
VRアイドル「えのぐ」躍進の2020年、ラストスパート!
エンターテインメント業界全体が苦境に陥った2020年も、さまざまな苦難を乗り越えながら積極的な活動を続けてきた4人組VRアイドル「えのぐ」。さらにラストスパート!とばかりに、2020年の残り1週間で二つのライブに出演する。【インタビュー前編】VRアイドル「えのぐ」は年末もライブに懸ける!「『えのぐのライブが一番すごい!』と思ってほしい」
12月26日(土)には、同じ岩本町芸能社に所属する「Marpril(マープリル)」とのツーマンライブ『ゼログラビティユニオン』をオンラインで配信(事前収録し音楽番組として配信)。
エキレビ!では、バーチャルタレント界を代表するアイドルへと成長した鈴木あんず、白藤環、日向奈央、夏目ハルへのロングインタビューを実施。この後編では、直前に迫った二つのライブに対する思いや来年の目標などを語ってもらった。
Marprilとは、お互いに心の中で支えあってるような関係
──12月26日のツーマンライブ「ゼログラビティユニオン」で共演するMarprilの二人(谷田透佳、立花鈴)は、皆さんの後輩に当たるのですか?
環 一応、デビューの順番で言えば後輩になりますが、先輩と後輩みたいな関係ではないですね。今まさに、番組収録に向けて一緒にリハやレッスンをやっていますが、えのぐとMarprilって楽曲の方向性もそうですけれど、(グループとして)全然違うんですよ。
──えのぐが王道アイドル路線なのに対して、Marprilの楽曲はダンスミュージックが中心ですね。
奈央 ライブでのパフォーマンスや、盛り上げ方とかも全然違うよね。
環 Marprilはカッコいい曲が多いから、「カッコいい曲は、そう観せたらカッコいいんだ!」とか、めっちゃ勉強になっています。
あんず うん。すごく勉強になります。
環 でも逆に、Marprilはいわゆる「可愛い曲」とかはあまりやってないし、私たちを観て「こうやったら、可愛いのか」とか1mmでも思ってもらえていたら嬉しいですね(笑)。
ハル そうだったら、嬉しいな。
環 お互い目標や夢は少し違うと思いますが、切磋琢磨しながら上に登っていけたらいいなと思っています。それに奈央ちゃんは、Marprilとすごく仲良いよね。
奈央 うん。Marprilの立花と、私とハルは出身高校が一緒なんですよ。学校に通ってた頃も「いつか三人で一緒のステージに立ちたいね」とか話していました。その夢が叶うのもすごく嬉しいです。
ハル 嬉しいよね。Marprilは、この先もずっと一緒に頑張っていきたい存在。それぞれ違うフィールドで頑張っているから、えのぐが成功したら「成功したよ」って伝えて喜んでほしいし、Marprilが大きなステージとかに立ったら、私たちも「頑張ったね……」って気持ちになります。お互いに、心の中で支えあってるような関係です。
──ツーマンライブ配信の3日後、12月29日(火)には、『えのぐワンマンLIVE2020 -だからいま、ここにいる。-』が開催されます。
ハル はい、すごく頑張ってます(笑)。
奈央 ライブのたびに、何かの課題は絶対にあります(笑)。
環 8月の2DAYS(『えのぐワンマンLIVE2020 -次章-』)の時は、新曲が5曲あって……。
奈央 あとさらに、ライブ初お披露目の曲が2曲あったので、全部で7曲の振りと歌を仕上げたんです(笑)。
環 スタッフさんに「2カ月で7曲を仕上げてください」って言われて、「ええ……」って(笑)。

──でも、そこまで大変だった8月のライブを成功させたことは、自信にもなっているのでは?
ハル すごく自信になってます。
環 8月のライブを終えて、その後『えるすりー(「Life Like a Live!)』や『バーチャルTIF』といった大きなフェスに出演させてもらった時に、すごく思ったのですが。ライブって、常に直前のライブを越えなきゃいけないんですよね。8月のライブでは新曲もたくさん用意したし、生バンドとの編成もあったりして、自分たちで言うのはおかしいかもしれませんが、めっちゃ盛り上がったんです!
ハル めちゃくちゃ最高でした!
環 終わった瞬間、メンバー同士で「最高だったね!」って言い合う感じのライブだったんです。
あんず・奈央 うんうん。
環 でも、最高のライブが終わったら、その瞬間から、次はその最高を越えるんだっていう気持ちにすぐにシフトしないといけないんです。
ハル ライブを重ねるごとに、自然とハードルが上がっていく感じですね(笑)。
環 ライブが終わった瞬間までは「最高!」と思っていても、すぐに「でも、あそこはもっと……」って。
奈央 みんな、すぐに反省しちゃうんです(笑)。
あんず 4人で自然と、「ここはもっと、こうした方が良かったよね」とか、「次はこうしたいね」ってことを話し合うんです。私たちはずっとそうやってきたから、ライブを重ねるたびに成長してこれたのかなと思っています。
奈央 今日のリハも終わった瞬間、「あそこの煽りがさ〜」みたいな話をしました。
環 曲と曲の間の休憩にも「さっきのところが〜」って。
ハル あまり休憩をしてないんです(笑)。
環 ライブが近付いてリハが始まると、そういうことが特に増えるので「みんな、ストイックだな。
「えのぐに出会えて幸せな年だったな」って思ってもらいたい
──今回のライブは、「『LIVE×ドキュメンタリードラマ』をテーマにした、“えのぐ結成から約3年間の軌跡”を追憶するストーリーライブ」とのことですが、曲とMCで構成された一般的な形式のライブとは違うものなのでしょうか?あんず 今までのライブとは少し違うと思います。
ハル 新しい感じはありますね。
環 私たちも今までにやったことがない感じなので、すごく新鮮です。
奈央 正直、リハをやるまではイメージがつかめなくて。「どういうライブになるんだろう?」って思ってました(笑)。
──リハの前までは、今のファンの人たちのような状態だったのですね。
環 ライブの構成とかを書いた資料をもらって読んだ時も……。「なるほど……。で、つまりはどういうこと?」みたいな(笑)。
奈央 そうそう!
環 でも、観てくれた人は、「なるほど! これは『LIVE×ドキュメンタリードラマ』だ!」ってなると思います。
奈央 うんうん、なると思う!
あんず 第一章と第二章は、内容が全然違うんです。
──「昼公演、夜公演」ではなく、あえて「第一章、第二章」としていることにも深い意味があるわけですね。
環 もちろん第一章だけでも、第二章だけでも楽しんでいただけるのですが……。
奈央 両方とも観てもらった方が、より楽しんでいただけると思います。
環 「最高と最高を足したら、さらに最高!」みたいな感じです(笑)。
あんず・ハル・奈央 あはは(笑)。
──では、2020年の最後のライブで、どんなえのぐを見せて、今年を締めくくりたいですか?
環 2020年もたくさんライブしてきたのですが、今回がいちばん良かったと思ってもらえるライブにしたい。「俺、今年、けっこういろんなライブ観てきたけれど、やっぱりえのぐのライブがいちばんだな」と思わせたいです。
ハル 「えのぐに出逢えて良かった」って思ってもらいたいよね。
奈央 そうそう! 『えるすりー』や『バーチャルTIF』で初めてえのぐを知ってくださった方たちにとって、えのぐのワンマンを観てもらえる機会はこのライブが初めてになるので。そういう方たちに「えのぐのワンマン、マジ最高!」と思ってほしいし、その上で「2020年は、えのぐに出逢えて幸せな年だったな」と思ってもらいたいですね。
ハル 今回のライブは、初めてえのぐのワンマンを観るっていう人たちにこそ、より刺さるんじゃないかなと思います。もちろん、ずっと応援してくださっている人たちにも刺さる内容だから、このライブを観ちゃったら、みんなもう、えのぐの沼から抜けられないんじゃないかなって(笑)。
奈央 どっぷり浸かっちゃうかも(笑)。
ハル このライブを観ていただくだけで、どっぷりとえのぐを理解できるし、えのぐの世界観も楽しめると思います。えのぐのこれまでが、めちゃくちゃ濃縮されたライブなので。
環 たしかに! このライブを観れば、えのぐがわかる!
奈央 本当にそうなってると思います。
あんず だからこそ、いろいろな人に観てほしいです。今まで応援してきてくださった方にも、初めて私たちのワンマンを観る方にも、「2020年の中で最高のライブだった」と思ってもらいたい。「えのぐってすごい。来年からも観続けたい」と感じられるライブにしたい。きっと、そうなると信じてます!
環・ハル・奈央 なるなる!

やっぱり……来年もライブがいっぱいしたいです!
──29日のライブが終わるとすぐに2021年を迎えることになります。最後に2021年をどんな年にしたいか教えてください。環 2021年もライブはバンバンやります! それで、今年よりさらに大きな会場でライブがしたいですね。そのために、たくさんの人にえのぐを観てもらって、えのぐが好きと言ってくれる人をもっともっと増やしたいです。
あと個人的には、今、ラジオ日本さんで『えのぐ白藤環の推してまいる!』というラジオ番組をやらせていただいているんですけれど。トーク力とかをもっと磨いて「2021年、ギアがさらに上がったね! 勢いあるね!」と思ってもらえるように、番組を盛り上げていきたいです。2021年は、えのぐの年にしますよ!
奈央 ひなおはやっぱり、歌とダンスをもっともっとレベルアップさせることは外せません。実は今、歌に関して苦手だったことの改善に取り組んでいて。いつかみんなに発表したいというか……もっとレベルを上げて、来年どこかで発表できるように頑張っています。
ロックとか洋楽とか、いろいろなジャンルを歌い分けられるようになりたいし、歌と同じくダンスにもジャンルがたくさんあるので、歌もダンスも苦手なジャンルをなくして、全体的なパフォーマンスの向上を目指して、来年も頑張っていきたいです。
ハル ハルは2021年を「木」みたいな年にしたいんです。今まで歌やダンスなどのスキルを皆さんにご覧いただけるものにしたくて頑張ってきたのですが、それって、ハルのイメージだと、種を植えて、水をやって、芽が出て……みたいな感じなんです。そうやって地道に活動してきたら、2020年には小さな花畑ができて。「綺麗な花がある。へえ、えのぐっていうんだ!」って、多くの人に見つけてもらえる機会がたくさんありました。でも、もう花畑では嫌になってきたんですよ(笑)。
環 花畑じゃ満足できないってー?
奈央 なんだってー?
ハル あはは(笑)。だから2021年は、大きな木みたいな存在になりたいんです。そしたら、通りすがりの人はもちろん、今は遠くにいる人にも、「えのぐ」っていう木を観てもらえると思うので。
──たしかに、大きな木なら離れた場所からもよく見えますね。
ハル そのくらい大きな影響力を与えられる年にしたいと思っています。その中で、ハル個人としては、よりえのぐに貢献したいというか。えのぐがさらに魅力的なグループになれるよう、新しいことにも挑戦して、これまでとは違う得意分野を身につけたりしたいです。木のイメージでいうと、木の上に登って、道行く人に何かを投げつけるみたいな(笑)。
奈央 すごい危ない人じゃん(笑)。
ハル 例えばりんごを投げつけて、「えのぐが! ここにいるよ!」って教えてあげたいんです(笑)。
──えのぐの存在をさらにたくさんの人に伝える役割ということですね(笑)。
ハル それです! えのぐを見つけてもらえるチャンスを広げられるような役割をしたいと思っているので、そのために新しいことにも挑戦します!
──では、最後は鈴木さん、お願いします。
あんず 今年もたくさん、未経験ジャンルの楽曲などにチャレンジしてきましたが、2021年はさらにいろいろなことに立ち向かっていきたいし、やったことがない活動や苦手なことにも自分たちから飛び込んでいけたらいいなと思います。そうすることで、えのぐをいろいろな人に知ってもらって、もっともっと大きなグループに成長していきたい。あと、やっぱり……来年もいっぱいライブがしたいです!
環 そうだよね。
奈央 それは間違いない。
あんず さっきもお話しましたが、私たちはライブをやるごとに少しずつ成長してきたと思うので。えのぐは、まだまだこんなところじゃ終わらないし、止まらないぞってところを観てもらって、たくさんの人に「追いかけたい」と思わせる存在になりたいです。個人としては、私のできること、私にしかできないようなことを見つけて伸ばしていきたいので、まずは、それを見つけることから始めたいです。
──1月30日(土)と31日(日)に開催される『VTuber Fes Japan 2021』への出演も決定しています(えのぐは、30日のDAY1に出演)。大きなフェスですし、いろいろな人にえのぐを知ってもらうチャンスなのでは?

環 すごいチャンスですよね! 「ここで爪痕を残さなきゃ!」みたいなことは、すでにメンバーの中でも話していて。
奈央 いきなり1月から、2021年最初の山場が来たみたいな感じです(笑)。
ハル 「やってやるぞー!」って、メラメラしてるよね(笑)。
環 楽しみな反面、不安もあるけれど、とにかくここで、えのぐという存在を世の中に知らしめたい。それで「なんで、今までえのぐを知らなかったんだろう」って後悔させちゃいたいです(笑)。
奈央 他の出演者の皆さんがすごく豪華なので、その中にえのぐを選んでいただけたという感動もあるんです。でも喜ぶだけで終わらせず、「えのぐのライブは、ちょっと一味違うな。ワンマンにも行ってみたいな」と思わせたいというか……。
環 えのぐは「VRアイドル」なので。「アイドルのライブって、やっぱり強いな」と思ってもらいたいですね。
奈央 あ〜それ思ってほしい! ライブの経験はどこよりも誰よりも積んでいるので、その強みを活かしたいです。豪華な出演者さんの中でも、ライブの一体感というか、「盛り上げ方を知ってるな! えのぐのステージがいちばん楽しかった!」と思ってもらえるようなパフォーマンスがしたいです。
──お話を聞いているだけで、皆さんの気合の入り方が伝わってきます。
あんず みんな、かなり入ってます(笑)。
奈央 うんうん。
ハル 気合いしかないですね(笑)。
環 ワンマンとはまた違った燃え方をしています!
【インタビュー前編】VRアイドル「えのぐ」は年末もライブに懸ける!「『えのぐのライブが一番すごい!』と思ってほしい」
ライブ概要
『ゼログラビティユニオン』【日時】2020年12月26日(土)
【時間】19:00〜(開場18:45〜)
【会場】ニコニコ生放送(Marprilチャンネル)
【出演】えのぐ(鈴木あんず、白藤環、日向奈央、夏目ハル)、Marpril(立花鈴、谷田透佳)
【チケット料金】
3,500ニコニコポイント(税込 3,500円)
【販売期間】
2020年11月28日(土)12:00〜2021年1月16日(土)23:59
※2021年1月16日(土)23:59までタイムシフト視聴が可能
『えのぐワンマンLIVE2020 -だからいま、ここにいる。-』
【日時】2020年12月29日(火)
【時間】<第一章>13:30〜(開場12:30〜) <第二章>19:00〜(開場18:00〜)
※時間は状況により変更になる場合あり
【会場】ヒューリックホール東京
【出演】えのぐ(鈴木あんず、白藤環、日向奈央、夏目ハル)
【チケット料金】
<通しチケット>8,000円+ドリンク代 <指定席>4,800円+ドリンク代
※第一章、第二章いずれか一方の指定席
※予定枚数終了次第発売終了
チケット販売サイト(イープラス)
【配信チケット料金】
<通しチケット>7,000ニコニコポイント(税込7,000円)
<第一章>3,800ニコニコポイント(税込3,800円)
<第二章>3,800ニコニコポイント(税込3,800円)
配信チケット販売ページ
【販売期間】
2020年11月30日(月)10:00〜2021年1月27日(水)23:59
※2021年1月28日(木)23:59までタイムシフト視聴が可能
丸本大輔
フリーライター&編集者。瀬戸内海の因島出身、現在は東京在住。専門ジャンルは、アニメ、漫画などで、インタビューを中心に活動。「たまゆら」「終末のイゼッタ」「銀河英雄伝説DNT」ではオフィシャルライターを担当した。にじさんじ、ホロライブを中心にVTuber(バーチャルYouTuber)の取材実績も多数。
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