嵐の軌跡をたどる特集「嵐、5つの光」(5)
「心を込めて準備中!」――白衣姿の櫻井翔が看板を持って登場。なんだかいつもとキャラが違う。「何なの?」「なんのキャラなの?」と松本潤や相葉雅紀がツッコミ。
【前回レビュー】特集「嵐、5つの光」DAY 4|全員が優れた俳優としてドラマ、映画、舞台に出演 その功績を振り返る
嵐が、12月31日の「This is 嵐 LIVE 2020.12.31」に向けて、『みんなで準備だ!TV』と題して映像コンテンツを配信。6分〜10分ほどの映像が全部で10本。視聴方法にはじまり、アイコン用素材の配布、視聴者参加型のコールや歌、当日嵐とファンとが繋がる「MEETS CHANCE」企画と、無観客とはいえライブを楽しむためのアイデアがこれでもかと用意された。最後の最後まで手を抜くことなく、むしろ手厚いコンテンツを用意して当日を迎えた。
ついに活動休止前最後のライブがスタート
12月31日20時。「This is 嵐 LIVE 2020.12.31」生配信がスタート。途中、NHK紅白歌合戦との中継を挟みつつ、ギリギリまでステージに立ち続けた。ライブは約3時間に及び、最後は涙を浮かべたメンバーも。配信後もファンからのメッセージを掲載し、最後は嵐メンバーのサインとメッセージも。0時まで心のこもった配信を続けた。
1999年11月3日のデビューから21年。2020年12月31日にひとつの区切りをつけた。
ファンの気持ちを光に見立て、東京ドームに吸い寄せられるようなきらびやかな映像。会場には大きなミラーボールが設置され、中からメンバー5人が登場した。「ワイルド・アット・ハート」からはじまり、「サクラ咲ケ」「言葉より大切なもの」「Party Starters」と、アップテンポの楽曲で一気にテンションをあげた。
巨大モニターには楽曲の歌詞が映し出され、「常識なんて吹き飛ばせ」と歌い終わると文字が崩れるなど、細かな演出が散りばめられた。歌詞に込めたメッセージを、ファンの胸に刻むように、そして自分たちの胸に叩き込むように、エネルギッシュな歌唱が続いた。
ステージに立つメンバーが、少し視線を下げたところに無数のモニター。リモート参戦するファンとつながった。男性、女性、親子……嵐のファン層の広さを改めて実感した。
メモリアルなステージに華を添えたのは、Travis Japan、HiHi Jets、美 少年、7 MEN 侍、IMPACTors、Jr.SPのメンバー。大勢のジャニーズJr.に囲まれてステージがより一層華やかに。視聴者全員、誰もが初日の参戦。
「ようこそ、『This is 嵐 LIVE』へ」――
松本が「今から俺らの21年の感謝を込めて、ありったけの想いをぶるけつから受け取ってくれ」「俺ら5人で最高のショーを見せてやるよ!」。二宮、相葉、大野、櫻井、それぞれの言葉でステージを盛り上げた。
これから紅白の中継を挟むとは思えない、とにかくパワフルなステージが続いた。

→Amazonで購入する
21時5分。「そろそろ紅白につなぎたいと思います」とアナウンスしたものの、「それでは中盤戦いきます」と再びステージを再開。開始から1時間、NHK紅白歌合戦に向けて、クールダウンしたり、後輩にステージを任せたりするのかと思いきや全く休まない嵐。21時27分、ギリギリまでステージが続いた。
櫻井が「We will be back!」と言葉を残して、紅白出演準備へ。ここで一旦配信がストップした。紅白では「カイト」「君のうた」「Happiness」の3曲を披露。
「みんなの思い伝わってます」
22時01分ライブ再開。「活動休止前最後のステージとなります。僕たち5人にはこれまでに作り上げてきたたくさんのパフォーマンス、そして、ファンのみんなと過ごした幸せな時間があります。これからその思い出を手繰り寄せるように一曲一曲を大切に、届けようと思います。僕らの思いがみんなに届くように心を込めて――それでは『This is 嵐 LIVE』、最終章を始めます」
時間の経過の速さに驚く。最終章は「Whenever You Call」から。「PIKA★★NCHI DOUBLE」、この日2回目の「君のうた」。メンバーの懐かしい写真が映し出されたほか、事前に募集したファンの声とメンバーの声をあわせた「A・RA・SHI」。そして、会場に映し出されたのはファンからのメッセージサプライズ。まるでそこにファンがいるかのような臨場感。天井に映し出された「ありがとう」「嵐のファンでよかった」など無数のメッセージを、メンバーは噛みしめるように上を見上げていた。
最後に5人からの丁寧な挨拶。
続いて大野。嬉しいこと嫌なこともあったと振り返り、「ファンのみんなにもいろんな思いにさせてしまいました。それでも今まで今日まで僕らについてきてくれたこと感謝します。本当にありがとう」。
続けてメンバーの人間性に触れた。「気配り、気遣い、感謝の気持ち。人によくされたら『ありがとう』を必ず言う、人のことを一番に考えて行動する。簡単なようで、なかなかできることではないと思っています」「明日から自分のことをちょっと考えて、自分の時間を大切にちょっと生きてみようと思ってます」。
二宮が続いた。天井のメッセージに触れて、「本当にありがとうを言わないといけないのは我々のほう」として、スタッフや後輩へも言葉を贈った。「楽しくコンサートができるのは幸せ者だなと感じています。本当に感謝してるんだけど、もう一つだけ、わがまま言っていいならば、まだまだツッコみたかったし、もっともっといじりたかったです。それは本音かな」。
後輩にはこんな言葉を。「これからはあなたたちの色で、あたたたちの輝きを、あなたたちのファンに届けてください」。江田、松本、稲葉、福士、富岡、後輩の名前を挙げ彼らの仕事に感謝した。「そういう縦のつながりと、横には頼もしい4人がいて、楽しい応援してくれているファンがいて本当に幸せ者です。本当に、本当に、ありがとうございました。また!」。
相葉は涙を浮かべ、声を詰まらせながら挨拶をした。
そして、これまで一番手紙を書いてきたと相葉。「最初に書いた手紙に、トップになろうねって書きました。メンバーは何がトップかわからないよねって、そんな話、いつもしてました。たしかに僕らのいる世界のトップはわかりません。だけど今日わかったことが、僕を除いた4人のメンバーは、人として、人間としてトップなんだなって。……そんな、トップの4人と21年やってこれたのは僕の本当に宝物です。本当に心から嵐でよかったです。そして、あなたたちが嵐のファンで本当によかった」。“本当”の部分に、特に気持ちを込めて語った。
最後に松本。「楽しかった」とライブを振り返り、「直接目の前にはいないけど……みんなの思い伝わってます」と涙ながらに語った。そして恩人にむけて、「まずジャニーさん、13のときにジャニーズに入れてくれてありがとう。ジュリーさん、やんちゃな5人をずっと諦めずに育ててくれてありがとう。そしてすべてのスタッフのみんな、嵐に夢をのっけてくれてありがとう。そして、僕にとっても嵐は夢でした」。時折声を震わせていた。
「いつかまた夢の続きをできたら」。そしてこう語った。「僕らの音楽をこれからも愛してやってください。辛い時に困ったときに元気だしたいときに、いつでも音楽は側にあります。寂しかったら嵐、聴いてください、俺も聴きます」。
最後の最後まで嵐らしい演出
2019年から始まった怒涛のデジタル展開。それは嵐の未来のためでもあるのだろうが、何よりファンを思っての行動、意味のほうが数倍も大きいのかもしれない。モニターには青空――それを背に最後は5人が手を繋ぎ、笑顔を見せた。繋いだ手を20秒ほど挙げ続けた。嵐の姿が光と共に見えなくなると、大きな虹がかかった。
23時10分、『This is 嵐 LIVE 2020.12.31』が幕を閉じた。
「守ってくれて残してくれてありがとう」
「嵐まきおこしてくれてあありがとう」
「嵐は宝です」
「またこの空間を埋めようね」
「私の支えでした」
「松潤前髪あげてくれてありがとう」
「最大級の感謝」
「嵐のファンになってよかった」
最後は、ファンからのメッセージが流れた。ありったけの愛を叫んだメッセージもあれば、クスッと笑える言葉、前向きな言葉もたくさん見受けられた。メンバーが最後まで自分たちの手で届けようと走り続けたのは、嵐愛に溢れた素敵なファンがいるから。
嵐のあとには大きな虹――最後の最後まで、嵐らしい演出で幕を閉じた。
【関連記事】特集「嵐、5つの光」DAY 1|にのあい、大宮SK、翔潤…知れば知るほど面白い、グループ内ユニット
【関連記事】特集「嵐、5つの光」DAY 2|個性豊かな5人が番組の魅力を引き上げる バラエティ出演の軌跡
【関連記事】特集「嵐、5つの光」DAY 3|小栗旬から岩手在住の一般男性まで 嵐5人の華麗なる(?)交友録
「This is 嵐 LIVE 2020.12.31」リピート配信決定!
<配信スケジュール>※12月31日公演の視聴チケット購入者はもう一度、視聴チケットを持っていない人は新たにチケットを購入して視聴が可能
1月8日(金) 10:00~ / 20:00~
1月9日(土)13:00~ / 21:00~
1月10日(日)12:00~ / 22:00~
◎詳細:https://online.johnnys-net.jp/s/jno/page/ThisisARASHILIVE
※エキレビ!を更新しましたら、Twitterでお知らせしています。お見逃しのないよう、ぜひフォローしてくださいね
柚月裕実
Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。
@hiromin2013