脚本:福田 靖
演出:保坂慶太
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎

連続テレビ小説 まんぷく Part2 (NHKドラマ・ガイド)
102話のあらすじ
萬平(長谷川博己)はスープを練り込んだ麺作りに励むが、なかなか美味しくできない。
傍らに寄り添い、福子(安藤サクラ)が手伝う。
1、2、1、2、1、2……製麺機を回す。
「嬉しい、萬平さんを手伝えて」
ふんっふんっふんっ
1、2、1、2、1、2……のリズムが萬平と福子が二人三脚で走っているようで、微笑ましく響きました。
スープを練り込んだ麺の場合、スープを濃くしないとなりません。
まずは、煮込んで、濃いスープを作り、「よしっ!」と萬平は大声で手を強く叩きます。
前から、よし!と手を叩いていたけど、今日はマックス。
なんだか体育会系の人のような雰囲気になってきました。
10月、体が弱くて戦争に行けなかった人とは別人、11月、海岸で塩作りしているときなぜかエルメスの広告モデルみたいだった人とも別人、12月、スーツをぱりっと着た理事長とも別人に見えます。
「しっかり ふんっ 習ったから ふんっ ふんっふんっふんっ」と力で麺の生地を作る姿は、レスラーのようでした(…にしては痩せてるかな)。献身的な福子がフェリーニの「道」のジェルソミーナに見えると思ってたら、萬平もザンパノ化(力自慢の人)してきました……。
ちなみに長谷川博己の出身劇団文学座では、1984年、パルコとの提携公演として、「道」を「ジェルソミーナ」というタイトルで舞台化していて、名優・太地喜和子がジェルソミーナ、「わろてんか」で落語家を好演した北村有起哉のおとうさん・名優・北村和夫がザンパノで、名優・小林勝也が演出、及び、朝ドラ「走らんか!!」の金子成人との共同脚本でした。
しつこく「道」と重ねておりますが、映画が日本で公開されたのは1957年。現在の「まんぷく」は昭和33年・1958年の設定です。たぶん、なんらかの同時代の空気があると思われます。
それはともかく、たくましいと言えば、子供たちまで。
源(二宮輝生)も幸(三宅希空)も立ち向かっている様子です。
源「男には受けて立たなあかんときもある」
幸「女にもある」
“いじめ”というと現代のかなり陰湿なものを思い浮かべ心を痛めてしまいますが、この頃はさほど深刻ではない、“子供のけんか”くらいなものだったということでしょうか。その現場が描かれないので、よくわかりませんが。
「どうして 誰と喧嘩したんだ?」と聞く萬平さんには、いじめられた話がすっかり抜け落ちているような反応はいかがなものかと感じました。
福子はひたすら萬平を応援モード。
福子「邪魔をしないから萬平さんの仕事を見に行ってもいいですか」
萬平「ん?」
福子「少し」
萬平「いいよ」
結婚してもう長いのに、ずいぶん、甘々な夫婦です。素敵ですね。
麺作りのシーンに繰り返し流れる軽快な音楽が気持ちを盛り上げました。やっぱり曲の使い方がうまい。
「笑った顔のほうが素敵」
萬平は生麺を開発中。
その頃、香田家では、忠彦(要潤)が新しいモデル・木ノ内秀子(壇蜜)を雇って絵を描いていました。
秀子はなかなかなまめかしい。「笑った顔のほうが素敵」ですって。
挑発的な秀子に克子(松下奈緒)は気が気ではありません。
「なまめん」「なまめかしい」…ちょっと響きが似ています。
ちなみに、「あさイチ」では、料理家の五十嵐美幸さんが登場。こどもの頃から実家の中華料理店のお手伝いをしていた話から、料理に対する情熱のハンパなさを語っていました。その道を極めることの迫真がそこにはありました。
「まんぷく」では「食」「発明」とぶちあげつつもあまり深掘りして描いていない分、後の番組でホンモノの職人を取り上げてくれるとバランスがとれますね。先日は、油で揚げた麺への注意も喚起していて、公共放送としての良心を感じました。
(木俣冬)
連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~
朝夕、本放送も再放送も オールBK制作朝ドラ
「べっぴんさん」 BS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。
エキレビ!べっぴんさんレビュー
「あさが来た」 月〜金 総合夕方4時20分〜2話ずつ再放送
エキレビ!あさが来たレビュー