ドラマイズム「左ききのエレン」(TBS毎週火曜日深夜1時28分 MBS毎週日曜日深夜0時50分)、今夜第9話「ヤツらの邪魔をするな」。原作は、マンガ『左ききのエレン』

クイズ「左ききのエレン」会社員4種類、替えが利かない有能、利く有能、替えが利かない無能、利く無能8話

一番会社に必要な人材はどれや


第8話「才能がなかったんだ」。
鬼のトップクリエイター・柳一(丸山智己)のもとで働く朝倉光一(神尾楓珠)。
「なんか勘違いしとるようやな」と柳先輩が立ち上がり、
「サラリーマンには4種類いる」説を披露しはじめる。

以下の4種類だ。

【一】替えが利かない有能
会社のスター 変人が多い
独自のノウハウやコネクションを持っている。

【二】替えが利く有能
これは主戦力。
マネしやすいし、使いやすい。


【三】替えが利かない無能
今すぐ転職すべき
ユニーク ナニカアルケド……

【四】替えが利く無能
若いうちはだいたいこれ
武器なし
石の上にも三年
がんばれ

柳先輩は問う。
「このなかで一番会社に必要な人材はどれや」
光一は答える。
「いち」
「にいや」
柳の説によると、「替えの利かない有能」は、転職や独立で逃げる。
いついなくなるかわからない「替えの利かない」ものに頼っていては会社は続かない。
だから、「替えが利く有能」こそが会社を支える。
しかも、「替えが利く有能」は、大多数である「替えが利く無能」の上位互換。

「替えが利く有能」がいることによって、部下を引き上げることが可能になる。
替えが利くからこその会社組織だ。

才能の残酷


柳の説は、神谷先輩の否定でもある。
神谷先輩は「替えが利かない有能」だった。
だから、その元で働いていても「才能のない」光一は、神谷先輩のようにはなれなかった。
いくつかの実績も、「神谷のもとで働いていていたから」と評価から外されてしまう。
神谷先輩が独立して、柳のもとで働くようになって、光一はようやく伸びる。


つまり、柳先輩は、自分自身をスターだと思っていない。
柳先輩自身が「替えが利く有能」であり、「替えが利く無能」の光一を「替えが利く有能」に引き上げたのだ。

だが、光一は「替えの利かない有能」を目指している。
前話で、神谷先輩に勝負を挑んだ。
柳から見れば、それは思い上がりだ。
「才能がなかったんや」と、光一の頭を押さえつけた。


才能の残酷。
「左ききのエレン」というタイトルであるにかかわらず、エレンの出番がどんどん減っている。
が、才能という呪いの象徴として、エレンが重くのしかかっている。

「おれはまだイチローになりたいんだ」
とつぶやく光一は、自分に才能がないことに気づきつつも、エレンがいるであろう領域に到達したいと望む。

「あかりや、エレン、神谷さんと同じ景色が見たかった」
もういい。終わりにしよう。

光一は、園宮製薬の化粧品事業のたてなおしを手伝う案件を、最後にしようと決める。

担当の宣伝部長は、社長の娘。
同席する社長の圧にまけて、何も言えなくなっている社長の娘と対話することで、うまく彼女の声を引き出し、光一は、リブランディングの方向性と、新しい名前を決定する。
社長の娘が言う。
「朝倉さんみたいな才能がある方とご一緒できてうれしいです」

横浜にもどったエレン


そして、もうひとり。才能を持つ人間、モデルのあかり。

彼女が乗り込んでいく先は、CMの新しいモデルを決めるオーディション会場だ。
実質、光一が、あかりを降ろすことを決定したCMだ。
次回は、あかりと、光一の対決になるのか。
横浜にもどったエレンも、光一と再会するのか。

才能のある者たちが見ることのできる地平を求め続けた「才能のない」男を、一貫して描いてきたドラマ「左ききのエレン」、最終話まで、あと2話。
光一は、「替えの利かない才能」たちと、どう対峙するのか。
テキスト:米光一成

【DATA】
原作 かっぴー/nifuni『左ききのエレン』(集英社「少年ジャンプ+」連載中) かっぴー『左ききのエレン』(cakes連載)
監督 後藤庸介 深迫康之 本間利幸
脚本 根本ノンジ 守口悠介 本田隆朗
制作 共同テレビジョン
製作 ドラマ「左ききのエレン」製作委員会・MBS

朝倉光一…神尾楓珠
山岸エレン…池田エライザ

神谷雄介…石崎ひゅーい
加藤さゆり…中村ゆりか
三橋由利奈…今泉佑唯
流川俊…吉村界人
朱音優子…田中真琴
園宮千晶…久保田紗友

岸あかり…八木アリサ
佐久間威風…板橋駿谷

柳 一…丸山智己
沢村考…村杉蝉之介
冬月慎太郎…阪田マサノブ

海堂…般若
古谷真治…堀部圭亮