にじさんじ樋口楓が2度目のソロVRライブ ファンメイド曲を含む全13曲をVR空間のステージから熱唱
9月5日に開催された『Kaede Higuchi VR LIVE "Gekka-Bijin"』。昨年6月の樋口楓初めてのVRライブ『Kaede Higuchi VR Live "ReStart Line"』からスケールアップ。ステージは広くなり、楽曲数も2倍以上に
音楽シーンへの進出と活動がますます盛んになっているVTuber界。にじさんじ所属のバーチャルライバー、“でろーん”こと樋口楓も、その流れを先導してきた存在の一人だ。


デビュー間もない時期から、ファンが自主的に作ったファンメイド曲を数多く歌い、2019年1月にはZepp Osaka Baysideで初めてのソロライブを大成功。今年1月には、Lantisレーベルからメジャーデビューも果たしている。

そして、9月5日には、約1年3か月ぶり2度目のソロVRライブ『Kaede Higuchi VR LIVE"Gekka-Bijin"』を、VRライブプラットフォーム「VARK」で開催。ゲストの竜胆尊(にじさんじ)とともに、久しぶりのライブで熱い歌声を響かせた。

本ライブでは、VR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着して演者と同じVR空間でライブを観るか、オンラインライブならではのカメラワークも魅力のニコニコ生放送で観るか、という2つの視聴方法を選べたが、今回はニコニコ生放送での視聴体験をレポートしていく。

開幕から4曲連続でファンメイド曲を披露

開演時間になりカウントダウンが終わると、ステージにはアーティスト衣装を着たでろーんの姿が。1曲目は、ファンメイド曲の「ゲッカビジン」
勢いのある和ロックで開幕からいきなり盛り上げていく。

また、突然、ステージと客席の周囲が夕陽に照らされるビル群に変わり、さらに夜景へと変化。その様子をガチ恋距離から遠景まで自由自在に動き回る大胆なカメラワークで捉えていくというオンラインライブならではの映像面の魅力も1曲目から存分に発揮されていた。

にじさんじ樋口楓が2度目のソロVRライブ ファンメイド曲を含む全13曲をVR空間のステージから熱唱
ライブタイトルとの類似からセットリスト入りは予想できた「ゲッカビジン」だが、意表を付いて1曲目で披露。様々に変化するライブ空間の中、でろーんらしいパワフルな歌声を響かせた


2曲目に「フィクションなんて言わせない」を歌った後のMCでは、今日はライブで歌ったことのないファンメイド曲もたくさん歌っていくと予告。MC明けに披露した「月夜ノ空」「曇り空のフィルム」も含めて、最初の4曲はすべてファンメイドの曲だった。

2度目のMCパートでは、同じにじさんじ所属の竜胆が登場。
自身もVR空間のステージに立つのは初めてということで、VR空間で観るライブならではの魅力を語り、VR HMDで視聴しているファンに、SNSで感想を広めてほしいとアピール。でろーんも「一度体験したら抜け出せない」と、ニコニコでの視聴とはまた異なる、VR視聴ならではの魅力を語った。

ライブ中盤では、樋口楓&竜胆尊のデュエットも実現!

10月11日に、にじさんじの仲良しトリオ「cresc. (クレッシェンド)」シスター・クレア緑仙ドーラ)によるVRライブがVARKで開催されることを発表した後は、竜胆のソロステージ。

イラストモノマネも得意で、配信機材などについても博識と多才過ぎる鬼の女王は歌唱力にも定評あり。ボカロ曲「いろは唄」「上弦の月」で澄んだ美声を響かせていく。特に「上弦の月」では、歌声だけでなく手足などの一挙一動からも艶のある色気を放ち、ライブ空間は、アグレッシブで力強い動きのでろーんのパートとはまったく異なる空気に染まっていた。

にじさんじ樋口楓が2度目のソロVRライブ ファンメイド曲を含む全13曲をVR空間のステージから熱唱
小柄で幼いルックスながら、実は数千年の時を生きる鬼の女王、竜胆尊。MCでは動きも話し方も非常に可愛らしかったが、歌い始めると歌声にも動きにも艶があり、アダルトな魅力も振りまいた

しかし、でろーんが再登場してのデュエットパートでは、「いよーーーっ ぽん!」という合いの手や、四文字熟語も多用した早口言葉のような歌詞が楽しい「回レ!雪月花」(アニメ『機巧少女は傷つかない』ED)をカバー。
サビの「回れ! 回れ!」では、歌詞に合わせて二人揃って可愛く連続ターン。リアルライブであればタオルを回したくなるようなパフォーマンスで、ライブの空気を一変させた。

二人でのMCを挟んで、再びでろーんのソロパートがスタート。1stシングルに収録された影山ヒロノブ作曲のバラード「For you」をしっとりと歌い上げた後は、ファンメイド曲を2連続で披露。ファンクな「Red Star」は、自宅で一人で観ていても思わずコールしたくなるほどに熱く、「夕暮れリフレイン」は爽やかで疾走感もあり青春オーラ全開。ライブのクライマックスに向けて、テンションもさらに高まった。


最終ブロックはアニソンカバーとデビュー曲を披露

最後のMCでは、このブロックで歌った3曲についてのエピソードや思いを語った後、メジャー1stアルバム『AIM』12月16日に発売されることを発表。
「ラストスパートかけていきましょう!」と叫ぶと、Lantisの先輩でもある人気アーティストZAQのデビュー曲「Sparkling Daydream」(『中二病でも恋がしたい! 』OP)を熱唱した。聴き慣れたイントロが流れた瞬間、ラストスパートの1曲目がカバー曲ということに少し驚いたが、パワフルでポジティブなでろーんの歌声と、鉄板で盛り上がる名曲の相性の良さにすぐ気づかされた。

その余韻も残る中、1stシングル収録曲「Sugar Shack」と表題曲「MARBLE」を立て続けに披露。聴かずには終われない代表曲の2連発で、最後の最後までファンの期待に応えまくった2度目のVRライブを締めくくった。

にじさんじ樋口楓が2度目のソロVRライブ ファンメイド曲を含む全13曲をVR空間のステージから熱唱
ライブの最後、様々な色に輝くステージでメジャーデビュー曲「MARBLE」を熱唱するでろーん。ちなみに、ステージに並んでいる個性的なルックスの犬は、でろーんの描いたマスコット(?)の「カワイーヌ」

「ライブで歌ったことのないファンメイド曲をもっと歌いたい」という、でろーんの願いが実現したこのライブ。すべてのファンメイド曲が“樋口楓”という一人のバーチャルライバーを題材に作られたものでありながら、非常にバリエーション豊富な楽曲が並ぶライブとなったことに、でろーんの多面的な魅力を実感。
そして、そんな曲のすべてを歌いこなす表現力にも改めて驚かされた。

このライブでは全13曲中、約半数の6曲がファンメイド曲だったが、ライブ未披露のファンメイド曲はまだまだ存在。VRライブでもリアルライブでも形式は問わず、でろーんの次のライブの早期開催を楽しみに待ちたい。
(丸本大輔)

ライブ情報

『Kaede Higuchi VR LIVE "Gekka-Bijin"』
配信URL
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv327725809

・ネットチケットは2020年9月18日(金)23時59分まで販売(価格:4500ニコニコポイント/税込4500円)
・タイムシフト視聴期間は、2020年9月19日(土)23時59分まで(視聴回数の制限なし)

※冒頭の5曲目までは無料で視聴可能