脚本:福田 靖
演出:松岡一史
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎

連続テレビ小説「まんぷく」オリジナル・サウンドトラック2 バップ
136話のあらすじ
新商品の開発に余念のない萬平(長谷川博己)だが、幸(小川紗良)が、万博で知り合ったアメリカ人ダヴィンチくん(by世良)ことレオナルド(ハリー杉山)と恋愛しているのではと聞いて、眉を吊り上げる。
ダヴィンチくんって誰だ
「その日は梅雨入りも近い6月最初の日曜日でした」(ナレーション芦田愛菜)
なぜか意味ありげにナレーションが時期を告げるも、とくに意味はないと思われます。
日曜日、家に仕事を持ち込んで、発泡スチロールの脱臭問題を解決しようとする萬平、源(西村元貴)、神部(瀬戸康史)。源もすっかり、お父さんに影響されて、仕事に夢中になっています。
日曜出勤して会社でやればいいのに。社長室にキッチンがあることですし、屋上もあるでしょう。あとでわかりますが、この日、若い社員たちは休日出勤していました。萬平はこういうときこそ、休日出勤している若者に差し入れしたりしてほしい。もしくは、もうずっと会社に泊まり込みみたいになっている萬平たちに、福子が差し入れしにきて、社長の奥さんはいい人だと、社員たちに慕われてほしい。このように、ありえたかもしれない、いろいろな可能性を想像させてもらえるところが「まんぷく」の楽しみのひとつです。
仕事一筋の萬平さんですが、幸の恋愛には、反応し、気をもむところにはホッとしました。それすら気にしないで仕事に没頭していたら、殺伐としてしまいますから。
萬平「ダ・ヴィンチくんって誰だ」
福子「それはレオナルド・ダ・ヴィンチ」
神部「レオナルド・ダ・ヴィンチって人がおるんですか」
源「いまの時代に」
楽しそうな四人。誰にでもわかる、素朴な笑いです。
ここのとこ、面白いのは、134話のレビューに書いた名木(上川周作)と神部の息子大介(川口調)。
名木は泣いてばかりで「泣きべそナギくんや」と忠彦さん(要潤)としょうもないダジャレにされるほど。
大介は11歳なのに40歳なんじゃと言われるくらいませています。その口調がいかにもで。しかもしったか(発泡スチロールをなにかしらないのに知ってるふうに語る)これまた誰にでもわかる素朴な笑いを生みます。
「あなた(源)は武士の娘の娘の息子なのよ」(鈴)。
この「武士の娘」はずいぶんと活躍しました。コスパいい台詞を考え出したものです。
テレビができたとき(50年代)、視聴者に考えさせない、絵や単純化した言葉で、誰でもわかるようにものごとを提示することで、国民が「一億総白痴化する」と心配されたそうですが、このドラマはまるでその時代の空気を再現しているかのようにも思えます。とはいえ、もう70年代。幸とレオが見てきた映画「明日に向かって撃て!」が流行るように、ひりひりした、なにか突破したい思いに若者がかられていた時代でもあります。でも、そういうものを朝ドラで書いたら受けないでしょう。それぞれが自由に想像したり、深く思索したり、ただ感じたり、わからなくてもわからないことを受け止めたりするような場面をつくると視聴率がたちまち下がってしまいます。ものづくりは大変です。
あと14回、どうやって保たせるか。制作者の腕の見せ所。
萬平さんが、夜、布団のなかで本を読んでいるときの、髪ぼっさぼさで、ものすごーく油断した感じは良かったです。
(木俣冬)
連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~
朝夕、本放送も再放送も オールBK制作朝ドラ
「べっぴんさん」 BS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。
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「あさが来た」 月〜金 総合夕方4時20分〜2話ずつ再放送
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