タナカカツキ原作、原田泰造主演、サウナ好きによるサウナ好きのためのテレビ東京のドラマ25「サ道」。観るだけでディープリラックスが味わえるサウナドラマだ。

先週放送された6話では、静岡県にある「サウナしきじ」が登場した。しきじ。し・き・じ。冷静なふりをしているが、これを書いている筆者の心臓は早鐘を打っている。ああ、しきじ……。そこはまさにサウナの聖地。富士山、サッカー、お茶に次ぐ、静岡第4の名物。
以前、「全国のベストサウナ」的な本を書店で立ち読みしたら、ベスト10に「しきじ」が登場していなかったので「?」と思っていたら、巻末に別枠で特集ページがあったという、それほどまでに特別な存在。筆者はこれまでに何度か訪問したことがあるが、いつでもまた行きたいと思っている。それが「サウナしきじ」である。
日常をドラマチックに変える「サウナしきじ」
「しきじ」をサウナの聖地たらしめているもの、それは「水」である。
「この水は、日常をドラマチックに変えちまうのさ!」
「その水、何なんですか?」
「サウナーにとっての聖水ですね」
今日もホームサウナの「北欧」でダベっているナカタ(原田泰造)、偶然さん(三宅弘城)、イケメン蒸し男(磯村勇斗)。
ふたりから話を聞いたナカタは、さっそく静岡に向かう。このちょっとした距離もいい。「しきじ」は静岡駅から車で15分ほど。ナカタはタクシーを使っているが、筆者はいつも市内バスを使う。静岡駅北口にあるバスターミナルで「登呂コープタウン」行きに乗って、終点まで行けばいい。途中、「このバスはどこに向かっているんだろう……」と少し不安になるのもオツなものである。
体が溶ける「しきじ」の水風呂
「しきじ」に入ると、まず目に飛び込んでくるのは、サウナの主人公・水風呂だ。滝のように大量の水が流れ落ちる圧倒的なビジュアルと清冽な音に心奪われる。
「しきじ」の水風呂は、長い歳月をかけて地下深層部でろ過されてきた天然の湧き水。天然のミネラル成分を豊富に含み、飲用も推奨されている。
水風呂に入る前に、まずはサウナだ。フィンランドサウナも薬草サウナも、かなりの高温。前者は室温が120度、後者は湿度がすさまじい。最初は、熱くてこんなところにいられない! と思うけど、不思議なことにすぐに慣れてくる。イケメン蒸し男によると「湿度の調整が完璧」なのだそう。
そしてお待ちかねの水風呂。汗をよく流し、そっと入る。水温は14度。普通のサウナが15~17度だから、かなり冷たい。しかし、こちらもすぐに肌になじむ。
ナカタは「水は、まさに命の源であり、健康の源でもあるのです。」という壁に貼られたフレーズを読んで、「お母さんの中」と表現していた。それもよくわかる。水分が欲しければ、滝から直接ガブガブ飲んじゃう。最高だ。
サウナと水風呂を繰り返し、休憩。滝の音に包まれているうちに、ととのう。ああ、今からでも行きたい。
蛇足だが、「しきじ」のサウナ室にはけっこう大きなテレビがある。
「しきじ」はタオルも地下水で洗う
しっかり、ととのった後は、階上の休憩室へ。ここには食堂があって、さまざまな定食やツマミが食べられる。腹を満たし、リクライニングシートに体を沈めると、また溶けていくような感じが味わえる。昼頃に「しきじ」に行くと、ちょうど夕方にさしかかっていて、窓の外に見える静岡の夕日もまた良かったり。
ドラマにはサウナの聖地を司る女神として、「しきじ」令嬢の笹野美紀恵さんが登場。笹野さんのインタビューによると、「しきじ」のガウンやタオルは水風呂と同じ地下水で洗って、ビニールパックしているのだそう。これは笹野さんの父上のこだわりなのだとか。タオルも施設も清潔この上ないので、誰でも安心して入ることができるのも「しきじ」のいいところだ。
「サ道」を観ているだけで、「しきじ」に行ったようなリラックスが味わえる(TVerで3回ぐらい観た)し、また「しきじ」に行きたくなる。さすが、サウナ好きたちが集まって作ったドラマだけある。
本日登場するのは、名古屋の「ウェルビー栄」。あっ、ここも行ったことがある……。7話は今夜0時52分から。
(大山くまお)
ドラマ25「サ道」
原作:タナカカツキ「マンガ サ道~マンガで読むサウナ道~」
監督:長島翔
脚本:根本ノンジ、竹村武司、永井ふわふわ
音楽:とくさしけんご
出演:原田泰造、三宅弘城、磯村勇斗、荒井敦史、宅麻伸
主題歌:Cornelius「サウナ好きすぎ」
エンディングテーマ:Tempalay「そなちね」
プロデューサー:五箇公貴 ほか
制作:テレビ東京、イースト・エンタテインメント
※放送後にTVerで配信中