仲野太賀、“同志” 菅田将暉と“脅威の新人” YOSHIと3人だからこそできた映画『タロウのバカ』

仲野太賀、“同志” 菅田将暉と“脅威の新人” YOSHIと3人だからこそできた映画『タロウのバカ』

脅威の新人・YOSHIと菅田将暉、仲野太賀の親友同士が共演することでも話題の映画『タロウのバカ』が、9月6日(金)より全国公開される。

今作は『まほろ駅前』シリーズ(11年、14年)や『セトウツミ』(16年)、昨年は『日々是好日』を大ヒットさせた大森立嗣監督が、デビュー作として構想していたオリジナル作品をベースに製作。戸籍もなく、学校にも通ったことのない少年・タロウ(YOSHI)と、高校生のエージ(菅田将暉)、スギオ(仲野太賀)の3人の日々を描く――ただそれは青春映画というような表現の中に入りきるものではなく、少年たちが個の中に抱える想いから、広く現代社会に対する呼びかけ、ひいては人間とは? 生とは? 死とは?と、観るもの心に深く踏み込む、まさに十人十色、百人百様の想いが生まれる作品だ。

仲野太賀、“同志” 菅田将暉と“脅威の新人” YOSHIと3人だからこそできた映画『タロウのバカ』
(C)2019「タロウのバカ」製作委員会

エキサイトニュースでは、3人の中でもいわゆる“常識”を一番持っていて、表軸がタロウなら、裏軸ともなるスギオを演じた仲野太賀にインタビュー。“脅威の新人”と評されるYOSHIの人柄や、親友・菅田将暉への想いなども交えつつ、本作について語ってもらった。

取材・文/瀧本幸恵 撮影/山口真由子

10代のときに刺激を受けた大森立嗣監督のオリジナル作品


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――今作のオファーを受けたとき、何に惹かれましたか?

仲野太賀(以下、仲野):学生時代に大森(立嗣)監督の(映画)『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』(09年公開)が公開されてて、それがすごくカッコよかったんです。当時、僕はまだ10代で、あの作品の意図とかまでは拾いきれないまでも、しびれて。なので、大森監督とはいつかご一緒してみたい、って思っていたので、そこは大きかったです。あとは僕にこのお話が来た時点で、すでに(菅田)将暉がキャスティングされていて。彼とは友人として交流もあるけど、長いこと共演はしてなかったので、久しぶりに一緒にできるっていうのも嬉しかったです。

それで、脚本を読んでみたらすごく荒々しいというか。10年以上前に大森監督が書いたオリジナルの作品なんですけど、今のキャリアを積んだ監督になる前の、いろんな情熱が伝わってきて。そこにすごく興味が沸きました。大森監督の作品はカッコつけてることが、ちゃんとカッコよくて。今の日本映画にはそういう作品は多くはないので、この世界に入ってみたい、って思いました。

――スギオというキャラクターについてはどうとらえていましたか?

仲野:(ポスター、チラシなどに)“すきってなに? しぬってなに?”って書いてありますけど、タロウって自分の感情が言語化できないし、意味がわからない。だから世間的にダメなことも自分が思うがままにやってしまうし、とにかくはみ出してる。で、エージは自分の中に抱えてるものはあるんだけど、衝動に突き動かされる人で。二人はそういう部分を共有してるんです。けど、スギオは違っていて。

実は俺、この3人は片想いのような気がしてるんです。スギオはエージの背中ばっかり見てて、エージはタロウの背中を見てて、ぶっちぎってるタロウがいて。そのタロウにエージが影響されて、エージにスギオは影響されていって。ただそんな中でスギオって一番理性も常識もあるから、観ているお客さんとは近い存在だとは思ったんです。だからあくまで普通の高校生の感覚は忘れないように、っていうのは意識してました。スギオに共感させられればこの映画は成立するとも思ったし。

仲野太賀、“同志” 菅田将暉と“脅威の新人” YOSHIと3人だからこそできた映画『タロウのバカ』

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――そんなスギオを演じる上で、監督からはどんなことを言われていましたか?

仲野:監督からは常々何も考えなくていい、って言われてました。もっと感覚的にやってほしいって。それはこの3人の青春だったり、躍動や衝動を表現するうえでのことだと思うんですけど。ただ僕、普段のお芝居の組み立て方が理屈っぽいんですよ(苦笑)。だからそのアプローチはすごく新鮮でした。

――普段と違うことをやるのは難しそうですね。

仲野:難しいというか、すり寄せながらやっていたような気がします。僕の中で、自分が考えたスギオになるためには、感覚的になることにブレーキを踏むんですけど、そこはスギオがタロウとエージに対して踏むブレーキと親和性があったような気がしますね。

YOSHIがいるだけでホントに空気が変わる


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(C)2019「タロウのバカ」製作委員会

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(C)2019「タロウのバカ」製作委員会

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(C)2019「タロウのバカ」製作委員会

――現場はどんな雰囲気でしたか?

仲野:撮影中は将暉とYOSHIと3人で過ごすことが多かったですね。僕と将暉は普段から交流があるんですけど、そこにYOSHIっていう存在が加わると一気に空気が変わって。とにかく彼が稀にみる人なんです(笑)。だから、今、振り返ってみると、YOSHIっていう存在が大きい。

――YOSHIさんってどんな方なんですか? 今作で演技に初挑戦ということもあって、現状はイコール“タロウ”っていうイメージになってしまっているんですが……。

仲野:タロウと近いものはあると思いますよ。YOSHI自身、レールからはみ出していろんなことにぶち当たりながら、その場の感覚で生きてる人だなって思うので。それで、そういう人だからこその孤独感みたいなのも持ってる。彼自身がそれを自覚してるかはわからないけど、切なさがあって、そこもタロウと通じるんじゃないかな。今、16歳なんですけど、ホント、10年後どんな風になってるか想像もつかない。こんな16歳に会ったことがない(笑)。でも僕なんかには想像もつかないような存在になってくれたらいいなって思います。

仲野太賀、“同志” 菅田将暉と“脅威の新人” YOSHIと3人だからこそできた映画『タロウのバカ』

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――それは人として、役者として?

仲野:人として、です。とにかく自由だし、でもめちゃくちゃ愛されて。抜群の存在感だと思います。その場にYOSHIがいるだけでホントに空気が変わるから。まあ、YOSHIがいなかったらすごく順調に撮影が進むんですけど(笑)。とにかく叫んでるんで。

――演技ではなくて?

仲野:うん(笑)。とにかくYOSHIが動き回ってるっていう現場です。見たことのない生き物が!みたいな。それをみんなが楽しんでました。

――初めての演技の現場ってことで、やはりセオリーにとらわれないようなところもあるんですかね(笑)。

仲野:何だろう……その俳優として守らなきゃいけないラインとかって、たいして重要じゃないような気もするんですけどね。ただ僕や将暉はそれを守ろうとして、そこにとらわれないYOSHIがいて。なんかこれもありなのか?って思わせられちゃう、納得させられちゃうくらいの存在感があるんですよ、YOSHIには。

菅田将暉は“同志”


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――先ほど、菅田さんとの共演も楽しみだったとおっしゃっていましたが、太賀さんは“俳優・菅田将暉”をどう見ているんですか?

仲野:めちゃくちゃ馬力があるな、と。一気にトップギアにいけるし、いったらどこまでもいっちゃうくらいの勢いがある。それはすさまじいものがありますね。たぶん、今、日本で一番忙しい俳優で、一番人気のある俳優だと思うんですけど、そういう人間が持ってるものってすごく強い。確固たるものがある人間の凄みのようなものも感じたし、その余裕も感じました。菅田将暉と出会って10年近くが経ちますけど、今、この勢いがあるタイミングの彼と対峙できたっていうのは、僕にとっても意味のあることだったなって思ってます。

――太賀さんは俳優の菅田さんはもちろん、友人としても、共同制作者としても接しているわけですが、太賀さんにとって菅田さんってどんな存在なんですか?

仲野:僕からは“同志”っていうのが強いですね。一緒にいろんなことを提案しながら、それを公のものとして成立させられる。自分たちだけで楽しむっていうのは誰でもできることだけど、そこに人を巻き込んで、誰かを楽しませるところまでできる。言い方が合ってるかわからないですけど、そういう“遊び”ができる同志だと思ってます。

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(C)2019「タロウのバカ」製作委員会

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(C)2019「タロウのバカ」製作委員会

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(C)2019「タロウのバカ」製作委員会

――そんな3人で演じたシーンの中で、特に太賀さんの印象に残っているところはありますか?

仲野:もういっぱいありますよ。うーん、でもどこか言った方がいいですよね(笑)。

――はい(笑)。

仲野:建築途中の家に僕らが侵入するシーンが何回かあるんですけど、そこの一つで、僕がテンションが上がってセリフを飛ばしちゃったことがあって。そのセリフきっかけでエージがバットでスギオを殴るっていうタイミングだったんですけど、「あれ? なんだっけ?」ってなっちゃって。そしたら、将暉がセリフを待たずに殴ってきてくれて、ことなきを得ました(笑)。あとで聞いたら、将暉も「こいつ、セリフ忘れたな」ってすぐにわかったみたいで。

――素晴らしいチームワークですね(笑)。

仲野:撮影が始まったばっかりの頃はYOSHIも芝居に対して迷うところもあったんだけど、吸収が速いから、どんどん自由になっていくんですよ。それに合わせて3人での空気感っていうのも出来上がっていって。だからそのシーンも三者三様の反応をするシーンだったんですけど、それぞれに思うように芝居ができていて。そこでの出来事だったから。撮影期間中は将暉の家だったり、YOSHIが泊ってる部屋によく3人で集まってたから、3人だけっていう時間も結構あって、その延長線上で芝居をやれてたところもありましたね。

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――最後に、太賀さん自身が完成をしたものを見て感じたことを教えてもらえますか?

仲野:まずスギオに関しては、ブレーキを踏めていた人間が、そのブレーキがぶっ壊れたときにどうなるのか、っていう。普通の人間だからこそ、タガが外れたときの危うさみたいなものがありますよね。で、エージは踏もうと思えばブレーキを踏めるんだけど、敢えてアクセルを踏む人間で、そこに何もわかってないタロウがいて。その3人の結末が……。とにかく、最後のシーンに唯一の希望があるなって思いました。“生”そのものだって。そういう意味で、それを体現できたYOSHIはすごく頑張ったな、って思うし、彼にしかできない役だったな、って思うし、この『タロウのバカ』は彼の映画だと思います。

仲野太賀さんの直筆サイン入りチェキをプレゼント!


映画『タロウのバカ』の公開を記念して、仲野太賀さんの直筆サイン入りチェキを1名様にプレゼントいたします。

応募方法は下記の通り。
(1)エキサイトニュース(@ExciteJapan)の公式ツイッターをフォロー
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応募受付期間:2019年9月5日(木)~9月19日(木)23:59まで

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作品情報


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(C)2019「タロウのバカ」製作委員会

映画『タロウのバカ』
9月6日(金)全国ロードショー
出演:YOSHI、菅田将暉、仲野太賀、奥野瑛太、豊田エリー、植田紗々、國村隼
監督・脚本・編集:大森立嗣
(C)2019映画「タロウのバカ」製作委員会
公式サイト:http://www.taro-baka.jp/

ストーリー


思春期のまっただ中を生きる少年タロウ(YOSHI)には名前がない。彼は「名前がない奴はタロウだ」という理由でそう呼ばれているだけで、戸籍すらなく、一度も学校に通ったことがない。そんな“何者でもない”存在であるタロウには、エージ(菅田将暉)、スギオ(仲野太賀)という高校生の仲間がいる。大きな川が流れ、頭上を高速道路が走り、空虚なほどだだっ広い空き地や河川敷がある町を、3人はあてどなく走り回り、その奔放な日々に自由を感じている。しかし、偶然にも一丁の拳銃を手に入れたことをきっかけに、それまで目を背けていた過酷な現実に向き合うことを余儀なくされた彼らは、得体の知れない死の影に取り憑かれていく。やがてエージとスギオが身も心もボロボロに疲弊していくなか、誰にも愛されたことがなく、“好き”という言葉の意味さえ知らなかったタロウの内に未知なる感情が芽生え始める……。

プロフィール


仲野太賀(ナカノタイガ)
1993年2月7日生まれ、東京都出身。2006年ドラマ『新宿の母物語』(フジテレビ)にて俳優デビュー。以降、数々のドラマ、映画、舞台などに出演。2016年にはドラマ『ゆとりですがなにか』(日本テレビ)での個性的な演技が話題となる。2018年は社会現象ともなったドラマ『今日から俺は!!』に出演し、さらに知名度を上げる。2019年は『タロウのバカ』を含む5本の映画が公開され、大河ドラマ『いだてん』(NHK)にも出演。2020年には映画『静かな雨』『僕の好きな女の子』などの公開が控える。また『菅田将暉アニバーサリーブック』ではカメラマンを務めるなど、多彩な才能にも注目が集まる。

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