◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~
第2週「なつよ、夢の扉を開け」 演出:木村隆文 第8回(4月9日・火)視聴記録
浮浪児
「浮浪児」というワードを久しぶりに聞く。昔は「浮浪児」というものが存在していたのだ。
戦争によって「(兄妹に)特別な絆が結ばれる」という事実もまた皮肉めいている。
なつ(粟野咲莉)がいなくなったことから、剛男(藤木直人)が兄妹のいるなつひとりだけ北海道につれてきた理由がわかる。なつがもっていた父の手紙と絵は、剛男から手渡されたものだった。お父さんは絵が上手でユーモアのある人だったと語られる。
咲太郎の幼少期を演じる渡邉蒼がうまい。表情や動作に情感が溢れる。吉岡秀隆タイプか。今後に期待したい。
一方、山田天陽役の荒井雄斗は、切れ長の目がジブリアニメの美少年ふう。「君が寂しそうだからさ」と少女漫画やアニメみたいなセリフを吐いて決まる。こちらはこちらで良いものだ。
「怒れる者はまだ幸せだ」
「怒る前にあの子は諦めている」
「自分の幸せを守るために人は怒る」
「争いごとを嫌ってあの子は怒ることができなくなった」
泰樹の名台詞。戦後、傷つき果てた人間のことを言っているようで、現代のいろいろ諦めて怒ることもあ怒られることも避ける人たちのことを言っているようにも聞こえる。
確かに、怒るということは希望があるからで。希望すらなくなると諦めて自分の思いをぶつけることができなくなってしまうものかもしれない。
それから、これ。
「もし ひとりで生きようとするなら 水だ」
なんかサバイバルな感じでかっこいい。
その予想どおり、なつは川に来ていた。なつと泰樹の心がつながっていることも思わせる。血とか年齢とか性別とか何もかも越えてつながる関係性って尊い。
4月10日(木)放送 第10回のあらすじ
泰樹(草刈正雄)はなつ(粟野咲莉)をある場所に連れていく。そこでなつは、十勝に入植して以来、泰樹が抱き続けてきたバター作りの夢を知ることになる。翌日、泰樹はなつや剛男(藤木直人)の前で、バターを作ることを宣言。なつは泰樹の夢でもあるバターを楽しみにするが、富士子(松嶋菜々子)や夕見子(荒川梨杏)はあまりいい顔をしない。しかし…
ここに注目したい
◯バターづくり! バターが食べたくなりそう。

第2週「なつよ、夢の扉を開け」(演出:木村隆文) あらすじ
東京の兄に会いたいと、家出したなつを富士子や剛男は、懸命に探す。一方、帯広にたどり着いたなつは警察に保護されたが、そこからも逃げだし、行き場を失っていた。


登場人物とキャスト 登場順
奥原なつ 広瀬すず 幼少期 粟野咲莉…主人公。戦争で父母を亡くし、兄と妹と別れ、剛男に連れられて北海道に引き取られてきた。生活を保障してもらう代わりに酪農の手伝いをする。父の描いた家族の絵を大切にもっている。
佐々岡信哉 工藤阿須加 幼少期 三谷麟太郎…空襲のとき、なつを助ける。
柴田剛男 藤木直人…柴田家の婿養子。なつの父の戦友で、戦災孤児となったなつを十勝に連れて来た。妻を「ふじこちゃん」と呼ぶときがある。
柴田富士子 松嶋菜々子…剛男の妻。
柴田照男 幼少期 岡島遼太郎…柴田家長男。搾乳をさせてもらえない代わりに薪割りを頑張っている。
柴田夕見子 幼少期 荒川梨杏…柴田家長女。勉強が好き。牛乳嫌い。同い年のなつに嫉妬を覚えたが、剛男に説得されてなつを受け入れる。
柴田明美 幼少期 吉田萌果…柴田家次女。
柴田泰樹 草刈正雄…柴田家当主。頑固者で幼いなつにも容赦なく厳しく接するが、意地悪ではなく、彼の人生哲学に基づいたもの。他人に頼らず己の力で人生を切り拓くことを心情としている。
奥原咲太郎 幼少期 渡邉蒼…なつの兄。
奥原千遥 幼少期 田中乃愛…なつの妹。親戚に引き取られている。
2回
焼け跡にいたおばあさん北林早苗…情にほだされなつたちに食べ物を分ける。演じているのは朝ドラ第1作め「娘と私」の娘・麻里の少女時代役を演じた。
戸村悠吉小林隆…柴田牧場で働いている。
戸村菊介音尾琢真…悠吉の息子。嫁募集中。
4回
小畑とよ 高畑淳子…帯広在住。泰樹の昔なじみ。口の減らない元気な人。
小畑雪之助 安田顕…とよの息子。菓子店・雪月の店主。菓子作りに情熱を注ぐ。
小畑妙子 仙道敦子…雪之助の妻。
小畑雪次郎 幼少期 吉成翔太郎…雪之助、妙子の長男。
5回
山田天陽 幼少期 荒井雄斗…音問別小学校でなつと同級生になる。東京からやって来た。絵が上手。馬が好き。
大作 増田怜雄…音問別小学校の生徒。
実幸 鈴木翼…音問別小学校の生徒。
さち 伍藤はのん…音問別小学校の生徒。
山田正治 戸次重幸…郵便配達。
8回
山田陽平 市村涼風…天陽の兄。
脚本:大森寿美男
演出:木村隆文 田中正ほか
音楽:橋本由香利
キャスト:広瀬すず 松嶋菜々子 藤木直人 岡田将生 比嘉愛未 工藤阿須加 吉沢亮 安田顕 仙道敦子 音尾琢真 戸次重幸 山口智子 柄本佑 小林綾子 高畑淳子 草刈正雄ほか
語り:内村光良
主題歌:スピッツ「優しいあの子」
題字:刈谷仁美
タイトルバック:刈谷仁美 舘野仁美 藤野真里 秋山健太郎 今泉ひろみ 泉津井陽一
アニメーション時代考証:小田部羊一
アニメーション監修:舘野仁美
アニメーション制作:ササユリ 東映アニメーション
制作統括:磯智明 福岡利武
(木俣冬)