
新型コロナウイルスの感染拡大を懸念し、音楽ライブやフェスの中止・延期が相次いでいる。毎年夏に開催される国内の大型フェスのROCK IN JAPAN FESTIVALやRISING SUN ROCK FESTIVALは開催中止、FUJI ROCK FESTIVALは2021年に延期することを発表した。
夏の風物詩のひとつとも言われる夏フェスが続々と中止になっているなか、しりひとみさんのnote『「 #うちで踊ろう 」に全力を尽くすため、自宅でロックフェスを開催しました』が話題を呼んでいる。
しりひとみさんは夏フェスが開催されない悲しみにくれていた際、星野源の「うちで踊ろう」の動画が話題になっていることを知ったそう。
『うちで踊ろう』と題されたこの曲は、「今はみんな別々の場所にいるけれど、離れていても音楽を通してつながりを感じられるよね。家の中で過ごすことでいつか生きて会おう」というメッセージがこもったピースフルな楽曲。この楽曲に感銘を受けた様々なアーティスト・著名人がコラボ動画を投稿し、ちょっとしたムーブメントを巻き起こしたことも記憶に新しい。
その動画をみた後、しりさんは「私も、うちで踊りたい。全力でうちで踊るにはどうしたらいいのか……」と考え、至った結論は「家でフェスを開催しよう!」だったという。
『ZITAKU ROCK FESTIVAL 2020』を開催してみた
しりさんが開催する自宅フェス、題して『ZITAKU ROCK FESTIVAL 2020』はまず開催概要から決められた。
■開催要項
『ZITAKU ROCK FESTIVAL2020』
【日時】 2020年4月某日
【場所】 自宅(リビングステージ、キッチンステージ、オフロブース)
【時間】 気が向いたタイミング
【主催】 私
【参加】1名(私)
ZITAKU ROCK FESTIVALではライブの開催エリアが3カ所(リビングステージ、キッチンステージ、オフロブース)に分かれており、それぞれの場所でさまざまなアーティストが入れ替わりで登場する形式となっている。音楽フェスの様式をきちんと取り入れている。

しりさん曰く、自宅フェスには以下の8つのポイントがあるという。
1)タイムテーブルが自由に組めること
2)人だかりを再現するとかなりテンションがあがる
3)「NEXT ARTIST is……」を流すと高揚感がすごい
4)プラカップで昼からビールを飲むと完全にフェス
5)アーティストの動画は「公式」から配信されているものをみよう
6)自分の前にだけ背の高い人が立つ現象をわざわざ再現
7)タイムテーブルが気持ち次第で変わる
8)お風呂で音楽を流すとサラウンドがすごいことになる
タイムテーブルは以下の通り。

このように、タイムテーブルが自由に組めることは自宅フェスの醍醐味と言える。
まずは東京スカパラダイスオーケストラを見るために『リビングステージ』へ。そこにはステージ前には人だかりを再現した工夫もされていた。

こちらは「ひとだかり」で検索して出てきたフリー素材を印刷し、ペットボトルに貼り付けたものを、パソコンの前に設置したものだという。随分本格的だ。

夏フェスといえば、ビール。昼からビールを飲む際はプラカップにすることがポイントだという。

そして、ライブ映像を見る際は「公式」が配信している動画を選ぶと、アーティスト本人の収益に繋がるため、アーティスト公式Youtubeアカウント、もしくは音楽ストリーミングサービスで配信されている動画を見よう。


「私の前にだけなぜか背が高い人が立っちゃう現象」、ライブフェスあるあるも細かなところまで再現している。

キッチンステージから聴こえてくるあいみょんの歌声に耳を傾けながら、フェス飯として台湾まぜそば(冷凍)とフランクフルト(コンビニのやつ)を食したという。
リビングステージのDA PUMPを見終わったところで、まだ足を踏み入れていない「オフロブースへ」。

オフロブース、反響してこの場で本人が歌っているみたいに聴こえたという。
トリとなる星野源のステージをリビングステージで堪能したしりさん。「音楽を尊ぶ気持ち」がいきなり溢れ、号泣しながら酒を5杯飲み、一人きりのZITAKU ROCK FESTIVALは静かに幕を下ろしたという。
最後に、自宅フェスを終えてわかったことを教えてくれた。

まだフェスを再開できる目処は立っていないが、オンライン配信へシフトしている公演も増えている。しりさんのようなちょっとした工夫で自宅で音楽を楽しみたい。
▼しりひとみさんnote
『「 #うちで踊ろう 」に全力を尽くすため、自宅でロックフェスを開催しました』全編
https://note.com/sirisiri/n/n5ecb5efabb05
▼LINE MUSIC note
https://note.linemusic.jp/