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嵐の軌跡をたどる特集「嵐、5つの光」(4)
バラエティ番組を筆頭に、報道、テレビCM、ラジオと、毎日のように嵐のメンバーの姿を見てきた。アイドルとしての活動に加えて、5人全員が俳優としてドラマ、映画、舞台に出演してきたのも嵐の実績の一つ。5人揃って出演した映画『ピカ☆ンチ LIFE IS HARDだけどHAPPY』があり、それぞれも代表作と呼べる作品がある。【前回レビュー】特集「嵐、5つの光」DAY 3|小栗旬から岩手在住の一般男性まで 嵐5人の華麗なる(?)交友録
松本潤
堂本剛から続くジャニーズ伝統とも呼べるドラマ『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)に続き、2002年には『ごくせん』(同局)に出演。2005年放送のドラマ『花より男子』(TBS系)の大ヒットと共に、嵐人気も高まっていった。松本の出演作は、2005年『ごくせん 第2シリーズ』、2018年火曜ドラマ『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(TBS系)とシリーズ作品が放送されたように、後輩へと繋げてきた。
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また、『バンビ~ノ!』『失恋ショコラティエ』(いずれもフジテレビ系)と料理人、パティシエ、『ラッキーセブン』(フジテレビ系)では探偵、『99.9 -刑事専門弁護士-』(TBS系)では天才肌の刑事専門弁護士と、専門職に就く主人公を演じてきたもの特徴といえる。
ライブ演出一つとっても、先進・革新的な演出を手掛けてきたことで知られる松本。細部にまで徹底したこだわりを持つと評されることが多く、大ヒットドラマを手がけた製作陣も、「前作とは違った当たり役を僕らの手で作りたい」と、再び同じスタッフが松本の元へ集まってくるのだから、人を惹きつける能力も持ち合わせている。
櫻井翔
2002年放送のV6岡田准一主演ドラマ『木更津キャッツアイ』(TBS系)に、中込フトシ役(通称:バンビ)、二宮和也と共に主演を務めて『山田太郎ものがたり』(同局)と、コミカルな役から、『家族ゲーム』(フジテレビ系)で演じた、「東大合格率100%」が売りの家庭教師・吉本荒野の破天荒な役どころと、振り幅が広い。さらに、キャスターとしての仕事ぶりを踏まえるとそのギャップに改めて驚かされる。Kis-My-Ft2の千賀健永が悩んでいた際に「自分と闘え」とアドバイスされたと明かしたが、自らにも負荷をかけ続けている。映画『ヤッターマン』の三池崇史監督は、多忙で押しつぶされそうになっている時にテレビをつけたら、昨日一緒に撮影をしていた櫻井が、北京からスポーツ中継をしていた。その姿に気持ちが奮い立ったと明かしていた。
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映画『神様のカルテ』の続編が決定した際に、深川栄洋監督は櫻井への演技指導はせずに、一通の手紙を渡し、あとは櫻井に託したという。
相葉雅紀
バラエティからドラマ、舞台とマルチな活躍をみせる相葉雅紀。どこへ行っても手塩にかけて育ててくれる“育ての親”に恵まれているのが相葉の特徴の一つと言えそうだ。亡き志村けんからは、番組出演にあたり「自分が出演する以上は、自ら考え、スタッフに思いを伝えるべき」と教えてもらった。
一方、舞台では、相棒と呼ぶべき演出家・宮田慶子と出会い、親子のような関係を築いている。舞台『燕のいる駅』以降、4作品に出演してきた。二人の対談記事では、はじめから体当たりでぶつかった相葉を一心に受け止めたと話す宮田氏。自分を追い込む相葉を察して、時には言葉を控えたことも語られた。
昔は稽古場での指導を全て吸収しようと一生懸命だった息子も、育ての母から「戦友のよう」と言われるまでに成長した。全力でぶつかっていく先には、いつも受け止めてくれる先輩がいる。
二宮和也
2006年『硫黄島からの手紙』ではハリウッド作品へ出演、2015年公開の映画『母と暮らせば』で日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞と、映画を中心に俳優としての活躍が目覚しい二宮和也。撮影の合間のエピソードには、方言指導の先生に指導をあおぐなど演技のために費やした話もあれば、ゲームやけん玉で気分転換を図るなどおちゃめなエピソードも。→Amazonで購入する
数々の映画作品に出演してきたが、それに絞っているかといえばそうでもない。2018年放送の日曜劇場『ブラックペアン』(TBS系)では、天才外科医・渡海征司郎を演じた。完成披露の舞台挨拶では二宮はこんなことを語っていた。
「映画もすごいし舞台もすごいけど、やっぱりテレビってまだ全然、力があって。
誰もがチャンネルを合わせれば平等に届くのがテレビの力だと語り、「視聴率が取れないから我々は質をあげていく作業をしていくわけで、それが一人でも多くの人に届けばいいな」。最後に、熱く語っていたのが印象に残っている。
大野智
歌とダンスに定評がある大野智。嵐の楽曲では振り付けを担当したり、ドラマや映画など演技に加えてアートの分野でも作品を発表したりと芸術肌タイプの大野。これまでのドラマ出演作品の特徴として、『死神くん』(テレビ朝日系)『怪物くん』(日本テレビ系)と人間離れした役どころが挙げられる。『死神くん』について、テレビ朝日の飯田爽プロデューサーは、雑誌のインタビューで「ちょっと人間離れした空気を彼に感じていたから」と明かした。嵐のライブでパフォーマンスを披露する大野の姿に、「優しいような冷たいような、すごく深みのある表情をしていた」とも。また、監督をつとめた中田秀夫監督も、大野の姿に“死神が見える”と称賛していたという。
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澄ました表情の中にも、どこかミステリアスな雰囲気が漂う。『世界一難しい恋』(日本テレビ系)でみせたコミカルな役どころから、先に挙げた人間離れした役まで、演技力に加えて、背丈ややや猫背気味な姿勢もエッセンスになっていて、どの作品も大野にしか演じられないと言えるほどハマり役だった。
年齢を重ねるごとに演じる役どころも変わってきた。
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柚月裕実
Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。
@hiromin2013