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文明の利器と出会う『武士スタント逢坂くん!』第3話
7月26日からスタートしたシンドラ『武士スタント逢坂くん!』(日本テレビ系)。原作はヨコヤマノブオ『武士スタント逢坂くん!』(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)。江戸時代からタイムスリップしてきた逢坂総司郎(濱田祟裕/ジャニーズWEST)、第3話では文明の利器、カメラと「しやしん」こと写真と出会うのだが――。【前話レビュー】『武士スタント逢坂くん!』相撲対決! 濱田祟裕と森本慎太郎の演技力が発揮された第2話
第2話で緋村清人(森本慎太郎/SixTONES)と相撲対決によって打ち解けた二人。逢坂のトレーニングに付き合う緋村、あんなにバチバチだったのにすっかり仲良しコンビだ。
漫画家の宮上裕樹(今井隆文)先生のネタ探しの相棒に指名を受けた逢坂。緋村に申し訳なさそうな視線を送るとしばし見つめ合う二人。緋村が「お行きなさい!」と快く送り出すと、「かたじけないっっ!」と深々と頭を下げ、さらに正座して「御免」と逢坂。
前回もそんな片鱗があったものの、時々、逢坂くん口調になる緋村。ついこの間まで敵対視していた相手とは思えない雰囲気だ。相手を思いやる逢坂と、信頼する相手には気っ風がいい緋村。
「お待たせしました」と広い公園で待つ2人のもとにやってきたのは、宮上先生の担当編集・丹内あたり(久保田紗友)。
「丹内殿……」
ズキューーーーーーン!と射抜かれた逢坂。編集部での初対面やアトリエに訪問してきた時とは違って、爽やかなネタ探しコーデ。ブルーのロングスカートに、トリコロールストライプのビスチェを重ねた白T。
背中を丸め、Tシャツの裾を掴んでもじもじ。眩しすぎて近づけない逢坂だった。なんというピュアさだ。
丹内との再会、そしてこのタイミングで文明の利器と出会う。丹内が首から下げていたカメラで宮上先生と逢坂をパシャリ。つい数秒前の一コマを切り取って記録しておくことができるカメラ、写真……逢坂の言う「しやしん」と出会った。
偶然二人きりになったタイミングで、丹内から「ホント、キャラぶれないですね」と言われていたが、視聴者側もすっかり馴染んでしまったように逢坂は江戸からタイムスリップしてきた武士なのだ。
カメラの他にスマホでも撮影していて画像の整理が大変だと話す丹内に、「知らない」とも言わず「スマホ……」と言いかけただけ。必要以上の言葉を挟まず、彼女と“しやしん”を見つめる逢坂。Tシャツの文字「ZIP YOUR LIPS.」がマッチしていた。
上京したての頃にひまわり畑と映る祖母に助けられたという丹内のエピソードに、今度は絵師としての逢坂が顔を出す。素敵な丹内殿の心の支えとなった“しやしん”に嫉妬する逢坂。絵師としてのプライドを揺さぶってくる“しやしん”に、己の非力を嘆き、いたたまれなくなった逢坂。しやしんに抗うがごとく全力疾走して迷子に。
迷子のチワワを探す逢坂、その先には……
瀬戸水緒(長井短)や緋村と連絡をとりながら、目撃情報を頼りに逢坂を探すチーム宮上。空を見上げ、途方に暮れる迷子の逢坂。チワワを探すチラシを手にすると、そこへ偶然にも現れたチワワ。たまたま目撃したからなのか、迷子のチワワにどこか江戸からタイムスリップしてきた自分を重ねたのか、ただただイイ人なのか……。とにかくチワワを捕まえようと追いかける。途中で遭遇した丹内を巻き込んで、チワワを追いかける。
「逢坂、負けを認め申す」。チワワを通してしやしんの価値に気づいた逢坂。そしてグラフィティアートとの出会い。
「逢坂さん、絵は写真に負けたりしませんよ」
丹内から絵で表現することの素晴らしさ、無限の可能性を伝えられると、逢坂は涙を流した。

そして、2人を襲ったエレベーターの停止。閉じ込められた2人だが、丹内の心を支えつづけた写真をもとに、筆のほかに手をつかう技法まで駆使して逢坂流のグラフィティアートを描き上げたのだった。
ここで…!とツッコミたくなったものの、汗を流しながら大切な人のために、自分のできることを一生懸命にやりきる。不器用だけどカッコいいな、逢坂くん。
第2話の終盤で緋村と相撲をとった際に、「春画を描くときに必要なのは依頼主の昂り、強い意志を勝ち取ること」と言っていたが、丹内の心を支えようと熱を込めた壁画だった。
冒頭、公園で眩しいと近づけずにいたが、気づけば逢坂と丹内、withチワワの濃い時間を過ごしていた。
宮上先生の事情聴取。目を輝かせてもっと学びたいと訴える逢坂に、優しい目をした宮上先生。カメラ、写真との出会いに、感動しつつも敵対心を燃やし……自分の感情と素直に向き合っていた逢坂だった。
第2話では、時間や動きを伝える描写を覚え、一枚絵と複数のコマ割りの違いを発見した逢坂。
(柚月裕実)
『武士スタント逢坂くん!』Kindle版 1〜6巻
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番組情報
『武士スタント逢坂くん!』第4話:8月16日(月)25:04〜
主演:濱田崇裕(ジャニーズWEST) 森本慎太郎 久保田紗友 長井短 今井隆文
原作:ヨコヤマノブオ『武士スタント逢坂くん!』(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)
脚本:坪田文 伊達さん
演出:渋江修平 大江海
音楽:近谷直之
編成企画:安島隆 河野雄平
コンテンツプロデューサー:岩崎広樹
チーフプロデューサー:福士睦
プロデューサー:諸田景子 長松谷太郎 中野有香
制作プロダクション:ギークサイト
製作著作:日本テレビ ジェイ・ストーム
(C)ヨコヤマノブオ・小学館/NTV・JStorm
番組公式サイト:https://www.ntv.co.jp/bushi/
番組公式サイト:@bushi_ntv
第3話あらすじ
春画師である武士・逢坂くん(濱田崇裕)は、漫画家アシスタント権を賭けて、チーフアシスタント・緋村(森本慎太郎)と相撲という男同士の戦いを経て勝利!師匠の漫画家・宮上(今井隆文)、アシスタントの緋村、瀬戸(長井短)と表現の自由にあふれる令和の世を楽しく過ごしていた。しかし、逢坂くんは、宮上の担当編集・丹内(久保田紗友)を見ると胸がドキドキし、気になって仕方ない。
ある日、宮上と丹内と共に、漫画のシナリオ探しのために公園へ。丹内は写真が趣味で、宮上の資料写真をしばしば撮影しているという。逢坂くんは初めて見る「写真」に嫉妬。瞬間で画を切り取れるなんて……惨敗! 己、存在する価値なし!と立ち去ってしまう。スマホもない、帰り方もわからない逢坂くんはどこへ行ってしまったのか!?
柚月裕実
Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。
@hiromin2013