を進める後輩が増えたり、他部署へのお願いごとが通りやすくなりました(笑)。
──となると女性スタッフからのウケは相当良さそうですね。
上本:メーカーのデザイナーさん(女性)の間で、「このデザインは私がやる」「いや私が」と仕事の取り合いが起きたりしてました。カタログ誌面担当スタッフが、あまりに『りぼん』が好き過ぎて、ラフ依頼、商品の説明時、撮影など、感極まって泣き出したり、一緒に仕事をしたことのない社内のスタッフから話をかけられたり、「応援してます!」と声をかけられるようにもなりました。
──そ、そんなにもいろんなことが(笑)。通常の商品と比べ、届く感想数は多いですか?
上本:ベルメゾンネット商品レビューに投稿されるレビュー内容が、他の商品に比べてレビューの星の数が高いことと、内容的にも濃いというか、かなりマニアックな投稿が多いのが特徴的です。社内でも「なんかいつも(他の商品のレビュー内容)の感じと明らかに違うよね……」とささやかれています。
──最後に、第3弾を期待しても良いですか?
上本:りぼんコラボ商品をみなさまにたくさんご購入いただき、たくさん商品レビューを書いていただければ、可能性があるかもです!……と勝手に言ってます。(※商品レビューは次に繋がるために結構重要なのだそうです!)
売り切れたら二度と手に入らないかもしれないので、一生分のお買い求めを!
上本さん、ありがとうございました。
筆者も8割がたのグッズを発売と同時に購入しているのだが、先日「これを逃したら二度と手に入らないかも」の危機感から消耗品(人へのプレゼント用の梱包に使えるペーパーバッグ)を再注文した。(※そんなに大量に気軽に買える財力はないが、仕方ない)
なので次が出たときの散財はちょっとこわいが、ラインナップを見るのは楽しみでもある。期待して待ちたい。
(さくらいみか)