ゲストは吉沢悠。第9話サブタイトルは「増上慢苦」。
教祖誕生、教祖誕生
定年退職した夫の様子がおかしいので調べて欲しい。
相談を受け、コタキ兄弟が向かったのは依頼人の夫が通っているというレンタルおじさまの星・ボブ(吉沢悠)の怪しげなセミナー。参加者のおじさま達は全員ボブに夢中という異様な光景だ。

年収650万と謳いながらその大半はセミナー費で荒稼ぎした金額だろう。
コタキ兄弟は依頼者と依頼者の夫に「あれはまやかしです」と伝える。100円クオリティのタオルを大切に握りしめていた依頼者の夫も洗脳から解かれ、「他の人にも説明してもらえないでしょうか」。
コタキ兄弟はボブの魔の手からおじさんたちを救うべく、喫茶シャバダバで「レンタルおやじセミナー」を始める。
最初は4人だった参加者も回を重ねるごとに増えていった。短時間で稼げるセミナーに調子付く兄弟とさっちゃん(芳根京子)。規模やセンスは違えどやっていることはボブと変わらない(Creepy Nuts『教祖誕生』を連想した)。

コタキ兄弟のセミナーは突如終わりを迎える。
「レンタルおやじの名前を使って勝手にセミナーを開き荒稼ぎするとはどういうことですか」
「今回は警告で。次は登録解除ですから」
普段怒ってない人のブチ切れ、めちゃくちゃ怖いですぅ……。
ちなみにサブタイトル「増上慢苦」の意味は「思い上がってしくじる苦しみ」
さっちゃんが妹?
一件落着後、さっちゃんから「私は好きですよ、兄弟オヤジ」と言われてニヤつく一路。
それを見て「正直キモイ。いい年した男が本気で入れ込むなよ」と二路がため息をつく。うん、確かにキモイ。
しかし一路が二路に告げたのはまさかまさかの新事実だった。
「さっちゃんはクズおやじの娘で、俺たちの生き別れの妹だ」
え、えー?
じゃあ自分の家の事をさっちゃんの前で話そうとしなかったのも、第1話の冒頭で数秒会話したのを日記に書いていたのも、第5話で全財産をレジに入れたのも、第8話でさっちゃんの同棲にショックを受けていたのも「妹」だったからなのか。

(イラストと文/まつもとりえこ)
ドラマ24『コタキ兄弟と四苦八苦』
テレビ東京 毎週金曜 深夜0:12~
配信:Tver・Paravi・ひかりTV・GYAO
出演:古舘寛治 滝藤賢一 芳根京子 宮藤官九郎 ほか
脚本:野木亜紀子(『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』『獣になれない私たち』ほか)
監督:山下敦弘(映画『ハード・コア』『リンダリンダリンダ』ほか)
オープニングテーマ:Creepy Nuts『オトナ』(ソニー・ミュージックレーベルズ)
エンディングテーマ:スターダスト☆レビュー『ちょうどいい幸せ』(日本コロムビア)
チーフプロデューサー:阿部真士(テレビ東京)
プロデューサー:濱谷晃一(テレビ東京) 根岸洋之(マッチポイント)平林勉(AOI Pro.) 伊藤太一(AOI Pro.)
製作:テレビ東京 AOI Pro.
制作著作:「コタキ兄弟と四苦八苦」製作委員会