遊助 「ギアをセカンドからサードに入れて加速するため」 10周年第2章第1弾シングル『千羽鶴』

遊助/7月3日にニューシングル『千羽鶴』リリース


3月11日にソロアーティストのデビューから丸10年を迎えた遊助。10周年第2章の幕開けとなるシングル「千羽鶴」は、自らも青春をささげた高校野球神奈川県大会を彩る中継テーマ曲。初めて狙い撃ちして獲りに行ったというタイアップソングへの思いや、10周年を経た今、そしてこれからについて語ってくれた。

取材・文/橘川有子  
編集/田上知枝(エキサイトニュース編集部)

選手を応援する人たちに向けて書いたという気持ちも強い


――ソロ活動10周年第2章の幕開けとなるシングル「千羽鶴」は、遊助さんの青春を彷彿とさせる楽曲ですね。


遊助
:(折り紙で鶴を折ろうと試行錯誤しながら)開幕しました、第2章。「千羽鶴」はtvk(テレビ神奈川)の高校野球神奈川県大会中継テーマ曲なんですが、実は、高校のころ野球をやってたんですよ。

――はい、存じてます。それを知らない人はあまりいないのではないかと(笑)。


遊助
:そっか(笑)。今年は、神奈川県大会が100年目で、大会としては101回目なんですよ。俺は10周年で、11年目に入ったし、「俺がやるしかないでしょ」って思って、何のあてもなかったけど、初めて狙い撃ちしてタイアップを取りに行くために書き下ろしました。

――では、歌詞から先に書いたのですか?


遊助
:曲が先でした。爽やかでいい曲だなって思ったし、聴いていたら「千羽鶴」がぱっと浮かんで。インパクトのある言葉だと思ったし、その言葉を聞いただけでいろんな世界が広がるなと思ったので、千羽鶴を元に歌詞を書こうって思いました。

遊助 「ギアをセカンドからサードに入れて加速するため」 10周年第2章第1弾シングル『千羽鶴』


――歌詞を書くうえで、特にこだわったことは?


遊助
:「一戦必勝 (フー)」ってところは、甲子園のアルプス・スタンドでベンチに入れなかった子たちが「フー!」って言ってそうなイメージが湧いた。応援しやすい曲にしたいなと思ったので、ここで曲調を急に変えました。今言ったみたいなことを伝えて、アレンジをし直してもらったんです。そういえば、「仰いだ空」って表現は、高校野球っぽいねって言われた。自分では意識してなかったけど、そういうものなんだなって。

――やはり、ご自身の経験を重ねながら書いたのですか?


遊助
:選手たちに向けて応援する気持ちももちろんあるけど、選手を応援する人たちに向けて書いたという気持ちも強いかな。アルプス・スタンドとか、ベンチにいるけど控えの選手とか監督とか。選手自体が千羽鶴を折ることってあまりなくて、だいたい親とか仲間が折ってくれるもの。そういう人たちにスポットライトを当てたいなと思って書きました。

――遊助さんも千羽鶴を贈られたことがある?


遊助
:うん、もちろん。高校野球では、負けたチームが勝ったチームに思いを託すみたいな意味で千羽鶴を渡すんですよ。だから、決勝はすごい数の千羽鶴と一緒に戦う。

――たしか神奈川県大会って一番の激戦区。かなりの千羽鶴が見守ってくれることになりますね。


遊助
:そうそう。っていうか、常識だと思ってたけど、高校野球の独特の伝統なんだろうな。この話をするとびっくりされるんですよ(笑)。日本の高校野球って一種特殊な世界だよね。学生のスポーツにあれだけ一喜一憂して、ルールを知らない人も一緒に応援して泣ける。プロ野球は見ないけど、高校野球は見る人もいるだろうし。

――地上波でのプロ野球中継は減りましたが、高校野球甲子園大会は全部やりますもんね。


遊助
:そうだよね。朝から晩までずっと(笑)。何なんだろうね、あれ。ほかのスポーツだって、学生はみんな真剣にやってるのに。すごく不思議だなって思うし、俺なんか22年経ってもいまだに言われるもん。俺は甲子園に行ってないのに、タクシーに乗ったり居酒屋の店主とかから今も言われる。金メダルを取ったんじゃないかってくらい、記憶に刻まれてるんだよね。

遊助 「ギアをセカンドからサードに入れて加速するため」 10周年第2章第1弾シングル『千羽鶴』


――金メダリストと同じか、それ以上のインパクトがあるのかも。


遊助
:ただただ部活をやってただけなのにね。甲子園で優勝したならまだしも、行ってもいない。ラグビーで花園で優勝した人だっていっぱいいるだろうし、お正月の高校サッカーでハットトリック取ったというスター選手もいる。それに比べると、俺は地方大会止まりなのに、いまだに1カ月に必ず一度は高校野球の話を振られる。

――もう、腹を決めてユニフォームを着て歩くとかいかがでしょう?


遊助
:いいね、それ。TATOOでも入れようかな(笑)。

――かつては、正直うんざりすることもありましたか?


遊助
:若いころは少し、あったかなぁ。野球とは全然違う世界に入ったのになって思うことはあった。高校野球をやっていたことを変に利用するのも嫌だったから、自分の歴史だから認めるけど、ちょっと距離を置いていた時期はありましたね。ただ、だんだんと笑えて来たけどね(笑)。

――今年は不惑の年でもあるし、迷いがなくなったと。


遊助
:「フワクノトシ」??

――論語の一節で「四十にして惑わず」。40歳は“不惑”と言われています。


遊助
:うわ、それいいね。これから使おうっと!

この10年間に負けないように、これからの10年を最高の10年にしたい



遊助 「ギアをセカンドからサードに入れて加速するため」 10周年第2章第1弾シングル『千羽鶴』


――アーティストとしては10年が経ちました。


遊助
:はたから見たら、たかだが10年と思うかもしれない。自分でもまだ10年って気持ちだけ。振り返ることもないんだけど、周りから「10年だね」って言われるから、ああ10年ってやっぱりすごいんだなって気が付いて、自分のことを「お疲れ様」って気持ちにもなれた。この10年間に負けないように、これからの10年を最高の10年にしたいと思ってますね。その再スタートを「千羽鶴」と一緒に切りたいです。まだまだって気持ちのほうが全然強いし、これからの10年で「これだ」と思えるターニングポイントを作らなきゃなって。ギアをセカンドからサードに入れて加速するために。

――まだまだ伸びしろがあると。自分を信じているんですね?


遊助
:そう考えると、あと10年で遊助でどう遊べるだろうって考えられるから楽しくなる。最初の10年が終わったから、その遊び方も変わるかもって思っていて。役者やタレントって流れが大事なんですよ。でも、アーティストは作品を1つずつ重ねていくもの。遊助はいろんなことをやっていいアーティストだと思うから、もっとふざけられるのかなって。遊助にも色はあるだろうけど、シリアスな曲からふざけて鼻毛Dooon(6thアルバム『あの・・こっからが楽しんですケド。』収録曲「鼻毛祭りのDooon踊り」のこと)ってやってもかまわない(笑)。なんでもできるし、自分で一から創れるのが遊助なんだよね。

――その分、遊助の責任を負う覚悟もあるのですね。


遊助
:そうね。ちょうど「不惑」の年だし。……不惑って知らないの?(笑)

――あ……。勉強になります(笑)。


遊助
:(笑)。今回は、ちょうどいろんなことがバチンとはまったんです。40歳、10周年、神奈川県大会100周年、令和元年とか。さらに、101回大会で、11年目。「絶対に俺でしょ!」って思った。ちなみに、役者デビューは1999年だから、こっちは20周年なんだよね。

――立派なベテラン俳優ですね。


遊助
:40歳ってベテランですよ(笑)。

遊助 「ギアをセカンドからサードに入れて加速するため」 10周年第2章第1弾シングル『千羽鶴』

遊助 「ギアをセカンドからサードに入れて加速するため」 10周年第2章第1弾シングル『千羽鶴』


――ミュージックビデオも若いダンサーさんとの共演が瑞々しい映像でしたね。


遊助
:スタッフから提案されて、YouTubeを見たらいいなって思って。ダンサーとイエィイエィってやることはあったけど、今回はコンテンポラリーっぽいダンス。若者に踊ってもらったほうが、ピュアなエネルギー感が出せると思ってお願いしました。

――いい意味でむき出しな感じが出た、躍動感が伝わる素敵な映像でした。


遊助
:見てくれる人がどう思うかは分からないけど、俺としてはハマったなって。まっさらな舞台っていいよね。

――アートワークは折り鶴をイメージしたデザインでしょうか?


遊助
:そう。グラフィックだけじゃなく、実際に折り紙も入ってます。ただ、折ろうとしたら折り方があやしくなっていて、軽くショックだった(笑)。

寝ているときに好きな人からおでこにチューされたら嬉しいでしょう?



遊助 「ギアをセカンドからサードに入れて加速するため」 10周年第2章第1弾シングル『千羽鶴』


――カップリング曲「bay side」はがらりと雰囲気が変わって、湿度感のある大人っぽい曲調ですね。


遊助:サウンドから夜っぽい感じがしたので、横浜・みなとみらいでバイトしてた時のことを思い出して書いたんです。インターコンチネンタルホテルの配膳のバイトをしていた頃の話。従業員用エレベーターを降りて、「俺は東京の芸能界でやっていけるだろうか」って思いながら外に出てタバコをふかしてた。そのときに目に入ったカップルのこととかを描きました。

――海が見える波止場のような場所でしょうか?


遊助
:そうそう! 船の機械油の匂いがしたり、右手にベイブリッジが見えるちょっとした広場みたいなところ。懐かしいな。みなとみらいには行ってるけど、あの場所には行ってない。今度のツアーで「パシフィコ横浜」があるから、行ってみようかな。

――「パイナップル」は、そのツアーに似合う夏ソングですね。


遊助
:ライブをイメージして作ったんだけど、もしかしたら歌わないかも(笑)。セットリストを組んでいたら、ちょっと合わないかも……ってなってきて悩んでます。どこかで歌いたいな、はじけられる曲だから。

――「冬の向日葵」はどんなところから着想したのですか?


遊助
:寝てるときって、何されているか分からないじゃないですか。そこからイメージして書いてみたいなと思って。寝ているときに好きな人からおでこにチューされたら嬉しいでしょう? そういうことを思いながら書きました。Kenta(Urashima)君が曲を作ってくれたときに、仮タイトルを「冬の向日葵」と付けてくれたんです。デビュー曲にもつながるし、成長した10周年として大人っぽい冬の胸キュンのラブソングにしました。

――「冬の」というのが控えめで、大人な感じですね。


遊助
:「夜の」と迷ったんだよね。夜にすれば季節は関係なく歌えるんだけど、歌うときに「Fu yu no」のほうがが歌い心地が良かった。夜だと、発音するときに舌が上顎につくんですよ。それが音的に違うなって思って。

遊助 「ギアをセカンドからサードに入れて加速するため」 10周年第2章第1弾シングル『千羽鶴』

遊助 「ギアをセカンドからサードに入れて加速するため」 10周年第2章第1弾シングル『千羽鶴』


――繊細に言葉を選んでいるんですね。10年間でシンガーとして成長したと思うのはどんな時ですか?


遊助
:ライブを観た関係者から、「歌、うまくなったね」って言われる(笑)。「それって、歌手に言う?」って思いつつ、褒められてるのかなっていいほうに受け止めてます(笑)。ただ、外食した先でシェフに「ごはん、うまくなったね」って言わないよね(笑)。そういえば、この10年で声変わりしたんですよ。大人になってもするんだね。前のほうが線が細いし、音域も広がってるなと思う。それと、昔のほうが音や言葉を慎重に置いて行ってる感じがする。若かったからそれが味になってたのかなって思うけど、改めて聴くと「置きに行ってやがる」って(笑)。ちゃんとやろうとしすぎていたのかもしれないね。

50歳までの10年でやりたいことを一通りやっておきたい


――1か月でYouTube再生65万回を超えた「ひまわり ~10年分の愛のカタチ~」が、初回限定盤Bに収録されますね。


遊助
:10周年の記念ライブのとき、応援してくれるファンの方たちにサプライズをしかけて、映像に残さないかとスタッフから提案されたんです。記念ライブで1曲目に「ひまわり」を歌ったんだけど、その映像とこれまでのいろんな映像とかを選びながらホワイトデーにアップしたから、かなりのスピード感でしたね。コメント欄に小学生だった子が母になったとかあって、10年ってそういう月日なんだと改めて思った。その間ずっと応援してくださるなんて、ありがたいよね、本当に。10年でこう感じるんだから、40年、50年やっている人ってすごすぎるよね。頭おかしいんじゃないかなって(笑)。

――遊助さんも40年、50年続けて、後輩から「頭おかしい」って褒められる存在になってくれますか?


遊助
:言われちゃうのかな(笑)。その第一歩が「千羽鶴」だよね。まさか40歳になって、こんなキラキラした曲を作って取材中に折り紙で折り鶴作ってるとは思ってもなかったから、これから何があるかわくわくする(笑)。50歳までの10年でやりたいことを一通りやっておきたいと思っているんです。全力で遊ぶ最後の10年。50歳過ぎたらあまり気張りすぎてもなって思うから、遊び方も少しリラックスするのかなって。いずれにせよ、みんなと遊ぶのが好きなんだよね。

遊助 「ギアをセカンドからサードに入れて加速するため」 10周年第2章第1弾シングル『千羽鶴』

遊助 「ギアをセカンドからサードに入れて加速するため」 10周年第2章第1弾シングル『千羽鶴』


――その手始めがツアーということでしょうか?


遊助
:そうですね。みんなと楽しみたいし、いろんなことしたいな。そのためにはまず、いい曲を作るってことだよね。

――「千羽鶴」は遊助さんらしくて素敵な曲ですよ。


遊助:ありがとう。たくさんの人に聴いてもらって伝わらなければもったいないよね。リリースの翌日からツアー『ZERO』がはじまるから、少しでもプラスになればいいなと思ってます。「あの…けど」はやめました。令和の令、40歳、10周年だし、ゼロからスタートして、みんなで「よーいドン」です。応援してくれている人と再出発できるようなライブを作るつもりです。ただ、アルバムを出してないから、どうしたらいいか試行錯誤もしていて。お金をかければ豪華な演出はできるけど、見る人って「努力」を見たいんだと思うんですよ。拙くても一生懸命に創って、「楽しかった、あっという間の2時間半だった」と思ってもらえるものを魅せたいですね。



遊助の“マイ旬”


●断捨離
1年くらい続けてる。コンマリさんじゃないけど、服とか靴も「ときめかない」ものは処分しています。時には、大きなごみ袋に2つくらい服を処分したことも。あとは、人に譲ったりもしています。だいぶ身の周りが整理されたし、どんどん早いローテーションで「ありがとう」ってリリースするようになってきて。物が少ないって、気持ちがいいんですよ。だから、断捨離がしたいと思ったら、夜遅くてもやっちゃう。どんなに眠くても、明日がつらくても、「今処分したい」気持ちを大事にしたい。どうしても捨てられないもの……は、ビックリマンシールです。めちゃくちゃある(笑)。自分のシールを作ってもらっちゃったことがあって、何百枚もある。でも、これは男の子の夢だから捨てられないなー(笑)。

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リリース情報








ツアー情報


【遊助TOUR 2019『ZERO』】
2019年7月4日(木)松戸森のホール21
2019年7月14日(日)東京エレクトロンホール宮城
2019年7月20日(土)神戸国際会館 こくさいホール
2019年7月21日(日)神戸国際会館 こくさいホール
2019年7月27日(土)グランキューブ大阪 メインホール
2019年8月4日(日)新潟テルサ
2019年8月10日(土)福岡サンパレス
2019年8月11日(土)福岡サンパレス
2019年8月17日(土)オリックス劇場
2019年8月18日(日)オリックス劇場
2019年8月24日(土)名古屋センチュリーホール
2019年8月25日(日)名古屋センチュリー
2019年8月29日(木)よこすか芸術劇場
2019年9月1日(日)静岡市民文化会館 大ホール
2019年9月6日(金)中野サンプラザ
2019年9月7日(日)中野サンプラザ
2019年9月14日(土)広島文化学園HBGホール
2019年9月16日(月)大宮ソニックシティ
2019年9月21日(土)オリックス劇場
2019年9月23日(月・祝)パシフィコ横浜

オフィシャルサイト


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