津田美波・鬼頭明里・福山潤語る『シンカリオンZ』子供たちにも新幹線の魅力をもっと知ってもらいたい
子供から大人まで世代を越えた人気を集めているテレビアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』のメインキャスト。写真左から福山潤(スマット役)、津田美波(新多シン役)、鬼頭明里(碓氷アブト役)

『シンカリオンZ』メインキャスト鼎談後編

4月から毎週金曜日の夜にテレビ東京系で放送されているテレビアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』。第1クールも終盤に突入し、新キャラクターだけでなく、前作の『新幹線変形ロボ シンカリオン』で活躍していたキャラクターたちも登場。全国各地のシンカリオン運転士たちと、謎の敵・テオティとの戦いもますます激しくなっていく。


【鼎談前編】津田美波・鬼頭明里・福山潤語る『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』二人の主人公の微笑ましい関係が魅力的

ダブル主人公の新多シン碓氷アブトを演じる津田美波鬼頭明里と、二人を支えるスマホ型ロボットのスマットを演じる福山潤による鼎談の後編では、それぞれの推しキャラや、今後の見どころなどを語ってもらった。

実は戦闘中、スマットは激励するだけ

──(前編で)津田さんの演じるシンと、鬼頭さんが演じるアブトの印象を伺いましたが、続いては福山さんが演じるスマットの印象を教えてください。

津田 可愛いですよね。手元に欲しいぐらい。

鬼頭 うん。欲しいです。アブトのこともすごく好いてくれているし、心配してくれたり、支えようと思ってくれたりもする。
なんていいスマホなんだってすごく思います。それに、福山さんのアドリブがすごく面白くて(笑)。たまに入るアドリブがすごくて、「こんなところに、こんなアドリブが!」ってなるんです。

福山 実は、この現場ではまだあまりやれてないんだけどね(笑)。僕は台本にないことを平気でやるタイプではあるので。

──今作では、アドリブをセーブ気味なのですか?

福山 (コロナ禍の収録ということで)スタジオでみんなと横並びの状態では録れていないこともあって。
どこまでふざけたことをやっていいんだろうって、空気を探り探りな感じもあるんです(笑)。ただ、そうすると、音響監督の三間さんから「たまには、シャショットの雰囲気を出せ」というプレッシャーがあるので、「やるか」みたいな(笑)。

──シャショットは、前作『新幹線変形ロボ シンカリオン』に登場したキャラで、役回り的には今作のスマットと重なるキャラですね。うえだゆうじさんのコミカルな演技が印象的でした。

福山 うえださんのシャショットは、すごすぎてあまり参考にはならなかったりするんですけどね(笑)。

津田 スマットは、スマホだけどすごく人間味のある子だし、シンにとっては相方が二人いるみたいな気持ち。
アブトは遠くから指示をくれるけど、スマットは一緒に戦いながら指示をくれるので、シンや私にとっては強い味方が二人いる感じ。二人が支えてくれるから安心して乗れているってところはすごくあると思います。

福山 注目してほしいのは、スマットって、シンカリオンZの状態でシンに寄り添って戦ってはいるんですけど。実は、激励するだけで、具体的な戦闘のアドバイスはしてないんです(笑)。

津田&鬼頭 あはは(笑)。

福山 具体的なアドバイスをするのはアブトなんです。
スマットは「危ないぞ」とか「しっかりするんだ」とかそっち系なんですよね。

津田美波・鬼頭明里・福山潤語る『シンカリオンZ』子供たちにも新幹線の魅力をもっと知ってもらいたい
シンカリオンを運転するために必要な「適合率」が低くシンカリオンZの運転士にはなれないアブト。しかし、整備士としてシンを支え、戦闘中も「新幹線超進化研究所」の指令室からサポートをしている

私もちょっと厨二病だったので、ハナビとは気が合いそう

──今、印象を語っていただいたシン、アブト、スマットの3人以外で、特にお気に入りのキャラクターを教えてください 。

福山 まだあまり出てこないですけど、僕はシンのお父さん(新多キボウ)が好きです。やっぱりシンと親子なだけあって、お父さんもけっこうロマンチストなんですよね。

──第1話の回想シーンなどに登場したお父さんですね。シンがよく口にする「可能性はゼロじゃない」も、お父さんから教わった言葉のようでした。

福山 子供に対して「夢を語っていいんだよ」と言えるだけのキャパシティを持っているお父さん、いいですよね。


津田 私、好きなキャラクターはすごくいっぱいいるんです。(戸隠)タイジュも好きだし、(大曲)ハナビも好きだし……。

でも、ひとりだけ挙げるならタイジュかな。すごく可愛くて、こんな子がいたら私も友達になりたいです。戦うときの「ほいよー」という掛け声の言い方も好きで、いいキャラクターだなーって思います。

津田美波・鬼頭明里・福山潤語る『シンカリオンZ』子供たちにも新幹線の魅力をもっと知ってもらいたい
ロックが大好きで戦闘スタイルも性格も派手な大曲ハナビと、自然を愛する優しい性格ながら戦闘スタイルは非常にパワフルな戸隠タイジュ。二人ともシンと同じ小学5年生で、優秀なシンカリオン運転士だ

福山 タイジュはいい子なのに、すごく重くて可哀想な過去を背負っているよね。


津田 そうなんですよね。でも、シンたちが友達になれて良かったです!

鬼頭 私はハナビが大好きです。寺崎(裕香)さんのお芝居もすごく好きですし、戦いをライブに例えたり、急に英語で喋り出したりとか、頭の回転も早い子。それに、自分の芯がしっかりとあるのもカッコいいなって思います。

──では、ご自身の子供時代と重なったり、親近感が沸いたりするキャラクターはいますか?

福山 僕の子供時代は、ネットがなかった分、いくらでも夢想ができたんですよね。だから、オカルトとかUFOとかの話題には逐一反応していました。オカルトに関するうんちくを語るシンなんて、共感するどころではないですね(笑)。

──私も、福山さんと世代は近いのですが、当時は平日のゴールデンタイムに地上波でUFO特番が放送されていましたね。

津田 私は、(シンの姉の)アユ姉に親近感がわきます。私、姉がいるんですけれど、私は興味があまりないことなのに、「一緒にイベント行くよ!」とか言って連れていかれていたタイプなんです(笑)。そういうところは、シンに連れ回されているアユ姉に似ているかもしれません。

──津田さん自身は、連れ回される側だったのですね。

津田 はい。それで、最初は興味なかったのに、そのうち自分もはまっていっちゃうところも似ているかなって思います(笑)。

津田美波・鬼頭明里・福山潤語る『シンカリオンZ』子供たちにも新幹線の魅力をもっと知ってもらいたい
シンの姉で中学1年生の新多アユ。オカルト好きではないが、ジャーナリストに憧れているため好奇心は旺盛。第1話では、シンの付き添いで横川にきたが、「碓氷峠鉄道文化むら」の謎を探ろうとしていた

鬼頭 私は、誰だろうなあ……。子供の頃は、すごく少年ぽかったと言うか、男の子とよく遊んだり、カッコいいものが好きだったり、ちょっと厨二病だったりしたので、やっぱりハナビとは気が合いそうな気がします(笑)。ドクロのネックレスとか付けたり。

津田 カッコいい(笑)。

鬼頭 謎にズボンにチェーンつけていたりとか。

福山 膝と膝の間にヒモがついていたり?

鬼頭 はい。そういう感じだったので、気が合いそうだなって(笑)。

津田 意外だなあ(笑)。

「人の夢を笑うな」は、すごい衝撃を与えてくれた一言

──すでに放送された第11話までの中で、特に好きなシーンやセリフなどを教えてください。

津田 私は第2話で、さっき話題になったシンとアブトの追いかけっこの後、シンがこの話を誰かにする度に笑われてきたけど、「人の夢を笑うな」って言ってもらえたのは初めてだってアブトに言うところが好きです。やっぱり、あそこでグッと二人の間の距離が縮まって、これから相方になっていくんだろうなっていうことが見えるシーンなので。

それに、まだ小学5年生なのに「人の夢を笑うな」って言えるアブトがすごくカッコよくて、私の中で衝撃でした。シンにも私にも、すごい衝撃を与えてくれた一言だったので、あのシーンが忘れられないです。

鬼頭 私は、第1話で、アブトがシンカリオンZに乗れないのはわかっているのに、乗れないか試してみて、やっぱり乗れなくて悔しそうに出てくるシーンがすごく印象的です。私も本当に乗るつもり満々だったので、自分のことのように悔しくて。まだ、収録がはじまったばっかりで、いろいろな設定も知らされてなかった中でも、セリフにめちゃくちゃ感情移入できました(笑)。

──鬼頭さんの魂がアブトとシンクロしたのですね。

鬼頭 はい、魂の演技でした(笑)。

福山 僕は、第8話の(拠点が)横川支部から大宮支部に移ったタイミングで、「前作の人たちも出てくるんだ!」と驚いたと同時に、設定上だけではなく、地続きで前作の人たちが生きているってことに、すごくグッとくるものがありました。

津田美波・鬼頭明里・福山潤語る『シンカリオンZ』子供たちにも新幹線の魅力をもっと知ってもらいたい
第8話からは、小山ダイヤや三条ミノリをはじめ、前作『新幹線変形ロボ シンカリオン』でシンカリオン運転士たちの戦いをサポートしたキャラクターたちも登場している

──前作からの『シンカリオン』ファンは、みんなテンションが上がった展開だと思います。

福山 ただ、それと同時に「これは、やべえな」と思ったんですよ。僕も先の展開は知らされてないのですが、もしこれからもいろんな人が出てくるとしたら、従来のアニメでよくあるパターンとしては、スマットみたいな立ち位置のキャラって、セリフが減っていくんです(笑)。だから、今のうちにどこかで録れ高を取っておかないと(笑)。

津田&鬼頭 あはは(笑)。

──スタッフや視聴者に、「スマットは面白いキャラだから、これからも活躍してほしいな」と思わせなきゃいけないわけですね(笑)。

福山 爪痕を残していかないと、「スマット、いなくなる可能性があるな」って、近年はあまり感じたことのなかった緊張感を久々に感じています(笑)。

子供たちにも新幹線の魅力をもっと知ってもらいたい


──では、皆さんが思う今後の『シンカリオンZ』の見どころをネタバレにならない範囲でお聞かせください。

津田 シンやアブトたちが成長しつつ1クールやってきた中で、謎も深まってきたのですが、その謎を少しずつ解明していくのが、これからのお話だと思います。ぜひ1クール目を観直していただいて、「これは、どうなるんだ?」って疑問を持ちながら、今後のお話を楽しんでいただければ嬉しいなと思います。

福山 ここまでは、謎が解明するどころか、どんどん積み上がっているんですよね(笑)。

鬼頭 そうですね。でも、第12話以降は、ようやくアブトについての謎もちょっとずつわかって来たりしていくんじゃないかなと思って、私も楽しみにしながら収録していますので、ぜひ皆さんも楽しみにしてください。

福山 僕から言えるのは、まずは「ポスター(キービジュアル)を見ようか」ってことですよね。そこにヒントと答えが出ています(笑)。

──たしかに、謎の新幹線っぽいものが大きく描かれていますね(笑)。では、最後に『シンカリオンZ』ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

福山 「どんな方でも、安心して観ていただける作品です」という言葉を、ここまで気持ちを込めて言えることは、なかなかないことです。前作の『シンカリオン』をずっと観てくださっている方はもちろん、『シンカリオンZ』から観てくださっている方。今、興味を持ってくださっている方。本当にどんな方でも、子供向けロボットアニメというものが内包しているエンターテインメントを存分に楽しんでいただけること請け合いの作品です。

しかも、昨今、少なくなってきた夜7時台のアニメーション! お一人様もご家族みんなでも、非常に観やすい時間だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

鬼頭 『シンカリオンZ』になってからも、さらに新しい魅力やキャラクターがたくさん増えていますまっすぐに伝えたいメッセージがあったり、逆に、大人にすごく響くメッセージがあったりすると思います。大人から子供まで、本当にみんなに観てもらいたい作品なので、これからも、どうぞよろしくお願いします。

津田 『シンカリオン』をずっと応援してくださっているみなさん、本当にありがとうございます。私にはまだ実現できてない夢があって。本物の新幹線を目の前にして「あ、シンカリオンZだ!」って言っている子を見たいんです。今はコロナ禍でなかなか遠くに行けない、新幹線に乗る機会も減ってしまったという状況なんですけれど。みんなで遠くに出かけられる日を夢見ながら、『シンカリオンZ』を見て、子供たちにも新幹線の魅力をもっと知ってもらいたいなと思っています。これからもよろしくお願いします!
(丸本大輔)

※前編はこちら

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番組概要

テレビ東京系6局ネット
『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』
毎週金曜よる7時25分〜
公式サイト:https://www.shinkalion.com/


Writer

丸本大輔


フリーライター&編集者。瀬戸内海の因島出身、現在は東京在住。専門ジャンルは、アニメ、漫画などで、インタビューを中心に活動。「たまゆら」「終末のイゼッタ」「銀河英雄伝説DNT」ではオフィシャルライターを担当した。にじさんじ、ホロライブを中心にVTuber(バーチャルYouTuber)の取材実績も多数。

関連サイト
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