BLACKPINK キャラクター分析<ロゼ>
BLACKPINKが10月2日にリリースしたアルバム『THE ALBUM』は、米ビルボードのアルバム・チャート「Billboard 200」で初登場2位(2020/10/17付)という韓国のガールズグループ最高位の成績を収めた。さらにその収録全8曲が、グローバル・チャート「Global 200」と、米国を除外した地域のデータで構成される「Global Excl. U.S.」にチャート・イン。
10月17日時点での楽曲の最高位はタイトル曲「Lovesick Girls」の「Global Excl. U.S.」首位。
続くのは「Ice Cream (with Selena Gomez)」の「Global Excl. U.S.」11位、「Global 200」17位、「How You Like That」の「Global Excl. U.S.」14位、「Global 200」24位が上位圏に入っている。
BLACKPINKは、ジス、ジェニー、ロゼ、リサによる4人組。BIGBANGを擁するYG ENTERTAINMENTが2NE1以来7年ぶりにデビューさせたガールズグループで、2016年8月にシングル「SQUARE ONE」でデビューすると、デビュー14日にして早くも音楽番組で1位を獲得。これは、ガールズグループ史上最速記録を達成。
2019年から本格的に世界進出を始め、この新作アルバムにして彼女たちの記念すべき1stアルバム『THE ALBUM』で世界的成功を手にした。
グローバルなバックボーンを持つメンバーたちを紐解く連載3回目は、ボーカルのロゼを紹介する。
クールな見た目に反した穏やかな性格
ロゼ(ROSE)はニュージーランド生まれ、オーストラリア育ち。子どものころからピアノとギターを弾いていた音楽好きの少女に、父はオーディションへの参加を勧めた。そして2012年にオーストラリアで初めて行われたYG ENTERTAINMENTのオーディションでギターの弾き語りを披露したロゼは700倍の倍率を勝ち抜いて合格者となり、ギターを抱えて韓国に渡った。また、タイから韓国にやってきたリサは、「同じ年だし、ともに外国から来ているし、趣味もあったので、お互いに支えあって過ごしていた。まるで双子のようだった」と当時のことを回想していたが、休日はリサと過ごすことが多かったという。
練習生になって早々に、ロゼはG-DRAGONの「WITHOUT YOU」にボーカリストとして参加したが、ロゼという名前は出されずに<feat. ? OF YG NEW GIRL GROUP>というクレジットになっていた。
YG ENTERTAINMENTが2013年にはすでに2NE1に続くガールズグループを構想して練習生を集めていたのは確かだが、ロゼによると「BLACKPINKも最初は9人組か、それ以上の人数のグループになるはずだった」という。
当時の練習生生活は、「1日に14時間練習して、13日練習室に通って1日休みになるというスケジュール」だったそうだが、その中で最後に選ばれた精鋭がこの4人ということになる。
ボーカリストとしてのロゼは、息が交じったセクシーな声が特徴で、音域も広い。ロゼ自身は「歌うとストレスから解放される」というくらい歌うことが好きで、仕事が終わったあとにスタジオや練習室で朝まで歌やギターの練習をしたり、曲作りをするほど音楽に対しての情熱を持っている。
また、「好きを仕事にできたのは、幸運に恵まれた人だけ。いつか曲作りもしたいと思っていた。ただ歌うだけの歌手になりたくない」と音楽に対する愛情と覚悟を語っている。
英語のネイティブスピーカーというところも、アメリカ育ちのテディの作る楽曲を歌うのにも適しているのかもしれない。また、その英語力で英語圏でのライブや番組出演時にはロゼがメインMCを担当。その反面、実は穏やかで天然、のんびりした性格だそうで、見た目のクールさとのギャップがまたいいのだ。
高まるソロデビューへの期待
ロゼは今年5月17日の明け方にインスタライブで、約30分のスタジオライブをサプライズで公開。ロゼのピアノとギタリストというシンプルな編成で、「The Only Exception」(パラモア)、「Read My Mind」(ザ・キラーズ)、「少女」(イ・ムンセ)、「Fix You」(コールドプレイ)などを歌い、韓国語と英語でファンとコミュニケーションを取りながらライブを進行。BLACKPINKからは、2018年11月にジェニーがソロ曲「SOLO」を発表しているが、6月にはYG ENTERTAINMENTから「1年以上かけてロゼがソロのための作業をしています。シングルではなく、アルバムを準備中。発売はグループのアルバム発売以降を予定しています。また、リサのソロ曲もすでに完成。ジスのソロ曲も準備中」というアナウンスがあった。
このアルバムの活動以降は、続々とメンバー各人のソロプロジェクトが進められるようだ。その中でも、音楽に造詣が深いロゼは、BLACKPINKの楽曲とはまた音楽スタイルの異なる、セルフプロデュースの楽曲を発表してくれるのではないだろうか。英語ネイティブというバックボーンと、彼女の中にある音楽愛が、これからロゼをどのようなアーティストに育ててくれるかに注目したい。
(坂本ゆかり)
BLACKPINK
2016年8月8日、韓国でデビュー。2017年8月に発売した日本デビューミニアルバム『BLACKPINK』はオリコンアルバムランキングで1位を獲得した。
2018年7月に開催した自身初となるジャパンツアーでは“海外女性グループ史上初”の京セラドーム大阪での公演を実施。全3都市8公演12万5,000人の動員を記録した。
2019年には本格的に世界に進出。4月に発売した2ndミニアルバム『KILL THIS LOVE』は、全世界配信後、アメリカのiTunesチャート1位を記録。韓国女性アーティストとして初の快挙を成し遂げた。
11月にはアメリカTIME誌が選定する「TIME NEXT 100」に選ばれ、ワールドクラスのアーティストとも肩を並べる存在に。
多くのファッション雑誌の表紙を飾り、大手化粧品メーカーやハイブランドのイメージモデルにも抜擢されるなど新たなファッションアイコンとしての地位を確立している。
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