
「WARNING」はメロディの音の取り方が新鮮で、新しいジャンルの曲
――アルバム『2nd Emotion』は、人間の持っている感情がテーマということですが。
毅:はい。なので僕たちも、とにかく感情を全面的に出しました。
颯:うん、「怒り」が特徴だね。「怒」に関する曲は3曲あって、アルバムのリード曲「WARNING」は過去の自分に対しての怒りで、「BADASS」は世間や社会に対しての怒りを表していたり。「Set It Off」も「怒」だね。もちろん「怒」だけじゃなくて、様々な感情をスパドラサウンドで表現しています。
――その様々な感情というのが「喜、怒、憂、思、悲、恐、驚」などが含まれるそうですが、メンバー各人に当てはまる感情って何だと思いますか?
彪馬:玲於くんは「驚」じゃない? いつも驚いてる気がする(笑)。
和哉:えっ? えっ?(マネしまくる)
玲於:ハラたつなー、めっちゃハラたつ!(笑)
ジャン:毅は「喜」だな。人生、楽しそうだもん。
毅:そうだね。そういうジャンも、「喜」じゃない? でもジャンの場合は楽しいだけじゃ収まらなくて……。
楽:クレイジー(笑)。「変」だね! 新しい感情が生まれた(笑)。

玲於:颯は「驚」。俺らも驚かされるけど、自分でやったことに自分で驚くという(笑)。いつも、驚きを発信しているので。
楽:壮吾は「喜」。しょっちゅう電車(※趣味の鉄道)で喜んでるから。
和哉:洸希は、「怒」! キレキャラだから(笑)。
洸希:おい! いつからだよ!
一同:はい、キレました~(笑)。
ジャン:彪馬はセクシーだから「セク」だね。
一同:それ、感情じゃない!
ジャン:そうか。じゃあ「憂」? 「憂」と「怒」のハーフかな。
玲於:和哉は、恐怖だから「恐」。
毅:威圧感がスゴイんですよ(笑)。
楽:それ、感情じゃない!
毅:んー、じゃあ楽という名前だけに、「喜」だな。
――本作は「怒」が特徴ということですが、過去の自分に対しての怒りを表現したリード曲「WARNING」は、テーマだけでなく、サウンドもこれまでの勢いのあるイメージと違いますよね。テンポもゆっくりで、歌い方にも特徴があって。
彪馬:こういうメロディも初めてで、最初に聴いたとき、「新しいな」と思いました。特にメロディの音の取り方が新鮮で、新しいジャンルって感じ。
毅:個人的には、歌にすごく苦戦しました。間奏あたりに僕が高音で歌う部分があるんですけど、そのパートが大変で……。1日で録り終わる予定だったのに、2日かかっちゃいました。音が高いから、今までの発声と違う場所で歌わなきゃいけなくて。そこは、R&Bの歌唱法を意識しました。

――パフォーマンスも、今までの勢いのあるものとは変わってくると思うのですが。
和哉:そうですね。
玲於:それに、今までにないくらいフォーメーションが複雑なので、遠くから見ても楽しめるんじゃないかな?
――パフォーマンスもステップアップした感じなんですね。「WARNING」は、過去の自分との闘いがテーマになっています。もしタイムマシンがあったとしたら、5年前の自分に今の自分からどんな言葉をかけてあげたい?
楽:「今のうちに肉食べとけよ」ですね。そのころから頑張っておけば、もうちょっと肉が付いていたかも……。「あとで後悔するぞ」、と。
和哉:無理、無理。
玲於:いちゃもんつけてるよ~。怖い、怖い(笑)。
和哉:僕は、5年前だとまだ剣道をやっていて、ちょうど大会で優勝して浮かれているころなんで、「お前、1年半後に剣道やめるから、後悔しないようにやっとけよ!」って言いたいですね。
彪馬:僕はまだ、事務所にも入ってないころだな……。歌をもっと好きでいてほしいから、「カラオケに行け」かな。「歌え」、と。

洸希:僕はシンプルに、「もっと外で遊べ」ですね。身体を動かすことが得意じゃないので、「もっと体力つけて飯を食え」、と。あとは、「ビートボックスをもっと頑張れ」って。ちょうどビートボックスを知ったころなので。
壮吾:5年前の僕は小5で、事務所に入るギリギリ前です。「会えるものには会っといてね」って伝えたいですね。
洸希:深いなー。でも、わかりにくい! 壮吾の「会う」って人間じゃなくて、電車なんですよ。
壮吾:5年前だったら、千代田線の6000系もまだたくさん走ってたし、東葉快速もあった。廃止されてからだと遅いんです! もっと乗っておくべきでした。本当に後悔しています。
颯:12歳の僕はサッカー少年で、毎日外でボールを蹴ってました。だから、「日焼けには気をつけろよ」って言いたいです。あのころは、ぜんぜん気にしてなかったから。
一同:アハハ(爆笑)。
毅:颯って、地黒じゃないの?
颯:地黒だよ。
一同:えーー! じゃあ、気をつけても意味ないよ!
颯:地黒だけど、これ以上はヤバイじゃん!

ジャン:さすが、颯だ。驚きの発言(笑)。僕は、「帽子のかぶり方、考えろ」ですね。ストリートキャップをよくかぶってたんですけれど、斜め45度だったんです。
毅:僕は中2で、まだEBiDANにも入ってなかった。でも、そのころ明確な夢がなかったからこそ、今があると思うんです。だから僕は、「そのままでいいぞ」かな。
玲於:中3の俺に言う言葉は、「希望は早めに捨てろ。お前、身長のびないぞ!」かな。「セノビック(成長期応援飲料)買っても無駄だぞ」って(笑)。それ以外ないな~。
和哉:「筋トレしとけ」じゃないの?
玲於:中3のときは、だいぶ仕上がってた。中1から中2にかけてめっちゃ筋トレしたから。筋肉を成長させたら、身長は、高校3年間で1センチしか伸びなかったんですよ!
楽:僕は小6から中2までの2年間で、22センチ伸びたよ!
玲於:くぅ~、涙出る(笑)。
次のツアーはやったことのない、勝負するようなライブに

――「WARNING」はミュージックビデオもカッコいいですね。撮影のときのエピソードを教えてもらえますか?
毅:彪馬、ある?
彪馬:海の近くで撮ったんですけど、とにかく寒くて。まぁでも、無事に……。
颯:(キッパリ)8人は無事でした。
――ということは、彪馬くんに何かが……。
壮吾:そうなんですよ。暖をとるためのストーブに近づきすぎて、髪が燃えました。
毅:今、彪馬の左目の上の前髪に、すき間があるじゃないですか。そこが!
彪馬:今日、切ってもらったから大丈夫。いい思い出です(笑)。
毅:その時の様子は、カメラにガッツリ収められているので、メイキングで見られるんじゃないかと。

――メイキング、楽しみにしてますね! さて、アルバム『2nd Emotion』には、初編成の曲も多数収録されています。「Set It Off 」は、ジャンくん、洸希くん、和哉くんの3MC曲なんですね。
ジャン:「Set It Off 」は、すごく日本語が映えるラップ曲。スパドラにこういう曲、欲しかったんですよね~。ラップ組3人の曲だから、3人じゃないとできない遊び方に注力しました。
和哉:ジャンくんは「この曲は思うようにやっていいよ」って言われていたので、遊びまくるのはわかった(笑)。だから僕は、声の低さを活かそうと思って。いつものダミ声の勢いは止めずに、1トーン下げたドスの効いた声を意識しました。
洸希:僕も各人が違った個性を活かすのがいいなと思ったけど、全員の個性が強すぎてもダメだと思って、あえて王道を行きました。
彪馬:いつもカッコいいラップをしてくれるけど、いつもとはぜんぜん違う。3MCを改めて聴いて、ラップだけでもちゃんとした曲を構成できるってスゴイなと思いました。
――「Set It Off 」も「怒」曲ですが、最近ちょっとイラッとしたこと、ありますか?
和哉:(速攻で)俺の勘違いだったらゴメンなんだけど、さっき写真撮影しているときに、彪馬が俺を見て「フッ」って鼻で笑って通りすぎたんですよ。「お前、こうだよ」って言葉で言ってくれればいいのに!
一同:おーーー、絡んでる!
彪馬:マジで? それ、完全に無意識だわ。申し訳ないっす。それにしても、怖い(笑)。

――(笑)。ユニット曲といえば、サンダードラゴンの「リマカブロ!」が収録されましたね。これは、ライブでおなじみのブチ上げ曲ですが。
楽:はい、サビの振付も一緒にできるし、ファンの皆さんと盛り上がれる曲。僕、大好きです。サンダーのコーナーでは欠かせない曲ですよね。
壮吾:だいぶ前から音源化してほしいってリクエストがあったから、「お待たせしました」って感じ。たくさん聴いてほしいです。
――年上組であるファイヤードラゴンの「Get Lite!」のラップ詞は、毅くんと、ジャンくんが書いたんですよね。
毅:僕の書いた歌詞は、わりと「怒」に近いかな。ネット上で自分を偽ったり、作り上げた妄想や偏見で攻撃したり、そういう時代の理不尽みたいなものに対して、「俺はお前らを置いていくぞ」って気持ちを込めました。
ジャン:僕は全体の歌詞に寄せた、前向きな内容にしました。裏テーマで「怒」もちょっと入ってるけど、基本は前向きです。

――毅くんと彪馬くんの「Song For You」は他の曲とはちょっとカラーが違っていますね。
彪馬:「夢で逢えたら」に続く、2曲目のバラード曲です。ラップ陣は「Set It Off」でしっかり見せてくれているので、僕らも負けられない(笑)。バラードだけど、ありきたりにはしたくなかった。スパドラらしさを無理やり入れるんじゃなくて、そこに自分たちらしさを乗せようと思って臨みました。歌詞が自然にスッと耳に入ってきて、感情を込めやすかったです。
毅:卒業ソングってこともあるけど、今回のアルバムにはあまりない「切ない」感情を歌っています。シンプルだけど、ちゃんと自分を表現をしなきゃいけないと思ったので、声色に気をつけました。
――卒業ソングといえば、毅くんは今、話題のドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』に出演中です。これは卒業10日前のお話ですが、撮影現場はどうですか?
毅:とにかく、菅田将暉さんがスゴくて。予想していないことをしてくるんですが、それに圧倒されて、みんな泣き出しちゃったり……。なんだか実力の差を感じて、ショックでした。でも、そういうことを体験するのが成長への近道だと思うので、一緒に仕事ができて光栄です。ここでいろんなものを盗んで、良い方向に進んでいけたら……と思います 。
――さて、『2nd Emotion』は2年ぶりのアルバムです。この2年の成長は、すごく大きかったと思うのですが、どんな変化や成長がありましたか?
和哉:何にでも挑戦するのがスパドラだと思うんです。スパドラとしてやってきた音楽が地盤として固まっているからこそ、何にでも挑戦できるし、いろんな層の人に刺さる音楽ができる。それがスパドラなんじゃないかなって思えるようになりました。
毅:変化を続けた2年ですよね。でも、「変化を楽しむ」っていうスタンスは変えたくない。最初にミクスチャーユニットっていう軸の部分を見せましたけれど、2年でどのくらいの幅ができたか、そして新しいものをどれくらい見せられているかが、『2nd Emotion』でわかると思います。

――3月21日からは、アルバムを引っさげた「7th ONEMAN LIVE TOUR 2019 『Emotions』」もスタートしますね。
壮吾:今までのライブでは、ストーリー性のある演出をしてきました。今回はストーリーではなく、パフォーマンスで魅了できるライブにしたいですね。楽しみにしていてください。
玲於:今までやったことのない、勝負するようなライブをします。よりパフォーマンスの技術面を磨いて、どんどんグループ全体でレベルアップして、最高の状態で臨みたいと思います。
【特集TOP】SUPER★DRAGON 2年の成長と変化が結実したニューアルバム『2nd Emotion』