今回のゲストはNEWSの加藤シゲアキ!
技術力はあるけど経営能力はボンクラ。
NEWSの歌うテーマ曲「トップガン」もふんだんに活用されていたし、関ジャニ∞・丸山隆平との共演も楽しみ! ……と盛り上がっていたのに、ふたりとも大して活躍しないし、絡みも少なかったのが残念。
ジャニーズの無駄遣いだよ!
感動的だけど、展開が唐突すぎるよ!
画期的な音声認識システムを開発しているベンチャー企業・日本STの資金繰りが不自然に良くなっていることを気にした原島浩美(真木よう子)は調査を開始する。
すると、手形と引き替えに担保なしで資金援助をしてもらう「融通手形」で、黒田法眼(黒田福美)の会社から5500万円を借りていることが判明。
黒田法眼はベンチャーキャピタルと名乗ってはいるものの、その実体は企業乗っ取り屋。早く返済しないと日本STの研究成果が奪われてしまう。
浩美は、銀行の業務に対してやる気を失っていた融資担当の丹波郁雄(菅原大吉)とともに日本STを救おうとする。
銀行から追加融資しようとしたり、投資家を探したり、色々やったものの5500万円には届かず。
最終的に、日本STの将来性と社長の熱意に心を打たれた丹波が銀行を早期退職。退職金&これまで貯めていた貯金をはたいて、返済に足りない分を補填するという感動的だが唐突な結末に。
「恐れながら申し上げます。融資したのは銀行ではなく、銀行員です」
とかドヤッてる場合じゃないだろう、原島浩美。アナタ今回、あんま結果出してないぞ!
夫が会社をサボッていても、退職すると言い出しても動じない丹波の妻もいいキャラクターをしていたのに、1話の中に色んな要素をぶっ込んでいたため、丹波夫妻の登場時間が短く、印象の薄いまま最後だけ急に大活躍……みたいな感じになっていたのが惜しい。

話をまとめるにもセンスが必要
ドラマ化するにあたり、原作漫画1〜2巻分のエピソードを1話に詰め込んでいるので仕方のない部分もあるが、どうも毎回、原作のダイジェストを見せられているような気持ちになってしまう。
原作は全15巻あるので、色々なエピソードを放送したい。1話完結形式で行きたい。などなど色々な思惑があるんだろうとは思うけど、TBS日曜劇場の池井戸ドラマだったら今回のエピソードで4話くらい使うぞ(それはそれで引っ張りすぎな展開になりがちだが)。
長い話を短くまとめるにはセンスが必要なわけだが、本作ではその辺がイマイチ上手く行っていない印象だ。
……というか話の流れを無視して、「原島浩美が水をぶっかけられる」「退職金で返済する」「黒田法眼、ホントはいい人だった」みたいな、原作のおいしいシーンをつぎはぎしているように見えてしまうのだ。
ちなみに、最後の最後で黒田法眼がいきなり優しいおばさんになって面食らった人も多いんじゃないかと思うが、アレは原作では、黒田法眼が「やり方はともかく企業の将来性を見る目は確か」と見抜いた浩美が、本当のベンチャーキャピタルになって正式に融資をしてくれるよう提案する、という振りがあってのもの。
「振り」のシーンをバッサリカットして、おいしいシーンだけを使っているので、全体的に唐突な展開ばかりになっているのだ。
それでいて「話がややこしくなるから、入れなくてもよかったんじゃないの」要素は使っていたりする。
・黒田法眼はよつば銀行に恨みを持っていた。
・その原因を作ったのは副頭取の島津雅彦(柳葉敏郎)。
・さらに台東支店長がいきなり「島津さんのことを恨んでいる」とか言い出す。
・音声認識システム「エウレカ」の由来がどうのこうの……。
それよりは、日本STと丹波が信頼関係を築いていく過程だったり、丹波夫妻の関係性をもっとじっくり見せてもらいたかった!
日曜劇場って、偉大だなぁ〜……
何度も書いているけどこのドラマ、おそらく目指している方向性としては一連の池井戸潤ドラマなんだと思われる。
主人公に様々なトラブルが降りかかるが、最後には悪役を倒してスッキリ! みたいな。ドラマをやりたいんだろうな〜……と。
しかし、そもそも原作が単純に敵、味方でバトルするタイプの話ではないので、そういう方向性でやりたいなら、もっと話をシンプルに再構築するべきだろう。
その点「日曜劇場」の方は上手いこと、シンプルな勧善懲悪話に落とし込んでいる。本作を見れば見るほど「日曜劇場」の偉大さを再認識してしまうのだった。
【配信サイト】
・ネットもテレ東
・Paravi
・TVer
『よつば銀行 原島浩美がモノ申す!〜この女に賭けろ〜』(テレビ東京)
原作:周良貨(原作)夢野一子(作画)『この女に賭けろ』(講談社刊)
脚本:西田征史
演出:星野和成、小野浩司
オープニングテーマ:NEWS「トップガン」(ジャニーズ・エンタテイメント)
主題歌:スガシカオ「遠い夜明け」(Victor / SPEEDSTAR RECORDS)
音楽:信澤宣明
プロデューサー:稲田秀樹・阿部真士(テレビ東京)・八巻薫(MMJ)
制作:テレビ東京、メディアミックス・ジャパン