「にじさんじ」レヴィ・エリファらが最新AR技術で生バンドと共演「こういうステージで歌いたかった!」
デビュー1周年を記念して2020年5月に公開されたレヴィ・エリファのオリジナル曲『ハーフ・エルアール』のMV。作編曲を担当したORYO(FAULHEIT)は、2ndオリジナルソング『GIVER』でも作編曲を担当

にじさんじのライバーがリアルのステージで生バンドと共演

7月31日(土)と8月1日(日)に無観客形式で開催される、にじさんじ初の完全AR生バンドライブ『にじさんじ AR STAGE "LIGHT UP TONES"』(以降、『LIGHT UP TONES』)。両日合わせて、合計15名の人気バーチャルライバー(VTuber)が、最新のAR技術により、現実世界のステージ上で生バンドとリアルタイムに共演。まだ観たことのない、新感覚のライブパフォーマンスを披露する。


【インタビュー前編】「にじさんじ」レヴィ・エリファ、夢の初ステージは完全AR生バンドライブ「待ちに待った目標が叶った」

エキレビ!では、本日開催されるDay1でライブイベント初出演を果たし、パワフルなボーカルで多くのファンを魅了するのは間違いないレヴィ・エリファにインタビュー。後編では、7月16日に開催された3Dお披露目の裏話の続きや、念願の初ライブに向けての思いなどを語ってもらった。

「にじさんじ」レヴィ・エリファらが最新AR技術で生バンドと共演「こういうステージで歌いたかった!」
『にじさんじ AR STAGE "LIGHT UP TONES"』のDay1に出演する樋口楓、緑仙、花畑チャイカ、町田ちま、ジョー・力一、夢追翔、レヴィ・エリファ、加賀美ハヤトが描かれたビジュアル

『GIVER』はライブで初披露したいと思って用意していた

──7月16日の3Dお披露目は、当然、バーチャル空間で行われました。バーチャル空間は、現実空間では不可能なこともいろいろと実現できる上に、技術も日々進化しているので、専門家でもない限り、何ができて何ができないのかを把握するのは難しいと思います。お披露目の内容は、どのようにして決めていったのですか?

レヴィ まずは、(にじさんじを運営する)「ANYCOLOR」のスタッフさんに、(技術的に)できるかできないかとかは気にせず、ボクのやりたいことを全部伝えました。最初は「空を飛びたい!」とかも言っていて。「ちょっと、空は……」と言われたり(笑)。


──トロッコに乗って会場を移動しながら歌うこともやりたかったことの一つだったのですか?

レヴィ はい、トロッコにはすごく乗りたかったです! ボク、AAA(トリプル・エー)さんが大好きで。東京ドームでライブを観たときにメンバーがトロッコに乗って目の前まで来てくれて、めちゃくちゃ近くで歌ってくれたんです。トロッコだとこんなに近づくことができるし、アーティストさんが近くで歌ってくれると、こんなにも嬉しいんだなって。その嬉しい記憶がずっとボクの頭の中にあって、ボクがライブをやるときには、あれを再現したいなって、ずっと思っていたんです。

──1曲目がデビュー1周年を記念して昨年5月に発表した1stオリジナルソング『ハーフ・エルアール』。ライブの中盤では、2ndオリジナルソング『GIVER』が初披露されました。
どちらの曲も作詞をレヴィさん自身が担当していて、詞の内容からもこの1年での心境や環境の変化を感じる気がします。『ハーフ・エルアール』の歌詞は、すごくシンプルに言うと「ここから、やったるでー!」といった内容ですよね。

レヴィ アハハ、そうですね(笑)。1周年のときは、まだいろいろと試行錯誤を続けているときだったので、自分のスタイルとかもよくわかってなくて。それでも、付いてきてくれてる人や、応援してくれてる人がいるのだから、まさに「ここから、やってやるぞ」という気持ちでしたね。「まだ自分にはできることがあるだろう」という思いもすごく大きかったので、ああいった歌詞になりました。


──対して『GIVER』の歌詞は、「与える者」というタイトルどおり、周りへの感謝の思いと、それに応えていきたいという気持ちを強く感じます。

レヴィ 2年目からは、いろいろな企画をやるようになり、いろいろな方とコラボもするようになったという変化もあったし。リスナーさんがいるからボクは配信活動ができているということへの感謝を改めて言葉にしたいという思いがありました。『GIVER』は、ライブで披露したいと思って用意していた曲なんです。

自分でもよく葛葉先輩に声をかけられたなって(笑)

──3Dお披露目は、本格的なライブとして始まりながら、2曲歌った後は、『SIREN』風のホラーゲームを再現したクイズコーナーになり、その後、また後半のライブが始まるという構成でした。歌に強いこだわりがありながらも、音楽ライブだけでなく、バラエティ的コーナーも入れたのには、どのような狙いがあったのでしょうか。

レヴィ 「レヴィは歌が強い」と言ってくださる方が多いことはすごく嬉しいのですが、逆に、あえて直接的な言い方をするなら「レヴィは歌しかできない」という目で見られている部分もあると感じていて。
なので、そう思っている人たちに、「ボクは歌だけじゃないぞ! 歌以外でも、みんなに楽しんでもらえるんだ!」ってところを見せたいと思ったんです。

──ホラーゲームの登場キャラになれて嬉しそうな姿が印象的でした(笑)。ライブパートの後半戦は、先輩ライバーの夢追翔さん葛葉さんが順番に登場し、レヴィさんとデュエットするという豪華なゲストパートから始まりました。出演をオファーしたときのエピソードは、先日の感想配信でも話されていましたが、やはり声をかけるときには緊張しましたか?

レヴィ 夢追先輩とは、それまでにコラボもしていたので、すごくお願いしやすかったです。それに、ボクが上げている歌ってみた動画の中で、いちばん多くの人が注目してくれたのが夢追先輩と歌った『ないものねだり』だったので、ボクの中でも「呼べたらいいな」というより、(リスナーのためにも)「呼ぶしかないでしょ!」みたいな気持ちがあって(笑)。ライバーさんに声をかけるのが苦手なボクにしては、緊張せずにお願いすることができたし、夢追先輩からも「全然いいよー! 出る出る」って、すごくありがたいお返事をいただきました。


「にじさんじ」レヴィ・エリファらが最新AR技術で生バンドと共演「こういうステージで歌いたかった!」
バーチャルシンガーソングライターとして活動しているにじさんじの先輩・夢追翔とのデュエットで、KANA-BOONの『ないものねだり』をカバーした動画の再生数は、現在270万回を越えている

──夢追さんは、ライブ当日、会場でペンライトを振っているファンの動き(モーション)も担当していたらしいですね(笑)。

レヴィ あ、あれは……。前日のリハの時に現場で「ANYCOLOR」のスタッフさんが「せっかくだから、夢追さんにやってもらえるか聞いてみてください」って(笑)。

──夢追さんは、スタッフさんからも愛されているのですね(笑)。以前から交流のあった夢追さんとは異なり、葛葉さんとの1対1のコラボはこのときが初めてですよね。

レヴィ はい。
コラボどころか、配信外で個別のチャットとかをちゃんとしたこともなかったんです。感想配信でも話しましたが、もし葛葉先輩が出てくださったら、きっと、みんな驚いてくれるだろうなと思って、勇気を出してお願いしたのですが、自分でもよく声をかけられたなって思います(笑)。

──葛葉さんも、どちらかと言えば人見知りをするタイプに思えるのですが、レヴィさんからの共演オファーに対しては、どんな反応が?

レヴィ とても好意的というか「声をかけてくれて、ありがとうございます」みたいなお返事をくださったんです。突然のお願いだし、断られても当たり前だと思いながらDMを送ったから、お返事をいただけたときには「え! 一緒に歌ってもらえるんだ!」って驚きました(笑)。すごく嬉しかったし、想像通りリスナーさんにも驚いてもらえて。ボクも楽しかったし、勇気を出して本当に良かったです。

加賀美社長には本当に感謝しかありません

──一方、バラエティパートのゲスト、月ノ美兎さん伏見ガクさんアンジュ・カトリーナさん早瀬走さんグウェル・オス・ガールさんは、以前から交流のある顔ぶれですね。それぞれ、役を決めた上でオファーしたのですか。

レヴィ 実は、あそこの台本ができたのはかなりギリギリで……。完成したのは7月に入ってからだったんです。だから、お声がけした時点では「茶番みたいなことをやるので出てもらえませんか? 細かくは、決まったらお伝えします」という感じでした(笑)。

──改めて、3Dお披露目という大きな節目の配信を終えての感想を教えてください。

レヴィ プレッシャーは本当に大きかったのですが、今は、失敗せずにクリアーできたことへの安心感が大きいです。たくさん観てくれたリスナーさんはもちろん、「ANYCOLOR」のスタッフさんや、バンド陣のみんな、PA、マニピの方、ゲストのライバーの皆さん、ほかにもたくさんの協力してくださった方々にもすごく感謝しています。

──ライブパートでは、カメラワークも素晴らしかったです。

レヴィ 当日、ゲネリハといって本番の前に、本番と同じ熱量で1回通してやって、カメラマンさんやスイッチャーさんにいちばん良いアングルとかを探してもらう感じでした。歌に関しては、途中で少し声を抑えて温存したりもしましたが、動きに関しては本番と同じように本気で走ったりしたんです。だから、ゲネリハが終わった時点で、すでにくたくたで。スタッフさんから「ありがとうございます。では、30分後に本番なので、時間までにここに集まってください」と言われたときには、ボクだけでなく、メンバー全員に絶望感が漂っていました(笑)。そんな状態だったので、本番であれだけのクオリティを出せたのは、正直、奇跡だと思っています(笑)。やりたかったことがいちばん良い形でできました!

「にじさんじ」レヴィ・エリファらが最新AR技術で生バンドと共演「こういうステージで歌いたかった!」
3Dお披露目の二日後に配信された感想配信では、当日の映像を観ながら、さまざまな裏話を語った。また、クイズコーナーでゲスト回答者が正解したときのために用意してあった未公開動画も公開(本番では全問不正解だった)

──感想配信では、にじさんじで最初にバーチャル空間での生バンドライブを行った「社長」こと加賀美ハヤトさんへの感謝も語っていましたね。たしかに、2020年8月に、加賀美社長の3Dお披露目を見たときには「こんなことができるんだ!」と私も驚いたのですが、今回のレヴィさんの3Dお披露目も「今は、こんなことまでできるんだ」と驚くほどのクオリティで、バーチャルライブのハードルをさらに上げたと思います。

レヴィ ありがとうございます。そう言っていただけると、頑張ったかいがありました。加賀美社長がバンドと3Dお披露目をやったとき、ボクもすごく衝撃を受けたんです。自分はまだ3Dの身体を持てていないし、歌枠とかで大きな結果を残せているわけでもないというときに、あの配信があったので。ショックというか、率直に言ってしまうと悔しい気持ちもありました。だから、いつか、ボクが3Dお披露目をやれるときには、あの配信を越えるくらいのことをやらなくちゃと思っていたんです。そう思えたのは、加賀美社長が先陣を切って、とても大変でリスクもあることに挑戦してくださったから。それに、あのライブのノウハウがあったからこそ、ボクもバンドライブができたんです。そういう意味でも、加賀美社長には本当に感謝しかありません。

「こういうステージで歌いたかった!」という気持ちが伝われば

──3Dお披露目から約半月後の7月31日には、初の大規模ライブとなる『にじさんじ AR STAGE "LIGHT UP TONES"』の1日目のステージに立ちます。スケジュール的に、ライブの準備などは、お披露目配信の準備と並行する形で始まっていたのでは?

レヴィ そうですね。本番で歌う曲のコーラスとかは、もう録り終わっています。あと、コラボというか一緒に歌うライバーさんと「パート分けをどうする?」とか、「どういうイメージで歌う?」とかの相談もしていました。

──共演者の皆さんと、ライブに向けての思いなどを話す機会などもあるのでしょうか?

レヴィ ボクの出る1日目に出演するライバーさんって、歌に対して意欲的な方が多いという印象がファンの皆さんの中でもあると思うんですね。

──レヴィさん以外の出演者は、樋口楓さん緑仙さん花畑チャイカさん町田ちまさんジョー・力一さん夢追翔さん加賀美ハヤトさんなので、たしかにそういった印象は強いですね。

レヴィ そういう意味で、「ちゃんと期待に応えられるかな。応えられるようにしたいね」みたいな話は少ししました。あと、今回のライブに関しては、普段あまり歌わないような曲にも挑戦しているので、それがどんな風に受け入れてもらえるのかなといった話もしています。

──レヴィさん自身が歌うことはもちろん、共演者のステージを見るのも楽しみなライブなのでは?

レヴィ はい。ボクが一緒に歌ったことがあるのは夢追先輩だけで、他の皆さんは初めてご一緒する方ばかり。他のライバーさん同士でも、どんな化学反応があるのか、めちゃくちゃ楽しみです!

「にじさんじ」レヴィ・エリファらが最新AR技術で生バンドと共演「こういうステージで歌いたかった!」
8月1日に開催される『にじさんじ AR STAGE "LIGHT UP TONES"』のDay2には、月ノ美兎、剣持刀也、叶、ドーラ、魔界ノりりむ、葛葉、椎名唯華が出演する

──先日の3Dお披露目の経験も踏まえて、『LIGHT UP TONES』に向けて、特に頑張っていることはありますか?

レヴィ このライブでは、ダンスにも力をいれたいなと思ってます。

──ダンスですか! レヴィさんの新たな魅力が見られそうですね。

レヴィ お披露目のときは歌うことで精一杯だったんですけれど、今回はダンスの切れの良さとかも見せられたら嬉しいな……と思ってはいるのですが、練習がなかなか難しくて(笑)。

──(筋トレゲームの)『リングフィットアドベンチャー』の配信を見ていて、レヴィさんのフィジカルが強いことは知っているのですが、ダンスも得意なのですか?

レヴィ ダンスは初めて挑戦している感じです! あ、これは言っておきたいのですが、配信で『リングフィットアドベンチャー』をやっていて本当に良かった。あのゲームをやっていたからこそ、お披露目配信であれだけ動いて、あれだけ歌えました。だから、少なくとも『LIGHT UP TONES』が終わるまでは、『リングフィットアドベンチャー』も続けたいと思います(笑)。

──このステージでは、ファンの皆さんにどんなライブを見せたいですか?

レヴィ まずは、ボクの「こういうステージで歌いたかった!」という気持ちがみんなにしっかりと伝わればいいですね。あとは、今、お話ししたように新しいことにも挑戦しているので、それも楽しんでもらえるようなパフォーマンスができたらと思っています。

──このインタビューを読んでいる読者へメッセージをお願いします。

レヴィ いろいろな情勢の中、無観客で行われ、オンラインやライブビューイングでしか観られないライブではあるのですが、逆に言えば、普段のイベントやライブはなかなか観られない地域に住んでいる方でも、チケットを買っていただければ観られるライブ。「観る」ことへのハードルは、とても下がっていると思います。でも、ボクたちライバーの中のハードルは当然、下げてないどころか、めちゃくちゃ上がっていて。今までにないいちばんのクオリティのパフォーマンスを出せたらと思って、練習などをやっています。ぜひ、その成果を観てください!

──最後に、とても気の早い質問になるのですが。3Dの身体を手に入れて、初めての大規模ライブにも出演するレヴィさんの次の夢や目標を教えてください。

レヴィ 今後の夢は……ワンマンライブをやりたいです。3Dお披露目のときは、全部含めて1時間で、言ってみればミニライブみたいな形ではあったので。次は、ガッツリしたワンマンライブをできたらなと思います。そして、そのときには、お客さんも会場に来てもらえるような状況だと嬉しいですね。ボクが大好きなアーティストさんのライブを観に行ったときに感じたような嬉しい気持ちを、今度はみんなに与えられるというか、感じてもらえる側になれたとしたら。そんなに嬉しいことはありません。
(丸本大輔)

イベント概要

『にじさんじ AR STAGE “LIGHT UP TONES”』

■出演者
・DAY1:樋口楓/緑仙/花畑チャイカ/町田ちま/ジョー・力一/夢追翔/レヴィ・エリファ/加賀美ハヤト
・DAY2:月ノ美兎/剣持刀也/叶/ドーラ/魔界ノりりむ/葛葉/椎名唯華

■開催日時
・DAY1:2021年7月31日(土)17:00 開演
・DAY2:2021年8月1日(日)17:00 開演

■イベント公式サイト
https://event.nijisanji.app/arstage_lightuptones/

■主催
ANYCOLOR株式会社

有料配信(ニコニコ生放送)チケット情報

■チケット料金
・各日チケット:6,250円(税込)
※「Go To イベント」適用により 5,000円(税込) で販売
・通しチケット:11,000円(税込)
※「Go To イベント」適用により 9,000円(税込) で販売

■購入期限
・DAY1:2021年8月13日(金)23:59
・DAY2:2021年8月14日(土)23:59

■タイムシフト視聴期限
・DAY1:2021年8月14日(土)23:59
・DAY2:2021年8月15日(日)23:59
※生放送終了直後からタイムシフト視聴可能
※視聴期限までは何度でも視聴できるが、視聴期限を過ぎるとタイムシフト視聴中でも視聴不可になります

■購入ページ
【DAY1】 にじさんじ AR STAGE “LIGHT UP TONES”
【DAY2】 にじさんじ AR STAGE “LIGHT UP TONES”
【2日間通しチケット】

ライブビューイング チケット概要

■チケット料金
6,000円(税込) 全席指定

■チケットの購入方法や会場などの詳細
https://event.nijisanji.app/arstage_lightuptones/
※ライブビューイング限定の来場者プレゼントあり

(C)ANYCOLOR, Inc.


Writer

丸本大輔


フリーライター&編集者。瀬戸内海の因島出身、現在は東京在住。専門ジャンルは、アニメ、漫画などで、インタビューを中心に活動。「たまゆら」「終末のイゼッタ」「銀河英雄伝説DNT」ではオフィシャルライターを担当した。にじさんじ、ホロライブを中心にVTuber(バーチャルYouTuber)の取材実績も多数。

関連サイト
@maru_working