
終活テーマに『週刊さんまとマツコ』
明石家さんまとマツコ・デラックスが冠MCを務める番組『週刊さんまとマツコ』(TBS)#13「さんまマツコ終活ガチ相談」が有料動画配信サービス「Paravi」で配信中。「(死去したら)財産を全額寄付する」というさんまの発言をきっかけに、さんまとマツコが終活のかたちについて本気でトーク。ゲストに「終活ライフケアプランナー」の資格を持つ女優・財前直見を迎えた。【関連レビュー】『男女7人夏物語』さんまとしのぶが隅田川の向かい側に住んでいた理由を検証
IMALU、さんまの“財産全額寄付”報道に「いらねぇし」
番組冒頭で取り上げられたのは、今年7月にスポーツ紙に掲載された、「(死去したら)財産を全額寄付する」というさんまの発言報道。その後、実娘・IMALUのもとへ報道陣が大挙して詰めかけたといい、さんまは「IMALUに迷惑がかかった」と苦々しげに語る。「財産、残さないって言ってますけど、どうですか?」という報道陣の無神経な質問がぶつけられ、IMALUは激怒。さんまいわく、「(遺産)『いらねぇし』って言うてん」という。「じゃぁ、この番組のせいじゃないの」というマツコに、「ちがうねん。IMALUの彼のことをラジオで言うてしもて、それも怒っとんねん」とさんま。それを聞いたマツコは「そっちよ! そっち(の理由)だって。怒ってるの」と呆れ顔でツッコむ。
その後、番組では「もし明日、明石家さんまが死んだら自分も周りも超大変!」とテーマを設定。マツコは「(さんまが死んだら)すっごい泣くよ」と真剣な面持ちで語る。それを聞いたさんまは思わず「ダハッ!」と突っ伏し、スタジオにも笑いが起きるなか、マツコは「みんなはわかんないよ。みんなはわかんないけど…… 私は泣き崩れる」と強調する。
「終活ライフケアプランナー」財前直見が登場
「お金以外にも生前に心配事をすべて解消しておくべく、スペシャリストの方に来ていただいております」と番組スタッフ。「それは要するに…… デスノートっていうの?」と、ボケともマジともつかぬ答えを返すさんまに、マツコは「エンディングノート!(デスノートは)殺したい人のリストよ」とツッコみ、さんまは本気で赤面。
女優として活躍するかたわら、約11年前に地元・大分へ移住した財前。現在は「終活ライフケアプランナー」の資格を取得し、講演会や本の出版など、“終活のプロ”としての活動を行っているのだという。
「なんでそこまで詳しくなったの?」というさんまに、「きっかけは、息子が生まれて大分に帰ったこと」と財前。両親や、子ども時代からの顔なじみの人々が老いていく様子を目にし、「なにか手助けできることがあったら」と資格を取得したのだという。
「今日は、さんまさんが『死ぬ前にやったほうがいいこと』(を提案しにきた)」と財前。「はい! お願いします!」と興味津々のさんまを前にアドバイスを繰り出す。
遺産は「応援してもらった国民への恩返しとして寄付」とさんま
最初に財前が挙げたのは「莫大な遺産」。「財産を国に寄付するのは本当ですか?」という質問に、「お金を残すとロクなことが子どもたちにない」とさんま。「働く面白さとか、明日どうしよう(と迷うことが)絶対楽しいので。親からもらったもので優雅に過ごすと、人として面白くないんじゃないか」と持論を述べる。「(財産)500億円あるんですか?」と財前が尋ねると、さんまは「ファー?!」と絶叫し、「もうない、ない」と苦笑い。それを聞いたマツコと財前に「“もう”って言ったね?! 今」とすかさずツッコまれ、「3桁の億なんて夢物語。
「500億(財産が)あるとして、6億以上の(財産を持つ)人には55%の相続税がかかる」と財前。仮に500億円を相続した場合、相続人は275億円を納税する必要があり、さらに死を知った10カ月以内に現金で一括納付しなければいけないと言い、さんまは「(工面のために)マンションや家を売りさばかなきゃいけないんだ」と驚く。

寄付の理由を尋ねられ、「国民の皆様に応援していただいて、その恩返し的に寄付するということ」とさんま。「俺は娘に任せてる」と、遺産の扱いはIMALUに一任していることを明かす。これに対し、「いちばん揉めないのは遺言書」と財前。「手書きであって、封がされている」ことが条件であり、裁判所の届け出なしに開封すると5万円以下の過料が課せられるとルールを説明する。
もはや女優としてではなく、完全にプロの「終活ライフケアプランナー」としての顔つきで語る財前。その様子にマツコは「私いま、財前さんからこんな話を聞いていることがすごい不思議です」と感心し、さんまも「この人何をしゃべってはるんや(という気持ち)」と、尊敬と困惑の入り混じった表情でコメントする。
「ハニートラップ」の話題から、前妻・大竹しのぶの“モノマネ劇場”へ
「(自分は)元気なんで、先に周りが亡くなっていくんじゃないかと思ってる感じもする」とさんま。これに対し財前は「元気でも……」と、認知症のリスクを説明。「認知症と診断されただけで、銀行口座がストップされたりする(場合がある)」と聞かされ、さんまは「ウソやん?!」とビックリ。「うち、認知症の家系なんですよ。
「うちのおじ、72歳で認知症になったんですよ。あと6年やで」とさんま。マツコも「どうする……?!」と不安がるが、そんな2人に対して財前は「なるべくアナログで紙に(遺言)を書くのがいちばん大事」とアドバイスするが、同時に「さんまさん、おモテになるので」と、“ハニートラップ”の可能性にも言及。「紀州のドンファン」を例に挙げ、「そうすると、その方が半分(財産を)持っていかれるので、子どもたち(の取り分も少なくなる)」と語る。
「そのときに(大竹)しのぶさんが元気だったら喧嘩してくれるだろうけど……」とマツコ。その話をきっかけに、さんまによる大竹のモノマネ劇場がはじまり、話は大きく脱線しはじめていく。

その後も、多くの人にとって頭を悩ませることとなる「膨大なコレクションの処分」問題や、「オンラインでの生前葬」など、コロナ禍をふまえて生まれた新たな終活のかたちも明らかに。さんまという極端なケースが題材にこそなるが、「自分の場合はどのようにしたいか」と思わず考えさせられる内容が満載。純粋にひとりの“プロ”として淡々と解説を進める財前の表情と、その知識の膨大さも大きな見どころだ。
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番組情報
『週刊さんまとマツコ』TBSテレビ 日曜夜6時30分〜
TBS FREE、TVer、GYAO! で最新回見逃し配信、Paraviで過去エピソードを配信中
