
強い嵐を証明 17作連続通算18作目の初登場1位『This is 嵐』
2020年11月3日のデビュー記念日に、アルバム『This is 嵐』をリリースした嵐。初日売上枚数42.2万枚(※オリコン発表)を記録し、17作連続(通算18作目)初登場1位の記録を更新した。【関連記事】嵐の世界進出「Turning Up」の舞台裏、演出家としての松本潤の顔とは
また、3日に行われた無観客ライブ『アラフェス2020』は、総視聴者数が1,000万人と報じられたが、当日のSNSでは「#嵐の日」が世界トレンド1位を獲得と、無観客配信とは思えない熱、体温を感じた配信だった。
新旧交えた嵐の楽曲に触れた、ライブ配信の余韻を引きずったままだが、改めて新作アルバム『This is 嵐』を聴いてみたい。
『This is 嵐』徹底解説
アルバムのスタートは、ギターの軽快なカッティングと共に始まる「SHOW TIME」。ドレスアップした女性を目にして、一瞬にして心を奪われた様子。サビに向かうにつれて、胸の高鳴りが伝わってきた。特にサビ終わり、<キミだけに キミだけとSHOW TIME>。“キミ”と、周囲には目もくれず夢中な感じが嬉しい。ラグジュアリーな雰囲気で、ドラマチックなはじまり。手をひいて連れ出してくれるかのように、『This is 嵐』の世界へと引き込まれた。
続いて、2019年11月リリースの「Turning Up」。嵐にとって初のデジタルシングル。YouTubeで配信された同作は、ストーリー仕立てのミュージックビデオ(以下MV)で、嵐が歌い・踊りながら世界へとフィールドが変わっていく。
歌詞にもあるとおり、リミッターを外して世界へと放たれた嵐とJ-POP。
続いて「I Can’t Wait For Christmas」。タイトルもある通り、嵐のクリスマスソング。ベルやピアノの華やかなリズムで進行し、嵐らしいポップな雰囲気。イベントを心待ちにする描写に、愛されてるなぁ……。と噛みしめたくなる。
ここから一転、大人のムードに。「Whenever You Call」。ブルーノ・マーズが楽曲制作、プロデュース手掛けたデジタルシングル。YouTubeでもMVが配信されている。
大都会の夜景を背に、ドレスアップしたメンバーの姿。どこか懐かしいシンセサイザーの弾ける音、それを包むように響く優しい低音。

続く、「いつか秒針のあう頃」は、さらにディープな世界へ。こちらはラミ・ヤコブが手掛けた作品で、重厚な音がミステリアスな雰囲気を演出している。すれ違う二人、どうすることもできずにいる夜……。言葉にならない心情を、メンバーのハモリと共に歌い進められていく。澄んだ声のハモリが美しくも切ない。胸を締め付けるような思いの丈をぶつけた櫻井のラップも響いた。
「IN THE SUMMER」で一気に、視界が開けた気分。YouTubeでもMVが公開されており、画面いっぱいに広がる青い海、白い砂浜。群生する緑……絶景をみせてくれた。
2020年7月配信と、依然として行動自粛をしていた頃に、心を開放してくれる映像と、夏を感じる楽曲で随分と心が晴れた。こちらもラミ・ヤコブのプロデュース。
米津玄師が手掛けた「カイト」、「日本テレビ系ラグビー2019 イメージソング」に起用された「BRAVE」と、若い世代、アスリートへの応援ソングが続いた。特に「BRAVE」はアルバムの中でもひときわ雄々しい存在。ここからさらにギアをあげて「Party Starters」、「Do you… ?」と続く。愛を探し、愛を叫んできた嵐。ファンキーなタッチだが、嵐の芯を歌った曲といえる。
そして、物語のラストは「The Music Never Ends」。活動休止を前にした彼らがこのアルバムをリリースした理由、メッセージを感じる。歌詞にはファンが欲しい言葉を、歌にのせて伝えてくれている。
1曲目からラストまで、ノンストップで聴いてみたら、まるで映画を観たかのような余韻。定番のポップサウンドから、年齢を重ねたいまだからこそ歌えるバラード、海外のアーティストを迎えての新たな試みを盛り込んだ構成。
現状維持どころか、これでもか、これでもかと追い込むように突き進んできた2年間。だからこそ『This is 嵐』と掲げたのだろう。
(柚月裕実)
【関連記事】大野智 『鍵のかかった部屋』での好演などで見せる、誰にも代わることができない大野ワールド
【関連記事】二宮和也 嵐の活動に加えて、自然ながら役柄の印象をはっきりと残す演技で役者としても存在感示す
【関連記事】『志村どうぶつ園』最終回 相葉雅紀、“芸能界の父”志村けんと絆を深めた16年半