今夏は話題の新作長編アニメ映画のリリースラッシュだ。大物監督の作品も目立つ。『夜明け告げるルーのうた』『夜は短し歩けよ乙女』にて国内外数々の受賞歴を誇る、湯浅政明監督の新作映画『きみと、波にのれたら』もそのひとつだ。
海辺の街を舞台に消防士の青年とサーファーの大学生の運命的な恋を描いた感動の青春ラブストーリーの本作。主人公・港役は、声優初挑戦となる片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、ヒロイン・ひな子役は女優・川栄李奈の2人がW主演を務める。また、港の妹・洋子にはテレビドラマ「この世界の片隅に」でのヒロインすずの好演も高評価な松本穂香、港の後輩・川村山葵(わさび)は日本アカデミー賞話題賞 俳優部門と新人俳優賞のW受賞の伊藤健太郎が務め、豪華声優陣も話題だ。
そんな同映画の洋子役の松本、山葵役の伊藤だが、2018年末のJR SKI SKIのCMでもW主演を務めた2人が主要キャラクターとして登場し、劇中でのその関係性や佇まいも愛しい。松本は声優初挑戦、伊藤はアニメ映画の声優は2度目となる。そんな2人が作品や声優挑戦について、映画の見どころなど各々の感銘ポイントを教えてくれた。
JR SKI SKIの撮影後に声優オファー
「おっ、また松もっちゃんとだ!」(伊藤)
――今回の声の出演の第二弾発表にて、お二人の名前が挙がりました。伊藤さんと松本さんは今冬のJRのSKI SKIのW主演だったこともあり、「おっ!」と思ったのが第一印象でした。
松本穂香(以下、松本):私もです。「おっ!」って(笑)。「また(伊藤くんと)ご一緒できる!」と驚きました。
伊藤健太郎(以下、伊藤):僕もです。「おっ、また松もっちゃんとだ!」って。JRの撮影の数日後に収録でしたから。
松本:それこそ撮影を終えて1週間ぐらいなので、「また今度もよろしく!」って感じでした。
――その2人が今作では主人公の2人に関わる重要な役どころですが、最初に台本をもらった際、どのような作品の印象を持たれましたか?
松本:アニメ映画ならではの可能性がたくさん詰め込まれていて。自分の想像力を遥かに越えた表現や展開でワクワクしながら読ませてもらいました。あとは登場する一人ひとりがすごく魅力的だなって。
伊藤:僕はかなり面白い作品だなという印象でした。半面、当初は正直「このファンタジー要素が果たして受け入れられるのか?」などの疑問もありました。でも完成後は、「おお、こうなったのか」といった説得力があって。改めてアニメのパワーやすごさを感じました。
――実際のアフレコの現場はいかがでしたか?
伊藤:収録は別々で、松本さんの方が先に収録を終えていました。その声に乗せる感じだったので、おかげさまで僕はとてもやりやすかったです。
松本:私の方が先でしたが、この後に伊藤さんのあの素敵な声が乗ることを想像しながら挑みました。
伊藤:「素敵な声」って(笑)。
松本:素敵な声です。お互いキャラは正反対ですが、あの山葵の気弱さや心の機微を声だけで演じる。本当にすごい方だなと思いました。
――そんな松本さんは声優初挑戦だったわけですが、いかがでしたか?
松本:お芝居とはまた違った難しさがありました。息遣いやその場のテンション感の意識等々、かつその辺りも自然に演じなくてはいけなかったので。
――これまでの仕事と違い、今回は声のみでの表現ですもんね。
松本:とは言え、あえて声だけで表現しようとの考えでは挑みませんでした。それこそ気持ちは普通のお芝居と変わらずで。普段演じているのと同様の気持ちで挑みました。
――元々「いつかは声優もやりたい!」と思っていたとお聞きしました。
松本:そうなんです! でも、実際にやってみると難しかったです。どんどん進んでいく場面や動きに合わせなくちゃいけなかったり、口の動きも決まっているので。お芝居と違い自分の間合いでできない部分も多く、色々苦戦しました。途中で何度も噛んでしまいましたし。覚悟はしてましたが、それ以上に大変なものがありました。とはいえ、とても楽しかったので、また機会があれば是非挑戦したいです。
――伊藤さんはアニメ映画は二度目ですが、これまで声のお仕事もされているので慣れたものだったのでは?
伊藤:いやいやいや。全然全然。これまでゲームも含めると今回が3回目でしたが、やはり声だけの表現は何度やっても難しかったです。
――やはり普段の演技とは全く違いますか?
伊藤:違いますね。映像だと表情や身体等で補えますが、声優はそれらが全てそぎ落とされて「声だけで勝負」なので。でも逆にやりがいもありました。楽しかったし。「ああ、自分はこんなこともやれるんだ!」、「こんなこともやっていいんだ!」と新しい開拓や発見にもなりました。
演じるキャラクターは「自分とは対照的な部分があった」(松本)
―――実際に作品を観返してみていかがでした?
松本:私、ちゃんと(自身が演じた)洋子に成れてる! って。私の声だけど洋子として、きちんと存在できていたので、その辺りは感動でした。“ああ、声優さんってこういったことなんだ…”と、そこでようやく実感できたんです。
伊藤:僕も今まであまりやってこなかった新鮮さもあり、自分が初めて映画に出た際に大きなスクリーンに自分が写っているのを観た時と同じような感動がありました。でも、今回はこれまで自分の声をこんなにじっくりと聴いたことがなかったので、それが恥ずかしかったです(笑)。
――松本さん演じる洋子は、かなり気が強く自身の考えや信念を強く持っているキャラでしたね。
松本:真っ直ぐな子なので気持ちが手に取るように分かるんです。私自身、洋子のように自分の気持ちを包み隠さず口にできるタイプではないので対照的な部分もありましたが、お兄さんの死を通し、どこか複雑な気持ちもあったり。「私が強くならなきゃ!」みたいな……。そんな複雑な気持ちも抱えている子なので、その辺りの気持ちの機微やデリケートさは意識しました。
――対して伊藤さん演じる山葵さんは、自分に自信がないキャラで。ある意味、実際とは正反対だったのでは?
伊藤:正反対まではいかないですが、僕の場合は自信がなくても、それを表に出さないタイプなので、逆にあそこまで全面的に自分の気持ちを解放できる山葵はうらやましかったです。
――そのキャラとのギャップを埋めるために何か工夫等は?
伊藤:山葵がどういった気持ちや想いでそれらを口に出すのか? にフォーカスを当てました。
――松本さんも役と実際とでは違いそうでしたもんね?
松本:違いました。それもあり、いつも以上にハキハキ話したり、気持ちをストレートにぶつけてみました。
――洋子に関しては、最初の生意気さから徐々に可愛さへと観る側の感受も移っていくのも印象的な役でした。
松本:恋をしてだんだんと変わっていく、私もその辺りは意識して演じました。
――伊藤さんの山葵も、段々と強くなっていく、その心の機微や流れや動きも重要そうでした。
伊藤:小さな一歩ですが、みんなが各々成長していく…その過程は丁寧に演じたいと挑みました。
自分もこんなデートしてみたい、と思いながら見ていた(伊藤)
――劇中、印象的なシーンやセリフがあったら教えて下さい。
松本:私は洋子が当初、「恋なんて馬鹿のすること」なんて言っていたのが、終盤では「恋をしないなんて馬鹿のすること」に移り変わっていたところですね。なんか可愛らしくて。ストレートだなぁ…って(笑)。
伊藤:僕は主人公の港とひな子のシーンなんですが。僕、キャンプをするのが好きで。あのアウトドアでのデート。バーナーで料理をするシーン等は、“こんなデートっていいな…”“自分もこんなデートをしてみたい…”なんて思いながら観ていました(笑)。デートシーンがけっこうあるんですが、どれも楽しそうなんです。
――お互いでの印象的なシーンはありましたか?
伊藤:僕は洋子と兄の港の関係性です。あの兄妹の距離感や関係性は微笑ましかったです。実際はあんな妹だったらキツいのかもしれないけど(笑)。あのお兄ちゃん目線がいいですね。
松本:私は序盤の山葵が必死にロープで訓練をしているシーンですね。あそこは山葵そのままだなって。すごく必死に頑張るんだけど、なかなか上手くいかない。で、結果、お兄ちゃん(主人公の港)に助けられる。あの不器用だけど努力家で、必死に出来なかったことを克服しようとする。そのキャラがあの場面に詰まっているし、現れている感じがしました。
――最後にこの映画の観どころを教えて下さい。
松本:一人ひとりは不器用だけどすごく真っすぐで。それらが合わさって大きなパワーになっていく映画なんです。湯浅監督の綺麗な絵と色使いと、その真っすぐな気持ちたちとが合わさり、キラキラとした愛しい映画になっているので、是非、家族、恋人、友達、色々な大事な人と観て欲しいです。
伊藤:思ってたことを全て先に言われちゃった(笑)。では僕は……。劇中のGENERATIONSさんの歌が全編に渡りかなり重要なので、そこにも注目して欲しいです。あと、“最近なんかちょっと上手くいかないな…” 、“最近あまりいいことないな…”と感じている方々に観てもらえると、少しでも前に進める燃料になる映画かなと。幅広い方々に観てもらい、みなさんの大切な映画のひとつになると嬉しいです。
取材・文/池田スカオ和宏 撮影/稲澤朝博
編集/日野綾(exciteニュース編集部)
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『きみと、波にのれたら』ストーリー
小さな港町へ越してきたひな子は、サーフィンが大好きで、波の上では怖いものなしだが自分の未来については自信を持てずにいた。ある火事騒動をきっかけに、消防士の港(みなと)と偶然出会い、恋に落ちる。お互いがなくてはならない存在となった二人だが、港は溺れた人を助けようとして、海で命を落としてしまう。大好きな海が見られなくなるほど憔悴するひな子。
そんなある日、ひな子が二人の思い出の歌を口ずさむと、水の中に港が現れる。「ずっとひな子のこと助けるって約束したろ?」死んだはずの港と再び会えたことを喜ぶひな子だが…。奇跡がもたらした二人の恋の行方は? そして、港が再び姿を見せた本当の目的とはーー。
作品情報
映画『きみと、波にのれたら』
6月21日(金)全国ロードショー
監督:湯浅政明
脚本:吉田玲子
出演:片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、川栄李奈、松本穂香、伊藤健太郎
主題歌:「Brand New Story」GENERATIONS from EXILE TRIBE(rhythm zone)
配給:東宝
(c)2019「きみと、波にのれたら」製作委員会
公式サイト:https://kimi-nami.com/